発達障害の真逆、発達ギフトから考察する

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2023.06.02

発達障害の真逆、発達ギフトから考察する

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■  連載:発達障害の真逆、発達ギフトから考察する
■□ 連載:認知機能バランサーとCogEvo
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■ 連載:発達障害の凸凹、死角となりやすい二次障害とは?
             第8回 発達障害の真逆、発達ギフトから考察する(最終回)
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皆さん、こんにちは。
コミュニケーションの生き辛さを可能性に変える…イイトコサガシ・ワークショップを主催している発達障害当事者の冠地情(かんち じょう)です。

※イイトコサガシ・ワークショップ   
冠地情の発達障害プロフィール
※講談社から拙著(漫画)が出ていますので、よろしければご参照ください。

発達障害界隈を翻弄する幻想といえば、ギフテッド! だと思いますので、生々しく掘り下げていきたいと思います。
まず発達障害当事者会であるあるな結論を先に述べておきますと

「発達障害者だからギフテッドの割合が大きい、可能性が高いということはない。
そこは一般の人と変わらないと思った方が良い。
そして発達障害者の場合、ギフトの柔軟性が弱い(偏屈率が高い?)」

自虐的にあえて言いますが、なんと清々しい結論だろう、とこの話題になるたびに私は強く思う次第です。そんな都合の良いおとぎ話がほとんどないからこそ障害者なんですよ、と。(手帳取得がある、と)

※ このコラムは過去のコラムと連動していますので、よろしければ併せてお読みいただければ幸いです。

■その1 発達「夢中」ギフト
文字通り、時間を忘れるくらい没頭できる、取り組んでいるだけで幸せになれる、コスパが悪くても気にならないというギフトです。
イイトコサガシ:冠地情でいうなら…
イイトコサガシ・ワークショップをしている時は、本当にあっという間に時間が経過してしまいます。
以前、5日連続で10時間ワークショップを開催したことがありましたが、

 
終わった直後の感想は
「時間が足りなかったな」
でした(爆)
その他、月に32回のワークショップや大分県→愛媛県→富山県の強行日程ワークショップ等…
こんなことが苦にならなかったからこそ、全国で1100回以上の開催実績となったわけです。

発達障害あるあるな注意点としては、
「夢中と依存、ルーティンは似て非なるもの」
というのがあります。
なんとなくゲームをしている、YouTubeやネットサーフィン、SNSをしているというのは夢中ギフトではありません(強調)

〇さて、更にここからが重要なので、心してお読みください。
では全てのギフトと障害・生き辛さのわかりやすい違いはなんでしょう?
そのチェックリスト5つがコチラとなります!

1.他者評価、承認欲求の影響をあまり受けない
自分のギフトが、仮に他者からの評価として低かろうが、罵倒嘲笑されようが、承認どころかスルーされてばかりだろうが、気にならないという人は強いです。
逆を言えば他者に一喜一憂しすぎる人はマイナス、と。

2.成長したいという意欲が自然な感覚としてある
自分のギフトが成長するのが楽しい、成長するにはどうしたらよいだろう? と無意識に試行錯誤できる人は強いです。
逆を言えば成長の要素が入るとトーンダウンする人はマイナス、と。

3.他者貢献(共有)・社会貢献(共有)が自然な感覚としてある
他者貢献・社会貢献の要素って、ギフトの可能性が広がりやすいのです。
色々な人が協力しやすくなるから!
逆を言えばギフトを自己中心的に、利己的に使う感覚が自然な人はマイナス、と。
(エゴと向き合い、折り合いをつけることがギフト活用の鍵ですが…多くの発達障害者はエゴ>>>建設的対話なので…)

4.ビジネス的転換に興味がある
自分のギフトをビジネスにする・しないはともかくその視点で考察したり、相談するのが楽しい、という人は強いです。
ギフトをお金に、仕事に、人脈に変えられる方がそりゃあ安定します、継続します、広がりやすいです。

逆を言えばビジネス的な話がアレルギーな人は趣味の域を超えることが難しいです。
(ビジネス的要素が得意な人がパートナーになってくれたら…というのはあるあるな幻想ですが、そんな都合の良い人はなかなかいませんし、むしろ詐欺師の可能性が高かったりします)

