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親が元気なうちにしておける親亡きあとの手続き

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■ 連載:親が元気なうちにしておける親亡きあとの手続き
■ 連載:聞こえているのに聞き取れないならどうすればいいの? その1
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─■ 連載:性とお金と親亡きあと -タブー視されがちな領域の支援
第6回 親が元気なうちにしておける親亡きあとの手続き
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「親亡きあと」が不安と言われますが、親が元気なうちにできることはたくさんあるのです!

親がいなくなったらこの子はどうなるのだろう…
心配されている親御さんはたくさんいらっしゃると思います。もし、不安が漠然としているならば、まずは、その不安をひとつでも具体的にしてみてください。そうするだけでも解決の糸口が見えてくることがあります。
例えば、“親がいなくなった後、この子はちゃんとご飯を作って食べていけるのか?”ということを具体的に思い描いたとしましょう。「この子ならスーパーで買い物はできる。でも、貯金の引き出しができないかも」というように、できることとできないことがはっきりしてきます。
また、“孤独で寂しくならないか”が気がかりなら、週に1回は参加できるサークルや習い事などヘルパーなどの協力を得て自分で行けるように習慣化しておく手立てはあります。親が亡くなり布団の中で泣いている日があるかもしれませんが、参加する場所があることで、徐々に寂しさも薄らいでいくでしょう。

ほんの一例ですが具体的にイメージすると、今からやっておくことが具体的になります。漠然とした不安を形にしないでそのままにしておくことはこれからもその不安を抱え込まないといけません。みなさんは、不安の正体を具体的にして対策するか、不安を長く抱え込むか、どちらを選ばれますか?

私は、講演で親亡きあとのセミナーを年間70回以上行っています。考えればきりがない親亡きあとのことですが、講演を聞く前と聞いてからでは参加された皆さんの心の持ちようが変わるようです。それは、我が子の将来の暮らし方がイメージとして浮かび、今やっておくと助かる手続きが具体的に分かるからです。そして、講演が終わると漠然とした不安から少し解放され、あとはできるときに行動されればよいという気持ちになるそうです。
※鹿野さんの講演後のアンケート (詳細はこちら>>

そのためにはご自身のことを記載するノートを1冊ご準備して頂きたいのです。ノートは市販の大学ノートでも何でも構いません。ノートに記載するための道しるべがほしいという方はエンディングノートを1冊準備してください。私が会員になっているNPO法人らしさ でも1冊500円で販売しています。まずは、自分に万が一のことが起こったときに家族が慌てないためにも「ノートを1冊準備する」これが最初にできることの一つです!
※NPO法人らしさ のエンディングノート (詳細はこちら>>

さっそくですが、まず初めにご準備していただいたノートに書くのは、ご自身の名前と生年月日です。
実に多くの子どもは親の正式な名前や生年月日を知りません。自閉症の人の中には、一度聞いた生年月日は覚えてしまい、聞かれると誰かれなく言ってしまうという方がいます。そのような特性があるので、親は子どもに家族の生年月日まで教えないというご家庭もあります。でも、親の名前や生年月日は、お葬儀の時や相続が始まると必要な個人情報になります。正確な情報を残しておかないと不要な時間がかかります。

次は、自分の最後を飾るセレモニーを行うお葬儀場についてです。みなさんはすでに決めていらっしゃいますか?お葬儀場やプランをすでに打ち合わせされている人は、その日を迎えるだけでよいのでしょうが、まだ何も決めていない人は、どこの会場で行うのか家族と話し合っておくとよいと思います。何も決めていなくても近くにあるお葬儀場の電話番号だけでも記載しておくと「いざ!」というときに役立ちます。何も決めていなくても、家族や親せきがどこかのセレモニーホールに依頼してそこで提案されたプランで滞りなくお葬儀がとり行われるでしょう。

では、お葬儀場が決まったとしましょう。次に準備を迫られるのは「遺影」です。遺影の決定までには約24時間しかありません。家族は、自分の写真を持っていますか? 最近はデジカメやスマートフォンで撮影することが増えたため、写真屋などで現像してもらうことはほとんどなくなりました。スマートフォンで保管されている写真は、「遺影」を意識して撮影していないこともあり、まあまあの移り映えの写真を選ばれてしまうでしょう。自分も納得できる朗らかな笑みを浮かべたナイスショットにたどりつく時間はあまりないのです。

ということで、この写りならOK!という写真をプリントアウトしてノートに貼っておきましょう。CDやUSBに残してもよいと思います。
※エンディングノートの例 (画像はこちら>>

そして、私は支援してきたなかで、本人を見送ることが何度かありました。ご高齢の方もいましたが、中には若い方も病気や事故でこの世を去っていかれます。入所施設で長く生活されていた方はご本人らしい笑顔を浮かべた写真を使ってもらうことが多いのですが、ご本人が写真嫌いの場合、直近の写真がなく療育手帳の写真を使うしかないということがあります。以前亡くなられた28歳の男性もそうでした。幼い時の写真しか残っておらず10代のときの写真を遺影に使うことになりました。

また、最近では、個人情報保護法によりご本人の意思表示を明確にする書類があります。施設で配布する広報や機関誌に写真を掲載してもよいかどうかの確認です。「掲載しないでほしい」に意思表示されると、楽しい行事があってもその方にカメラを向けることはできません。「うちの子どもの写真ありますでしょうか?」と、ご遺族からお問い合わせを頂いても、そのような理由で写真をご提供できないことがあるのです。

