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★サポート情報★
当社の製品はWindows7/8/10にて動作を確認しています。
インストールや動作に問題がある場合には、こちらのサポート情報ページをご参照ください。

眼球運動のトレーニングと視覚認知機能の支援

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● 連載:眼球運動のトレーニングと視覚認知機能の支援
● 連載:発達を支援する生活動作(食事:箸やスプーンの持ち方編)
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● 連載:ソフトウエアで認知機能の発達と学習を支援する
第6回 眼球運動のトレーニングと視覚認知機能の支援
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しばらく間が空きましたが、昨年11月以来の連載です。筆者が手掛けた視覚関連製品は2種類ありますが、最初の製品、ビジョントレーニングII(以下、VT)を今回紹介させていただきます。

最初におやっと思われるのは、IIがついていることでしょう。Iがないのではなく、原案・監修の北出勝也先生(視機能トレーニングセンターJoyVision代表・米国オプトメトリスト)自身が商品化をされているからです。それをさらに発展させてほしい、とのリクエストを北出先生からいただき、レデックスでVTを製品化しました。

※北出先生プロフィール (詳細はこちら>>

内容は、眼球運動トレーニングと、それまで北出先生が教具を使って行っていた視機能トレーニングをデジタル化したものです。

1.眼球運動トレーニング

眼球を動かすのは、眼筋と呼ばれる筋肉です。1つの眼球を6つの眼筋が動かします。かつて野外でいろいろな活動をしながら成長した子どもたちは、様々な方向に注意を向ける必要があり、その際に眼球を上下左右に動かすことで、眼筋は自然に鍛えられてきたと思われます。ところが昨今、特に都会部で過ごす子どもたちは、安全という面からも野外で遊ぶ機会が少なく、眼球をあまり動かす必要がありません。中でも、上下に眼球を動かす機会が少ないと思われ、その際に使われる眼筋の発達が十分でない場合があります。一方、国語の教科書のように縦書きで書かれた本を読むには、眼球を上下に動かすことが求められることになり、子どもにとっては眼球を動かすことが容易でないことから、本を読むのが好きでなくなったり、にがてになったりすることがあります。

VTの「アイ・ムーブメント」というタスクは、画面のマス目のどこかに現れるカーソルを、1分間にできるだけ数多くタッチする課題です。顔を動かさず、眼球だけを動かしてカーソルを探す中で、自然に眼筋をトレーニングします。カーソルの動き方は、設定の仕方で水平方向、垂直方向、対角線、ランダムなどを選ぶことができ、その子の弱い眼筋を選択的に鍛えることができます。カーソルの形状も、ひらがな、カタカナ、アルファベット、漢字、矢印などが選べ、副次的な文字の学習効果を期待できます。

アイムーブメントを含む、後述のタスクの画面イメージは、下記をご覧ください。

※ビジョントレーニングの5つのタスク (詳細はこちら>>

2.視覚認知トレーニング

視覚情報を認識する部分のトレーニングを2種類のタスクで行います。

2-1.ジオボード

見本のマス目に、2か所を結んだ直線がいくつかあります。その見本通りになるように、回答スペースのマス目の中の、特定の2箇所を選んで、見本と同じ直線を引いていきます。「位置の認識」を重点目標としたタスクです。

2-2.テングラム

単位となる三角形や平行四辺形を使って、見本の形のスペースを埋めていきます。「形をいくつかの部分に分けて認識する」能力を身につけるためのタスクです。

3.空間認識トレーニング

視覚情報を使って問題を解決する能力を身につけるトレーニングを、2種類のタスクで行います。

3-1.ばらばら漢字

つなぎ合わせると見本の漢字の形になるように、複数の部品からいくつかを選び出します。テングラムが操作しながら、部分の形でスペースを埋めていくのに対し、こちらは組み合わせようとする候補の部品を重ねたら、「どういう形になるのかを、頭の中で想像する」能力を身につけるためのタスクです。

3-2.どこにいる?

