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パソコンによる認知症の予防

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| まえがき
| 連載:アメリカ便り ESL/English as a Second Language
| 連載:パソコンによる認知症の予防
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─■ まえがき
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今回は、久しぶりのアメリカ便りです。特別支援の充実したアメリカに住みたいと思われる方もいらっしゃるかもしれません。その際に問題になる英語の現地での習得支援について、子育て真っ最中の礒恵美さんに紹介してもらいます。

もう一つは、「ソフトウエアで認知機能の発達と学習を支援する」第3回です。当社のコンテンツをベースに、認知症予防で新しい可能性を作り出そうと取り組んでいる株式会社トータルブレインケア(TBC)からの特別寄稿です。

※株式会社トータルブレインケア(詳細はこちら>>

 

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─■ 連載:アメリカ便り ESL/English as a Second Language
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暑さが続いた(日本ほどではありませんが)夏もいよいよ終盤になり、子供たちにとっては6月末からの長い夏休みが終わり、9月から新年度が始まります。

ご存知の様にアメリカは移民国家で、共通言語は英語ですが、それぞれのバックグランドによって生活で使う言語も様々です。私と夫は、日本で生まれ育ち日本語で教育を受けた日本人ですが、今年3歳になる私たちの息子は、アメリカで生まれ(今のところ)アメリカでしか暮らした事のない在米日本人2世です。まだまだ意味不明な会話も多いですが、やっと言葉で意思疎通ができるようになってきました。

我が家の家庭内での会話は基本的に日本語です。息子の通うデイケアは日本語と英語のバイリンガル教育をしていて、息子は英語に接する機会もあります。単語レベルでは英語もたくさん知っているし、教えたことはありませんが “It’s a red car” “It’s sunny today” のような簡単な文章も覚えてきました。英語の歌もたくさん知っています。ただし、家庭で英語を話す同年代の子たちと比べると、やはりその差は歴然です。

息子がキンダーガーテン(日本の年長にあたる、小学校入学前の1年間の公立学校)に入学するまでにはあと丸3年ありますので、これから英語がどれほど伸びるのか未知数ですが、このペースで成長するとなると、おそらくESLと呼ばれる英語を第2言語とする子たちのためのクラスを取るようになるのではないかと思います。

ESL(English as a second Language)は、英語を第二言語(母国語以外)として学んでいる子(ELL:English Language Learners)のための、少人数制で英語を強化するためのクラスです。通常学級に在籍しながら、英語力を圧倒的に必要とする授業はESLで手厚くサポートを受けながら学び、朝の会、体育、美術、音楽などは通常学級で他の子達と同様に受けます。ESLのクラスもレベル分けされており、最終的にはリスニング、スピーキング、リーディング、ライティングのテストを受け、総合的な英語力に問題がないと判断されたら全ての授業を通常学級で受けることになります。

US Department of Education の2014年ー15年度の統計によると、全米の公立学校全体で9.4%、約460万人の子供たちがESLで学んでいます。低学年の方がESLに在籍する率は高い傾向があり、事実キンダーガーテンでは全体の16.7%がESLの生徒であるのに対し、6年生では7.8%に、8年生では6.5%、12年生では4.1%にまで減ります。

キンダーガーテンでは、英語ネイティブである通常のクラスの子どもたちでも読み書きの基礎を学ぶので、基本的な読み書きのスキルが定型発達であって、英語でコミュニケーションをとるのに抵抗のない子供だったら、ESLから通常クラスに移るのもさほど時間がかからないでしょう。

しかし、それまで英語環境で育ったことのない子が、小学校の高学年以上になって家庭の都合で渡米した場合、当然ながら基礎的学力はすでに母国語、母国文化で形成されています。その場合は、言語そのもの以外にもしきたりやルールなどそれまでとは全く異なる生活になるので、最初のうちは1日のほとんどをESLで過ごし、少しずつ通常クラスに入れるように計画を立てることになります。

当然ながら、州のカリキュラムに沿った勉強もしますので、アメリカ人が学ぶアメリカ史なども英語で学びます。ESLを早くクリアしようとするならば、家庭でのサポートも絶対に必要です。英語力の問題ではなくて、ディスレクシア(学習障害)のために読み書きにつまずきがあるのではないかと疑われた場合には、RTI(Response to Intervention)などの方法を使い、もっとELSからのサポートが必要なのか、それとも特別支援と連携する必要があるのかを見極めていかなければなりません。