5.建設的コミュニケーション・人間関係構築が自然な感覚としてある
ギフトを使って建設的にコミュニケーションしたい、関係性構築したい、という人は強いです。
余計なトラブルを減らせますし、多面的・重層的にギフトを理解・育成しやすいですし、ギフトの弱点・課題も早期発見・対応しやすいです。

逆を言えば建設的コミュニケーション?関係性構築?かったるいなぁ、そんなのギフトがあればなんとかなるだろう、という人や基本、一人で大丈夫という人はマイナス、と。
(相手を支配しよう、利用しようが自然な感覚の人格障害の人もいます)

さて皆さん、そろそろお気づきだと思いますが…
発達障害者の場合、ギフトを阻害する上記のチェックリストに、イチイチ引っかかってしまう、と。
なのでギフトを伸ばすことはもちろん大事なんですが、同時に阻害要因をどう緩和していくか? (どのようなインフラ・プログラムが有効か?)
これが重要課題、と私は強く思うわけです。
ということを大前提に続きのギフトに行きますね!

■その2 発達「学習」ギフト
通常より、経験・スキルになりやすい、わかりやすい成果が出やすい…
だから努力するのも楽しくなりやすい(笑)
新しいノウハウを吸収しやすく、それを試行錯誤しやすいので、自分を育成する選択肢が豊富。
まあ、発達障害あるあるな格言
「通常の人の三倍努力して、通常の人の半分しか成果が出ない…」
の真逆ということです(汗)

発達障害あるあるな注意点としては、
「勉強のテスト・資格修得はあくまでほんの一部。
実践的な経験値の要素が基本」
ということです。

例えば、漫画を描いていて…
サッカーをやっていて…
演劇をやっていて…
イイトコサガシ:冠地情で言えば、イイトコサガシ・ワークショップをやっていて、どんどん血肉になって行った気がします。
(あくまで主観ですが)
だからこそ、書籍化できるくらいノウハウ化できた、と。
まあでも…
夢中ギフトの要素が強かったとは思いますね(爆)

■その3 発達「応用展開」ギフト

一つのアイディア・方法論を色々な形で発展できる、次のステージに移行できる、違う価値を付与できる、そんなギフトです。
ADHD系の人はこのギフト、多い気がしますね!

ただ…
現状の教育システムだと思春期でこのギフトを伸ばせない、そんな気がします、私は。
(今の優先順位は応用展開よりまずは大人の価値観で成果を出すこと、になっている?)
イイトコサガシ:冠地情で言うなら…
だからこそ、80種類以上のワークショップを開発できた、と。
発達障害者は、特に自閉の強い人は真逆なギフトですね。
自分のやり方でなんとかしようとこだわってしまうし、色々な価値観の人とアイディアを建設的にコミュニケーションしよう、とはなかなか思わないかな、と。

■その4 発達「好奇心」ギフト
応用展開より、もっとフットワークの軽いイメージです。
ブレーンストーミングが大好き、そこから更に興味関心がどんどん広がってしまう、と。
他者の話から興味を覚えて、どんどん自分の手札に…
いつの間にかなってしまうギフトです。

例えばドラゴンボールのヤムチャが好きから始まって…
ドラゴンボールの漫画、アニメ、小説、ゲーム、同人、全てに好奇心が働く!
更に作者の鳥山明の他の作品、インタビュー、対談に興味が広がり…
そこから鳥山明に影響を受けた人、敵対している人に興味が広がりetc
とまあ良い意味での雑食(笑)
これもADHD系が結構あるあるなギフトです。

が、重要なのはチェックリストですね。
衝動性で食い散らかしているだけ、になりがちなので。
(自閉の強い人はフットワークが重いですし、興味が広がりにくいので真逆?)
イイトコサガシ:冠地情はこのギフト、少し弱いです。
色々な違うワークショップに好奇心を持てたか?
というとそうでもなかったので。
(ハイブリッド目的のコラボ企画を公的に提案し続けたので、そこそこのギフトだとは思いますが)

■その5 発達「メンタル」ギフト
精神的負荷に対する免疫力が、耐性が、回復力がとにかく強い!
通常より、深い領域まで踏み込めるので、他の人が獲得できないような経験値・気づきを得やすい。
(気難しい・偏屈な人とも連携できる、失敗を教訓にしやすい)
当たって砕けろや下手な鉄砲、数撃ちゃ当たるが、自然な感覚で実践できる、と言いますか(笑)
もっとすごい人になると…
逆境がエクスタシーとか、自分が傷ついても(損をしても)他の人のためになるならOK!etc