色の異なる柱がマス目状に複数立っている3次元空間の中の、どこかある場所に立って眺めて見えている風景が提示され、その場所がマス目の中のどこなのか、どちらを向いているのかを、考えさせるタスクです。柱の上方から見える2次元情報から3次元空間を想像し、さらに、その中に立っていたら見えるであろう風景を想像します。「視点を移動させて考える」能力を身につけます。

4.評価

取り組んだ子どもの、眼球運動、視覚認知、空間認識のバランスがレーダーチャートで表示されます。また、5種類のタスクの成績が時系列の折れ線グラフで表示されます。

5.まとめ

現代の子どもに不足になりがちな眼筋のトレーニングを手軽に行える製品です。また、視覚認知と空間認識の基本的なトレーニングをゲーム形式で楽しく取り組むことができます。そういった特長が評価されたのか、いくつかの自治体で300セットなど、まとまった数が一括導入され、活用されています。

五藤博義(ごとうひろよし)
レデックス代表

 

● 連載:発達を支援する生活動作
第4回 発達を支援する生活動作(食事:箸やスプーンの持ち方編)
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前回の食事動作の続きになります。以下の確認と練習をしてみましょう。
(1)椅子と机の高さが子どもの体格に合っているか、(2)適切な食具を使用しているか、(3)箸の前に鉛筆の持ち方の練習

(1)椅子と机の高さ

手を上手に使うためには、まずは姿勢保持が大切です。
※図1のように、椅子は深く座り背もたれから背中を離して座ります。姿勢を正した時に、股関節と膝関節が直角になり、足の裏全体が床につく高さになるものが適当です。また、テーブルはその状態の時に、肘が直角に曲げる高さのものにします。

お腹とテーブルの間は、子どものこぶし一つ程度空くようにします。食事場面以外の時にも、姿勢を正した時にはこのような姿勢をとれるようにすることが必要です。

座面や背もたれに防災頭巾やクッションなどを敷くと、姿勢が崩れやすくなりますので、敷かないようにします。座面が滑って背中が丸くなってしまう場合には、座面にQチェアマット※図2などのような、滑り止めマットを敷くと姿勢保持に効果的です。

※図1 椅子と机の高さ (図はこちら>>
※図2 Qチェアマット (図はこちら>>

学校で使用されている板の素材は滑りやすく、長時間座るとお尻が痛くなりやすいので、それに対処するためにも、姿勢が崩れやすい子どもに滑り止めマットを使用すると良いです。

発達障害の中には努力しても、姿勢を正すことが難しい子どもがいます。正しい姿勢自体が分からない場合には、体に手を添えて、姿勢を正すときの動きを誘導して教えます。「姿勢を正してください」の声掛けで、一時的でも姿勢を正せるように体の動きを教えていきます。

姿勢を正せてもそれを持続することが難しい子どもたちの中には、筋力自体が未発達なことがあります。そのような子どもは普段から姿勢が崩れやすく、運動が苦手な傾向があります。姿勢の保持が難しいので、一見落ち着きがないように見えているかもしれません。また、ただ姿勢を正すことを伝えていると、姿勢を正すところに意識が行くことで、本来行うべき学習や活動がおろそかになってしまう可能性があります。

取り組むとよい活動を一つ上げると、手押し車※で部屋を一往復することを一日一回毎日行います。1カ月程度すると腹筋と背筋が強くなり、姿勢に変化が出てきます。3カ月程度持続すると定着してきます。手押し車を行う際に、持ってもらう部分が足首では歩くのが難しい場合には、膝や大腿の部分を支えるようにします。それでも難しい場合には高這い※や四つ這い姿勢で行います。雑巾がけなどの活動も活用できます。

※手押し車 足首を他の人に持ってもらい、手で歩くトレーニング。
※高這い 四つ這いでお尻を持ち上げて進む活動。

(2)食具

上肢機能の発達にあった食具なのか、適した握り方をしているかの確認が必要になります。上肢機能の発達に合っていない食具を使わせると、かきこみ食べや詰め込み食べになってしまいます。このような食べ方をしていると、よく噛まずに丸呑みになっていきます。一人で食べていることが多い子どもも、そのような食べ方になりやすい傾向があります。

食具の握り方には発達段階があります。※表1を参照してください。3歳になったら箸を使わせたいという思いから、しつけ箸が使われることがあります。通常の箸を使うことが目標であれば、しつけ箸は使うことを避けます。通常の箸としつけ箸の固定と操作の方法が全く異なるために、誤った箸の固定と操作が身についてしまいます。

