創刊準備号

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2010.07.14

創刊準備号

いきなり手前味噌の話題で恐縮です。当社の社名、レデックス:LEDEXは、LEがLEarn(学ぶ)、DがDesign(デザインする)、EXがEXperiment(試してみる)、それぞれの文字をつなげた言葉です。学習と活動に関するサービスを提供することで人の発達を支援するのが当社の理念です。このメルマガでは学びや認知活動の発達に関する情報を、いろいろな角度から提供していきたいと思います。

今回は準備号ということで、認知活動、とは何かという整理をしてみたいと思います。少々固い内容で恐縮ですが、どうかお付き合いください。

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【目次】

(1)認知機能とは
(2)発達障害の定義
(3)発達障害にどのように対処するか?

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(1)認知機能とは

脳は認知機能を司る臓器です。身体の各部からの情報を集め、それを処理して、各部が円滑に活動するのに必要な情報を作り出します。脳には大脳、小脳などの構造がありますが、例えば、記憶という認知機能だけでも広い範囲に渡って分担されています。下記ページは脳卒中になった人の回復を支援するサイト。学術的ではないかもしれませんが、脳の認知機能分布をイメージするのにお勧めです。

NPO伊吹
http://www.saiken.jp/pg217.html

当社の開発協力者、国立成育医療研究センター・リハビリテーション科医長の橋本圭司医師は、脳外傷などの認知障害のリハビリが専門。その理論は、認知機能を体系的に分け、それぞれの関連を考えながら総合的にリハビリを進める「神経心理循環」という手法。ちょうどよい資料が次のページに。

ソフィア訪問看護ステーション
http://nursing.sophiamedi.co.jp/ha019/kojino.html

橋本先生はこのページの図のように、人間の生活と認知機能が密接に結びついており、それぞれの認知機能の発達を総合的に支援することが、生きる力の獲得につながると考え、多数の成果を上げてきました。

その代表例が、2008年北京パラリンピックで、金・銀・銅の3つのメダルを自転車競技で獲得した石井雅史さん。石井さんは映画「ガチ☆ボーイ」のモデルです。

Yahoo映画 ガチ☆ボーイ
http://info.movies.yahoo.co.jp/detail/tymv/id328969/

基本的な認知機能は、抑制力、注意力、情報獲得力、記憶力、遂行機能、空間認知力、見当識の7つです。※前図からその後、改訂されました。

石井さんは交通事故の後遺症で、映画と同様に記憶力がなかなか回復しません。ですが橋本先生のリハビリで、情報獲得と遂行機能を高めることができました。

そのおかげで、メモを活用したり、道順を忘れた時にはいったん駅に戻るとか、タクシーに乗る、といった記憶力を補う様々な方法ができるようになり社会への適応力を高め、ついにはパラリンピックの選手に選ばれ、メダルを取るまでになりました。

当社の認知機能支援のベースはこの「神経心理循環」で、人間の持てる様々な認知機能をそれぞれ伸ばすことで、生きる力の獲得・向上の支援を実現したいと思います。

橋本先生と石井さんの動画
http://www.ledex.co.jp/products/kb001.html

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(2)発達障害の定義

成人のリハビリは元々あった認知機能の回復ですが、子どもの場合はまだできていない認知機能の発達を支援することが必要になります。子どもは一人ひとり、その認知機能の発達のスピードは異なりますが、特定の認知機能が発達しにくい子どもたちがいます。それらの子どもたちを総称して発達障害といいます。

様々な用語が錯綜していますが、日本では発達障害の定義として、米国精神医学会の分類であるDSM、または、世界保健機関の分類であるICDが使われます。それぞれ改訂がなされ、最新はDSMが第4版改訂版DSM-4TR、ICDが第10版ICD-10です。

(補足)DSMは第5版の草案が今年、公開されています。アスペルガー症候群という分類をなくす、ということで話題を呼んでいます。後日紹介。

行政の世界ではICDが、医師など現場ではDSMが用いられることが多いようで、本メルマガでは、DSMに準拠させていただきます。

厚生労働省 ICD-10及びDSM-4
http://www.mhlw.go.jp/shingi/2005/01/s0118-7f.html

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(3)発達障害にどのように対処するか?

これだけはっきりとした分類がされていると、すでに発生原因が特定され、それによって特定の症状が引き起こされていると考えたくなります。ですがDSMは、同時に存在することの多い症状の集合であり、他の集合とは明確に分離される集合のことでそれぞれの集合への対処方法を積み上げるために行った分類でしかないことに注意をする必要があります。

つまり、それらの症状の原因が遺伝子の問題等による器質性の場合もありますし、乳幼児期の特定の成育環境により引き起こされた後天性の場合もあるかもしれない訳です。まだまだ解明されていないことも多いわけですが、子どもたちの成長には待ったはできません。

本メルマガでも、こういった状況を前提に、少しでも子どもたちの認知機能の発達の支援に役立つ情報を発信していきたいと思います。

次号は正式なメルマガ第1号です。今後はもう少し、幅広い話題から話題を盛り込んでいきますので、ご期待ください。

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