また、アメリカの公共教育は、州によっても異なりますが、同一州内でも市町村によってサポート体制は全く異なります。アメリカにもいわゆる日本でいう偏差値のようなランキングがあり、概して「レベルの高い」と言われる地区では、賃貸にしろ購入物件にしろ家賃相場が高く、固定資産税などの税金収入も多いため、教育に回せる予算も多くなり、その結果「レベルの高い」教育が可能になります。

ただし、その「レベルの高い」教育が必ずしもEnglish Learning Learnersにとっても最良であるかというと、そうでもありません。なぜなら、その分ついていかなければいけない要素が多くなり、英語ができないと言うことはその子が通常学級で授業を受けるためにクリアしなければならないラインも引き上げられるため、いつまで経ってもESLを卒業できないからです。

数字で見る「レベル」は高くはないけれど、正課からその子供だけ抜けて受けるESLの授業は最小限に抑えて、なるべく同じ年の子供たちと一緒に過ごし、自分で学べる力がつくような包括的なサポートをしてくれる地区もあります。

自分の住む学区にはどんなサポート体制があって、自分の子供がどんなサービスを受けられるのかを調べるのは全て保護者の役割です。例え築100年以上経っても、立地が良く、管理が行き届いている家の値段が下がることはほとんど無いので、子供の進学に合わせて学区のために引っ越す家族も少なくありません。

日本にも、海外からやって来て日本語があまり出来なくてサポートを受けながら学ぶ子たちがいると思います。ただし、そのシステムは担任の先生や学校単位での裁量に任せられていて、制度としてはまだ確立されていないと思います。

日本の公教育は、勉強、運動、課外活動、食育、掃除、部活、生徒指導、進路指導、保健指導、と学校が担ってくれる役割が多岐に渡っていて、これは当たり前のことではなく、素晴らしいことだと思います。アメリカの学校にはプールがないので、学校で泳ぎを教えてくれることはないですし、掃除も業者が来るので子供達は何もしません。

日本の教育の素晴らしいところが、世界にもっと広がるように、世界からやってくる子供たちの教育のサポート体制も整うといいなと願うばかりです。

次回、ESLで受ける授業の内容を、学年別にもう少し詳しく紹介したいと思います。

礒恵美(いそ めぐみ)

 

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─■ 連載:ソフトウエアで認知機能の発達と学習を支援する
第3回 パソコンによる認知症の予防(特別寄稿)
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1.経緯
前々号で紹介された高次脳機能バランサーは29種類のタスクを含んでいました。脳活バランサーCogEvo(コグエボ)は、高齢者が生活に必要な認知機能と、認知症になると低下し生活への影響の大きな認知機能に注目し、「記憶力」「注意力」「計画力」「見当識」「空間認識力」の5種の認知機能に絞った形で開発されました。その結果、認知症予防トレーニングとして、世界標準の認知症スクリーニングテスト、MMSEと相関を持つ4つのタスク※文献1、※文献2を含む12種類のタスクが選ばれ搭載されています。
※12種類のタスク (図はこちら>>

これらのタスクは、生活場面では大きな支障なく生活できているMCI(軽度認知障害)に相当する人にとっても、生活維持に必要な認知機能のトレーニング手段として有効であると推測されます。また、健常者から初期認知症レベルの人まで楽しく利用できるタスクであることから、健常な状態から認知機能低下の予防としてトレーニングを開始することができます。

さらに、繰り返しトレーニングする中で、タスク結果の状態から5種の認知機能についてそれぞれの変化を追うことができ、記憶力の低下だけではなく幅広い認知機能の状態変化を確認し気づくことができます。

脳活バランサーCogEvoは、高次脳機能バランサーから得た年代における得点に基づき標準化を行い、タスクの得点だけでなく年齢の影響を考慮した結果表示を行います※2。5種類のタスクの得点を標準化した指数の総合値は、年齢に相関があることが確認されています※文献3。

※2 年齢ごとの指数分布 (図はこちら>>

2. 脳活バランサーCogEvoの特徴

コンピュータ化された評価ツールには、認知障害のある高齢者のコンピュータ操作能力や、それを前にしたときの緊張や不安などから受容が難しい人がいることは想定されますが、専門士が実施しなくても施行可能であることは大きな利点です※3。
ただし、現在の日本では、コンピュータ化された評価ツールの普及は進んでいるとは言い難い状況で、その要因として、保険診療ができるテストを搭載したシステムが少ないことや、紙の検査と比較すると導入費用が高額であることが挙げられます。そのような課題はあるものの、ICTを活用した認知症やMCIの評価システムの開発は、高齢化率がさらに高まるこれからの日本および各国にとって、認知症やMCIの早期発見のためには欠かせないものとして期待されています。