※表1 握りの発達と関係性 (詳細はこちら>>

箸を通常の握り方で使用できるようになるには、※表1の鉛筆を動的三指握りで操作できるようになってからになります。静的三指握りの段階では、箸を通常の持ち方で持つことはできますが、操作はうまくできません。この段階から通常の箸の持ち方の練習は始められますが、部分的な使用となり、スプーンなどとの併用となります。

静的三指握りと動的三指握りの大きな違いは、指先が細かく動くかどうかです。こういった指の動きが出てくると、鉛筆も箸もスプーンも上手に使えるようになってくるのです。したがって、鉛筆を手指回内握りで持っている段階で、子ども自身が箸を使いたがる時には、バラバラの通常の箸を自由に使わせることが大切になります。結果的にそうした方が、手の機能の発達が促されることになります。

(3)箸の前に鉛筆の持ち方の練習

箸をうまく持て操作できるためには、鉛筆をうまく持てるようにする必要があります。基本的な練習を以下に示します。

〇練習1:手指対立運動

子どもと向かい合って椅子に座ります。子どもの利き手が右手であれば、指導者は左手を掌が子どもに向くようにして前に出します。子どもには目をあけておくように伝えます。

(1)指導者は、左手で親指と人差し指で丸を作り子どもに見せます。子どもが真似出来ない場合には、子どもの親指と人差し指の指先の腹をしっかりと触り指を意識させます。それでも真似出来ない場合には、支援者は子どもの指を直接動かして、同じ形を作ってあげます。その時になるべく指先と指先を合わせてきれいな丸を作れるようにしていきます。難しい場合には、つぶれた丸になっても構いません。

(2)支援者は人差し指を伸ばしてパーにして、子どもにも一度パーにさせます。

(3)支援者は次に親指と中指で(1)と同様にきれいな丸を作り、子どもに真似させます。上手く出来ないときには、(1)と同様に支援します。

(4)次に薬指小指と同様の手順で進めます。必ず指で丸を作った後には、一度すべての指を開いてパーにします。

(5)次第に支援者は、指先を刺激したり直接動かしたり、一度パーにせずに連続的に指を動かしていき、子どもにそれを真似できるようにしていきます。

(6)目を開いた状態でスムーズにできるようになってきたら、目を閉じてもできるように練習していきます。上手く出来ないときには、(1)~(6)の支援方法を閉眼の状態でも行います。

(7)支援者は「1、2、3、4」と声掛けをしても構いません。

〇練習2:1~5の指の形

支援者は、子どもと向かい合って椅子に座ります。子どもの利き手が右の場合には、支援者は左手を掌が子どもに向くようにして、親指を外に出して手を握り、「グー」を作り子どもに真似させます。子どもの親指が掌の中に入っているようであれば、外に出すように伝えます。

上手く出せない場合には、直接親指を動かし外に出させます。親指は人差し指と中指にわたって乗るようにしていきます。乗せられない場合には、とりあえず、掌から出た状態から始めていきます。親指の位置に気を付けて行います。

(1)支援者は、人差し指を伸ばし、親指が中指に乗っているようにして1の形を作り子どもに真似させます。

(2)子どもが人差し指を伸ばせない場合には、人差し指の先の腹をこすって刺激して意識させます。それでも真似出来ない場合には、直接子どもの指を動かして人差し指を伸ばしてあげます。

(3)子どもの親指が中指の上でなく人差し指や中指の指先から三番目の関節付近にある場合には、中指に乗せるように指示します。上手く乗せられない場合には、直接動かして中指に乗せてあげます。

〇練習3:指あて練習

子どもと机を挟んで向かい合って座ります。机の上に両掌を下に向け、指を伸ばして開いた状態で置かせます。練習として、子どもに見える状態で利き手の中指を「そっと」指先で触って離します。指に触れる場所は、指先から一つ目と二つ目の関節の間とします。そして子どもに触れられた指を反対の手で指ささせます。理解できたら厚紙などで目隠しをして、ランダムに一本ずつ指に触れられた指を指ささせて当てるゲームをしていきます。どの指を触られても当てられるようにしていきます。「そっと」触ったのではわからない場合には、少し強めに触れたり、触れた部分をこするようにして刺激を強くしてみます。当てられるようになったら刺激を減らしていきます。非利き手も同様に行います。