発達障害者は、打たれ弱い人が多い印象なので、このギフトによる成功事例はあまり参考にならない?
そして発達障害者は、通常より精神的負荷のかかる場面が多いので、このギフトだけだときついかも、です。
イイトコサガシ:冠地情で言うなら…
このギフトがあるからこそ、直接の批判は大歓迎!を公言継続(今年で7年目)できている、と思っています。

■その6 発達「安定継続」ギフト
調子の波やアクシデントに左右されず、やりたいこと、やるべきこと、予定や約束を安定継続できるギフトです。
自分の夢に関しての安定継続はもちろん…
日常生活も全方位的に安定継続できるかどうか?
ココが重要なポイントになります。
(役所や支援機関に相談、公的な事務手続き等含む)

自閉系の強い人は結構、自分のペースで淡々とこなせるところがありますけど…
ルーティンが壊れると不安定になりますし、方法論を変更しないといけない場面になるとフリーズしてしまい、相談も難しくなる人が多いので、このギフトは発達障害者、鬼門かもしれません。
イイトコサガシ:冠地情で言うなら…
これは障害レベルで苦手(汗)
できることなら思春期からやり直して取り組みたいくらいです。
なにせ安定継続を目指すだけでストレスなので、消耗が激しいので。
必要なことって理屈ではわかっているのに、です。
ここが退化硬直してしまうと本当にきついので、思春期からの育成インフラを整備してほしい、と私は強く思いますね。


■この発達ギフトと発達障害メソッドは取り扱い要注意!
さすがにこの内容をいきなり自分事のワークショップとして参加してもらうのは、発達障害者にとってきつすぎますので…
(いかに自分がギフトから遠い存在で、障害要素ばかりなのかが可視化されてしまうため)
架空の生き辛い発達障害者Aさんを設定して、グループで質疑応答したり、Aさんになりきって返答してみたり…
というスモールステップが良いと私は思います。

そしてもう一つの活用法は
「自己理解(自分に何が必要か?)が進まないと試行錯誤系のワークショップにどう参加してよいかわからない」
と言って、結局は不参加を続ける人に提案すること、です。
発達ギフトから発達障害を考察するワークショップが怖い、ということなら
「自己理解はダイバーシティスモールステップでワークショップを試行錯誤しながら徐々に…」
 
ということで納得してもらえばよいですし、あくまで自己理解にこだわるということであるなら、このワークショップで色々なことをハッキリさせればよい、ということです。
どちらもやりたくない、という人はそれを公的な記録に残した上で、後は定期的に参加を呼び掛けるしかない…
と私は思うのですが、皆さんはいかがお考えですか?

■今回のコラムの参考資料動画です、合わせてぜひ!
【冠地情がファシリテーター】
2022年11/22(火)正午に #コマラジ で放送されたイイトコサガシ・ワークショップがなんと、You Tubeに!

『ディスカッション形式ワークショップ…ギフトとは?』
パーソナリティ:咲田りお
ゲストバーター(?)ノクティ
 


【現場のリアル!】
あすぴれんとTV…イイトコサガシ:冠地情の人間臭さTVその94!
『発達ギフトから発達障害を理解する…前編』
このメソッドで生き辛さと可能性の可視化が加速、です!


【現場のリアル!】
あすぴれんとTV…イイトコサガシ:冠地情の人間臭さTVその95!
『発達ギフトから発達障害を理解する…後編』
ギフトによる幻想を払拭!
障害とギフトは分けて考えません?



【現場のリアル!】
あすぴれんとTV…イイトコサガシ:冠地情の人間臭さTVその96!
『発達ギフトから発達障害を理解する…使い方と注意点』
■ぶっちゃけ、長期的運用が基本…
簡単に自己理解は無理!

