インクルーシブ教育とは?

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2010.07.30

インクルーシブ教育とは?

夏真っ盛り。暑い日が続きますが、いかがお過ごしでしょうか?
いよいよ夏休みに入り、お子様の毎日の過ごし方に頭を悩ませる方も多いのかもしれません。そこで今号では、小学生以上のお子様にお勧めする課題として内閣府が行う「心の輪を広げる体験作文」と「障害者週間のポスター」コンクールをご紹介します。

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【目次】
(1)夏休みの作文とポスター・コンクール
(2)障がい児・者の教育制度-インクルーシブ教育とは?
(3)おすすめコンテンツ「光とともに・・・」

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(1)夏休みの作文とポスター・コンクール

この企画、2005年から毎年、夏休みの時期に実施されています。作文は小学生の部、中学生の部、高校生・一般の3つの部門、ポスターは小学生と中学生の部の2つの部門です。それぞれの部門の最優秀作品には、内閣総理大臣賞と副賞が贈られ、12月3日に東京で開催される障害者週間の集いに招待されて表彰されます。他にも各部門3人(ポスターは1人)に内閣府特命担当大臣賞、各部門5人に佳作が贈られます。

作文のテーマは「出会い、ふれあい、心の輪-障害のある人とない人との心のふれあい体験を広げよう」。作文の分量は小学生、中学生とも400字詰原稿用紙2~4枚程度です。

ポスターのテーマは「障害の有無にかかわらず誰もが能力を発揮して安全に安心して生活できる社会の実現」です。画用紙のB3版または四つ切を使用します。彩色と画材は自由です。

特別支援学校の児童・生徒を含め障がいのある人ももちろん参加できます。昨年の小学生の部では作文1075人(障がいのある人22人)、ポスター828人(同24人)が参加しています。参加人数が意外に少ないので、各部門上位9人(ポスターは7人)に入る確率は高いのではないでしょうか?

詳しくは、内閣府のページをご覧ください。
http://www8.cao.go.jp/shougai/kou-kei/boshu22.html

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(2)障がい児・者の教育制度-インクルーシブ教育とは?

自民党から民主党に政権は変わりましたが、障がいのある人とない人が共生する社会を目指す動きは継続しています。背景には世界の大きな流れがあります。

きっかけは、2006年に国連総会で採択された「障害者の権利に関する条約」です。すでに144カ国・機関が署名し、88カ国が批准しました。
実は先進国といわれる国の中で批准をしていないのは日本だけなのです。そこで、政府はその実現を目指して、様々な取り組みを行っているのです。

では、どうして日本は批准がなかなかできないのでしょうか?その原因は、同条約の中の教育制度に関する規定と、日本の障がい者への支援を取り決めた法律「障害者基本法」のギャップです。

問題となる「教育」に関連するそれぞれの部分を取り出してみましょう。

●障害者の権利に関する条約の抜粋 第24条(文部科学省の仮訳から)

1.(a) あらゆる段階における障害者を包容する教育制度及び生涯学習を確保する。
1.(b) 障害者が、その人格、才能及び創造力並びに精神的及び身体的な能力を、その可能な最大限度まで発達させること。

2.(a) 障害者が、障害を理由として教育制度一般から排除されないこと。
2.(b) 障害者が、他の者と平等に、自己の生活する地域社会において、包容され、質が高く、無償の初等教育及び中等教育の機会を与えられること。

●日本の障害者基本法の抜粋 教育 第14条 3

国及び地方公共団体は、障害のある児童及び生徒と障害のない児童及び生徒との交流及び共同学習を積極的に進めることによって、その相互理解を促進しなければならない。

条約は障がい者を包容する教育制度を前提としているのに対し、日本の目標が、障がいのある児童とない児童の交流を進める-その違いは明らかです。そして、条約の中の表現、障害者を包容する教育制度の原文が inclusiveeducation system これが話題の「インクルーシブ教育」の発端です。

政府から、障がい者に関連する法律を改定する方向性を探ることを任された「障がい者制度改革推進会議」が表明した「全員が基本的に地域の小学校に行き、希望者は特別支援学校等への進学を選ぶことができる」というのは、これを受けてのことなのです。

そして、今盛んに議論されているのは、あらゆる障がいをもった子どもが、同じ教室で一緒に教育を受けることが、才能や能力を最大限まで発達させることを本当に実現するのか、ということです。これについては、日本の学校の現状に触れずに議論することは難しいでしょう。

長くなりました。この続きは、次号で。

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(3)おすすめコンテンツ「光とともに・・・」

さまざまな障がいに関して、たくさんの解説書や、小説や映画があります。本コーナーでは、それらの中からおすすめできるコンテンツを紹介します。今回は自閉症児を描いた連作マンガ「光とともに・・・自閉症児を抱えて」を紹介させていただきます。

元々は作者、戸部けいこさんが女性向け月刊コミック雑誌「フォアミセス」に連載したもの。現在、秋田書店からコミック単行本として15巻、文庫も2巻が出版されています。2004年には、篠原涼子主演で連続テレビ番組にもなりました。戸部さん自身は、自閉症とは直接関係ありませんが、綿密な取材に基づき、母親を主人公にして自閉症児と家族が遭遇するさまざまな問題を描いています。

Wiki「光とともに・・・」 http://bit.ly/aARmTe

「光とともに・・・」公式サイト http://www.ntv.co.jp/hikari/

戸部さんは、今年1月に亡くなり、単行本第15巻には遺稿も収録されています。戸部さんに焦点を当てた番組をちょうど昨日NHKが放映しました。来週8月5日(木)午後0時から再放送がありますので、まずはそれを見て関心をもたれたら、購入あるいは図書館で借りられてはいかがでしょうか?

NHKテレビ“光”からあなたへ-漫画家 戸部けいこさんが遺したもの-
http://www.nhk.or.jp/heart-net/fnet/info/1007/100729.html

2004年文化庁メディア芸術祭マンガ部門優秀賞受賞作品

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最後までお読みいただき、ありがとうございました。
次号からは小中学生と実際にかかわるスクールカウンセラーから学校現場の様々な情報を発信してもらう予定です。お楽しみに。

では、8月13日(金)に。

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