脳活バランサーCogEvoは、トレーニング結果を本人にもわかりやすいように表示されます。この際、タスクの結果数値を「得点」と、得点を標準化した「指数」によって表現されるとともに、総合的および5種の認知機能について、五角形状のレーダーチャートで表示されます。

また、累積された結果データをもとに、5種の認知機能ごと、またはタスクごとに折れ線グラフとして推移が表示され、これにより、認知機能のバランスや得点・指数の経時的変化を視覚的、直感的に気づくことができます※3。

※3 認知機能バランス (図はこちら>>

【容易に操作できる工夫】
(1) 容易な操作:見やすく、直感的な操作を誘導する画面のデザインやボタンの配置・表示を行っている。画面タッチまたはマウスでクリックし操作する。

(2) クラウドシステム:インターネット環境下で、ハードウェアのタブレット端末等で利用する

(3) インタラクティブな画面:親しみを感じるデザインや動きを考慮し、効果音やアニメーションも使用して楽しさを感じられる画面デザインを採用している。

【トレーニングを継続できる工夫】

(4) 楽しみと向上心を持つ:結果には特級~5級を表示し、金・銀・銅メダルをつけることで、喜びや楽しみや目標を持てる工夫をしている。

(5) 肯定的なコメント:結果に対して肯定的なコメントを行うことで、利用者を支持し、トレーニングへのモチベーションを維持できる。

(6) 出題のバラエティ:飽きずに楽しめる多パターンの出題をしている。

【分かり易い結果表示の工夫】

(7) 分かり易い結果表示:5種の認知機能とタスク毎の評価結果について得点および指数を表示するとともに、経時変化をグラフを用いて表示している。

(8) 結果シートの印刷:施設で利用した人が、結果を印刷して持ち帰り、結果を見て振り返えったり家族等と共有することができる。

3.脳活バランサーCogEvoの役割期待

今後、日本各地において、地域住民と医療・介護の専門職とが、本人および家族とともに「本人」を主体としたケアが可能な、その地域に適した地域包括ケアを実践していくことが予見されています。それを支えるために、ICTを活用した遠隔診療や電子カルテ、各種の介護ロボットや見守りのシステムなども開発され、普及しつつあります。そのような中で、認知症の人の支援に備えるICTを活用したシステムは、家族や医療・介護の専門職によるケアを支えることを目的に、さまざまなものが開発されています。
一方、開発されている多くのツールが提供側の視点であるのに対して、脳活バランサーCogEvoは「本人」が楽しみトレーニングをするとともに、確認し、気づくための「本人主体」のシステムであることが最大の特徴です。そして、その「本人」の取り組みから、機能低下の予防やケアを医療・介護の多職種や家族や地域、そして本人自身もが連携して支えることで、「本人主体の地域包括ケア」が実現することになります。

今後は、ICT活用により一人でも容易に取り組めるツールであることを訴求していくことは勿論のこと、必要な時には認知症やその予防について相談支援ができる窓口の整備や地域との連携体制の構築、そして日ごろから認知機能を確認することの重要性を啓発するなど、社会への働きかけもしていきたいと思います。

参考文献

※文献1 K.Hashimoto et al.,: Jikeikai Medical Journal ,57,1 (2010)
※文献2 M.Honda et al.,: Japanese Journal of Cognitive Neuroscience ,12,191(2010)
※文献3 T.Ohgami et al.,A new scale for inspecting cognitive function while having fun,:The Internal Medicine Review(投稿中)

河越眞介
(株式会社トータルブレインケア代表)

 

─■ あとがき
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東京都町田市に、市内の企業が開発した優れた製品を認定する「トライアル発注認定制度」があり、レデックスの脳バランサーキッズが29番目の商品として認定されました。
(詳細はこちら>>

これを記念して、町田市民ホールでセミナー 後援:町田市(申請中)を行います。9月19日(水)と、20日(木)の2回、内容は共通です。特別支援に関心のある方はどなたでもご参加いただけますので、ご案内させていただきます。

第1回 9月19日(水)午前10時~12時 (詳細はこちら>>
第2回 9月20日(木)午後7時~9時 (詳細はこちら>>

次回メルマガは、9月7日(金)に刊行予定です。