冠地情(かんち じょう)
不登校・ひきこもり・いじめ・発達障害の四冠王だったと語る、イイトコサガシ代表。
全国各地でいいところを探し、互いに応援するワークショップ&講演会等を43都道府県で1000回以上開催、10000人以上が参加。
合言葉は「試した時点で大成功!」
NHK「ハートネットTV」「バリバラ」に出演。
嫌われる・孤立する・批判される勇気を武器に、文字通り生き辛さ界隈の異端児。
あすぴれんとテレビでYouTube番組「人間臭さTV」を放送。
東京都狛江市のラジオ局コマラジ・第四火曜日正午~13時のアフタヌーンナビにレギュラー出演。
東京都東久留米市のラジオ局くるめラ・第一火曜日18時~19時の超イイトコサガシ宣言でメインパーソナリティ。


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■ 連載:サービスとアプリ-目標と由来
              第2回 認知機能バランサーとCogEvo
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1.認知症の予防
レデックスは、地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター研究所(都老研)と契約を締結し、認知症予防を学ぶ通信教育サービス※1を自治体や個人に提供しています。その研究の中心であった矢冨直美氏(故人)は認知症を、注意力、記憶力、計画力(遂行機能)の3つの認知機能が日常生活に必要なレベル以下になる状態と考え、それら3つの認知機能を維持・改善すること(認知的貯蓄仮説)が予防の鍵と考えました。その実現のために「料理をつくる」「旅行計画を立てる」「パソコンを学ぶ」の3種類の活動のいずれかを小集団で行うことを習慣化します。その方法を学ぶ通信講座が、認知症予防ファシリテーター養成講座※1です。

※1 認知症予防ファシリテーター養成講座 

2.認知機能バランサー
この認知的貯蓄仮説をパソコンのパズルによるトレーニングで行おうと考えて開発したのが認知機能バランサーです。

認知機能バランサーは、貯蓄仮説で維持すべきとされた注意力、記憶力、計画力に加え、空間認識と見当識の5つの認知機能をトレーニングするアプリとして開発しました。

それなりの市場の手ごたえを感じたのですが、その後開発したこども脳機能バランサーとは大きく異なる高齢者市場への取り組みは自社では難しいと判断しました。ちょうど、その頃、認知機能バランサーに関心を持ち、総代理店として事業に取り組ませてほしい、というオファーを受け、株式会社トータルブレインケア※2(当時の社名はドクタープラネッツ)と契約を締結しました。

※2 株式会社トータルブレインケア 

3.CogEvo
トータルブレインケアは、認知機能バランサーをクラウドサービスにし2016年から「CogEvo」という名称でその有用性の検証と多角的な事業展開に取り組んでいます。

その結果、「個別健康の最大化」を目指した、健康"生き活き"羅針盤リサーチコンプレックス※3が実施する「健康計測」の認知機能測定ツールとして採用され、また国家プロジェクトの一つ、J-MINT研究※4では総合機能評価の一つとして用いられるなど、認知機能の評価指標として高く評価されるまでになっています。

※3 理化学研究所が中核機関として活動
※4 認知症の予防法を探る研究「J-MINT」とは 

事業展開する領域は、健診、服薬指導、介護予防、保健指導から、車の安全運転、企業の健康経営支援やスポーツ選手の脳振盪(しんとう)復帰プログラムまで、様々な生活分野となっています。

CogEvoの効果として体重計や家庭用血圧計のように、認知機能の{見える化}ができるようになりました。多くの自治体※5で、CogEvoを使った健康測定会や予防教室などが行われ、住民のセルフケアが可能になりつつあります。

※5 CogEvo採用自治体 兵庫県、神戸市、堺市、大垣市、西条市、つがる市、常総市など40自治体また、日本有数の企業※6と提携し、新たなサービスの創造に取り組んでいます。
※6 SOMPOケア、トヨタ、シャープ、日本ハム、日本旅行、NTT西日本、アシックス等

◆五藤博義
 
 

■□ あとがき ■□--------------------------
4月に全国11か所で実施した、こども発達支援セミナーはおかげさまで多数の参加と好評のうちに終わりました。その上級編を実施してほしいとの要望に応えて、2回のオンラインセミナーと、参加者が特に多かった関西エリアと九州エリアで「こども発達支援アップデートセミナー」を実施します。講師は、私と当社の言語聴覚士、大野が担当します。
内容はどの日も同じで、リアルセミナーでは当社サービスをタブレットで体験していただけます。

オンラインセミナー 6月8日(木)16日(金)

リアルセミナー 6月20日(火)21日(水) 27日(火)~29日(木)

動画チャンネルは、吃音と発達性協調運動症(DCD)を公開しました。

次回メルマガは、6月16日(金)の予定です。

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