私は、親も子も万が一の時に使うためにフォーマルな「家族写真」の準備をお勧めします。写真館などで家族写真を撮影すると、たとえ普段着であってもきれいに撮影してくれますし、CDなどデータに落とし込んでくれるところもあります。それでも写真を嫌がる子どもだったら、「履歴書やパスポートに貼る証明写真に使う」と説明するとうまくいくことがあります。そんなときは、駅前などにある簡単撮影ではなく、しぶしぶでも写真館まで連れて行き撮影して頂きたいと思います。

家族は生きている限り、その写真を見つめ手を合わせていくのです。ぜひともナイスショットな写真をご準備ください。

鹿野佐代子 (福祉系ファイナンシャル・プランナー)
(プロフィール等はこちら>>

 

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─■ 連載:聞こえているのに聞き取れない、分からないって?
第3回 聞こえているのに聞き取れないならどうすればいいの?
その1 ―聴覚情報処理障害(APD)が疑われた場合
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聞こえているのに聞き取れない、分からないという症状がみられる聴覚情報処理障害(APD)ですが、どの位の方がそのような症状を抱えているのでしょうか?

海外の報告では、APDのお子さんの出現率は7%であるとする報告(Musiek et al, 1990)や、学童期の中では2~3%の子どもでAPD症状を抱え、その男女比は2:1であるとする報告(Chermak and Musiek, 1997)がみられます。一般的に、聴覚障害を抱えるお子さんが1000人に1人(約0.1%)と考えられていることからすると、非常に高いことが分かります。前回のお話にも書かせていただきましたが、APDは様々な要因の症状のひとつとして、あるいは二次的な問題として生じている可能性もあるため、その症状だけを取り上げれば、沢山の方が抱えている問題であると考えられるかもしれません。しかしながら実際に「聞き取りだけ」、すなわち「聴覚だけ」の問題を抱えている方は少なく、聴覚以外の問題も抱えている方が多くみられます。

ではこのようなAPD症状を抱えている方がいれば、どうしたらよいのでしょうか?

その場合には、まずは耳鼻科を受診し、聴力検査を受けてみることが必要です。実際に聞き取りにくいと訴えられる方の中には、実際には聴覚障害があった、という方もみられました。またはオーディトリーニューロパシーという特殊な聞き取りにくさの問題を抱えていた、という方がいらっしゃいます。オーディトリーニューロパシーの場合には、聴力検査結果は変動する方もいらっしゃいますが、比較的良好であるにも関わらず、ことばの聞き取りが非常に悪いという特徴がみられます。専門的にその原因を説明するとすれば、内耳の感覚細胞が正常又はほぼ正常である半面、聴覚神経機能の異常所見という結果の乖離を示すもので、その両者のシナプス結合の部分での問題が指摘されています。このオーディトリーニューロパシーは、APDと症状が似ているため、留意する必要があります。このため、まずは耳鼻科を受診して聴覚障害があるのかないのか、医学的な検査を行い、確認することが必要といえます。そのような検査では問題がみられない、しかしながら強い聞き取りにくさがある、という場合にはAPDの可能性が考えられます。

APDの可能性を考える上では、まずはどのような要因によって生じているのかを見極めることが大切であると考えています。前回お話したような、何が要因となっているのか、ということです。中耳炎や睡眠障害、発達障害傾向など、基本的な要因がはっきりしている場合には、まずはその要因に対しての対処を考えることになります。発達障害傾向に対しては治るというものではありませんが、生じている聞き取り以外の症状への対処も併せて行うことで、問題となっている聞き取りの症状は軽減する可能性があります。このため、これらの基本的な要因に対する十分な働きかけ、対処がその後の聞き取りにくさの改善においては重要な役割を果たすことになります。

そこで、聞き取りにくさの要因を明らかにするためには、「聴覚障害はないか?」「発達障害はないか?」「心理的な問題はないか?性格傾向はどうか?」「学校や職場の聞き取り環境は大丈夫か?」などのそれぞれの要因につながる側面に対する評価が必要になります。これらを考えて頂いただいても、“聞き取りに関する検査だけではない”ということが分かるかと思います。聞き取りにくさは、出現している症状であって、本来の原因は聞き取りを支える認知システムであることが多いため、聞き取り以外の評価をしなければ分からないことも多いのです。このため、耳鼻科の受診だけでは分からない場合もあり、人によっては、他科の受診も必要になるでしょう。

しかしながら、このように幅広く評価ができるところは現在のところ多くはないのが現状です。APDの認知が少しずつ広がっているところではありますが、このような評価の考え方については、今後理解が深まり、そして少しずつ評価が可能な施設が増えてくることが望ましいと考えています。

それではAPDだと分かった場合、具体的にどのような対処方法があるのでしょうか?APD症状を軽減させるためにすべきことについて、次回引き続きお話したいと思います。

小渕千絵・国際医療福祉大学保健医療学部言語聴覚学科准教授

 

─■ あとがき
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東京では、桜が終わり、そろそろ藤の花が楽しみ、と思っていたら、もう散り始めているという状況です。今週末は、30度を超える夏日という予報もあります。読者の皆さんも不順な気候に体調を崩されませんように。

次回のメルマガは、連休明けの5月11日(金)とさせていただきます。よい黄金週間をお過ごしください。