〇練習4:洗濯はさみ練習

体に合った椅子と机を用意し、椅子に座らせます。
鉛筆やスプーンの持ち方を発達させ、箸操作に繋がるための非常に有効な方法になります。
通常の洗濯はさみを10個努力せずに親指の先と人差し指の先でつまみつけはずしが出来るようにしていきます。指の筋力強化と指先の感覚を鍛えることができます。

つけはずしが出来る硬さの洗濯はさみを10個用意します。
通常の洗濯はさみ、下着用の洗濯はさみ、などと硬さの段階付けに考慮します。
体調が悪くない限り、毎日10個つけはずしをします。たまに行うだけでは効果は出ません。

・はずす場合

洗濯はさみを厚紙に10個つけたものを子どもに渡します。
利き手でない手で、親指が上になるように厚紙を持たせます。利き手は親指と人差し指を伸ばし、その他の指を曲げさせピストルの形を作らせます。指導者が見本を作り真似させます。出来ない場合には子どもの後ろから中指から小指を同じ側の手で曲げて固定します。
親指が上になるような位置で、親指と人差し指の先の腹を使用させ、なるべく引っ張らずに開いてはずさせます。引っ張ってしまう場合には、引っ張る動きを抑えるか、一段階柔らかめの洗濯はさみに変更します。そして10個はずさせ机の上に置かせます。

はずす際には必ず中指から小指が曲がっていることを確認します。開いてしまう場合には、子どもの後ろから支えて曲げる手伝いをします。人差し指でなく中指で行いたがる子どももいます。これは人差し指よりも中指の方が力が強いからです。その場合も人差し指を使うようにさせます。人差し指の上に中指を重ねて行う場合もよくありますので、必ず中指から小指を曲げさせます。

人差し指の腹ではなく側面と親指の先でつまんだり握って行おうとすることもあります。その場合は、親指と人差し指の指先の腹をしっかりと触り刺激し、洗濯はさみを親指と人差し指の指先の腹でつまめる位置になるように、後方から両手を支えて手伝うようにします。中指から小指が伸びてしまう場合や中指を使おうとする場合には、指導者はその三本の指を上からくるむように指を曲げて支えます。

〇はめる場合

はずす場合と同様に親指が上になるような位置で、親指と人差し指の先の腹を使用させはめさせます。親指と人差し指以外は必ず曲げさせます。曲げて保持できない場合には、はずすときと同様に後方から手伝います。洗濯はさみはつまみ易いように、右利きであれば先が左を向くように子どもの手元に一つずつ置いて、適切につまむことを集中できるようにします。はずすよりもはめるときを正確に行うようにします。最終的に通常の洗濯はさみを10個、努力しないでつけはずしが出来るまでの間実施します。

生活動作をさらに知りたい場合には、「発達が気になる子へのスモールではじめる生活動作の教え方」、「発達が気になる子への生活動作の教え方(中央法規出版)」をご参照ください。

※発達が気になる子へのスモールではじめる生活動作の教え方 (詳細はこちら>>
※発達が気になる子への生活動作の教え方 (詳細はこちら>>

株式会社児童発達支援協会
リハビリ発達支援ルームかもん
代表取締役 鴨下賢一

 

● あとがき
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8月には展示会に2つ出展します。コグトレ研究会全国大会とイノベーション・ジャパンです。

前者は、困りをもつ子どもたちを、学習面、社会面、身体面から包括的に支援できるという点で注目を集めているコグトレに関する大会で、8月18日(日)名古屋駅前のウインク愛知で開催されます。レデックスはブースを設けて、コグトレさがし算初級を展示します。

※第2回コグトレ研究会全国大会 (詳細はこちら>>

後者は、研究開発を行う企業、大学などが交流し、協業により新しい成果をめざそうという試みで、8月29日(木)30日(金)の2日間、東京ビッグサイトで開催されます。レデックスは、NEDOブースの一角にコーナーを設け、感動アセスメントや聴覚認知バランサー、脳バランサーキッズを展示します。

※イノベーション・ジャパン2019 (詳細はこちら>>

次回メルマガは、3週間先の8月30日(金)です。