自閉スペクトラム症の中心障害 社会的相互作用のつまずき

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2023.03.24

自閉スペクトラム症の中心障害 社会的相互作用のつまずき

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■  連載:自閉スペクトラム症の中心障害 社会的相互作用のつまずき
■□ 連載:知っておいてほしい!「障害者就労支援」アレコレ
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■ 連載:教育・心理的支援において診断基準をどう読むか・理解するか
             第5回 自閉スペクトラム症の中心障害 社会的相互作用のつまずき
                  (自閉スペクトラム症・5 興味、関心の共有)
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このシリーズでは、教育関係者や心理支援職が改めて診断基準を読むときの留意点を解説しながら、どのように診断基準と付き合っていけばいいのかを読者の皆様に一緒に考えていただくことで、発達障害の改めての理解につなげていければと思います。

医師の先生方にとっての診断基準と、教育関係者や心理支援職にとっての診断基準は、もちろん同じものですが、その意味はかなり異なるように思います。

今回のシリーズでは、2013年に発表されたDSM-Vについて、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、限局性学習症の3つにおいて見逃されがちなポイントを含めて解説していきます。初回は自閉スペクトラム症の診断基準の概要、前回までは、診断基準を読む際に軽視しがち、しかし最も重要な基盤である「重症度」「初期症状」を説明しました。ここからは中心障害の臨床像(症状、特性)について具体的に説明を加えながら考えていきましょう。

1.A.社会的コミュニケーションおよび相互関係における持続的障害  
いわゆる発達障害は、DSM-Vでは、神経発達症群(Neurodevelopmental Disorders)としてカテゴライズされています。神経発達症群は、人生の早期と小児期、具体的に言えば乳幼児期(場合によっては学童期)に示されるものであることが大前提となっています。

※注 以下、DSM-Vから抜粋
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A.複数の状況で社会コミュニケーションおよび対人的相互反応における持続的な欠陥があり、現時点または病歴によって、以下により明らかになる。
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1)社会的・情緒的な相互関係の障害
社会的コミュニケーションおよび相互関係における持続的障害には、3つの項目が含まれますが、第一にあがっているのが対人的・情動的な相互関係の障害です。

※注 以下、DSM-Vから抜粋
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(1)相互の対人的-情緒的関係の欠落で、例えば、(1)対人的に異常な近づき方や(2)通常の会話のやりとりができないといったものから、(3)興味、情動、または感情を共有することの少なさ、(4)社会的相互反応を開始したり応じたりすることができないことに及ぶ。
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(1)~(4)の番号は筆者が加えています。
今回は(3)と(4)を解説します。

(3)興味、情動、または感情を共有することの少なさ

自閉スペクトラム症の中心障害は「社会性の障害」と言われますが、最も特徴的なところ、人間関係において基本的なところがうまくいかないというところがあり、この(3)の項目はまさしく核となる部分になっています。

実は、この項目はいくつかの心理学的な理論で説明することができます。そのひとつが、Joint-Attention行動と言われるものです。

●Joint-Attention行動
Joint-Attention行動とは、日本語では「共同注意」と訳されることが一般的です。「他者と事物に注意を配分し、共有すること」とされており、視覚的共同注意、聴覚的共同注意、触覚的共同注意、の3つがあります。そのなかでも特に、視覚的共同注意(同じものに視線を向けることなど)が研究されるので、共同注視という訳をされることもあります。

生後9か月ごろの乳児は、「物(Object)」「相手」「自分」の3者が同時に係る、いわゆる三項関係が主体となった行動が可能となります。

※図1

具体的には、乳児は物を指さして「あーあー」などと喃語を表出するようになり、相手にそれを見るように伝えます。こうした養育者など周りの人たちの関心を巻き込み、共有することで、Joint-Attentionの成立となります。対象に対する注意を他者と共有するには、いくつかの方法があり、これらをJoint-Attention行動と言います。代表的なものは以下の5つです。

〇Pointing(指さす):自分から他者に、ある対象を指さしすること(指さしの表出)、相手の指さしの意味を理解する行動(指さしの理解)

〇Looking(見る):他者の視線や指さしを追随(目で追う)行動

〇Showing(見せる):叙述の指さしともいい、見て見て、などと自分の持っている物を相手に見せる行動

〇Giving(渡す):自分の持っているものを相手に渡す行動

〇referential looking:参照視ともいい、おとなの注意をある対象に向けるために、対象とおとなを交互に見る行動

ところが、自閉スペクトラムの乳児は、このJoint-Attention行動がうまく成立しなかったり、活用することにつまずきがあったりすると言われています。特に指さしにおいては、指さし行動そのものが成立せずに相手の手を持って何かをさせようとする動作(クレーン行動)になったり、指さしの形ができずに、手差しと呼ばれるような、手のひらのままでたたくように物を示す行動が見られたりするときがあります。

また、指さしの理解と表出においても、「取って」「これちょうだい」というような要求の指さしはするけれど、「見て見て」「飛行機だね」「お花きれいね」というような叙述の指さしは自分からはしないし、相手のそのような意味での指差しも理解しにくいという研究もあります。このような指さしの特徴は、知的障害やダウン症の乳児には見られず、自閉スペクトラム症に特有なものとも言われています。

●心の理論(theory of mind)
心の理論とは、「他者の心的状態を推論する能力」とされています。心的状態とは、他者の目的・意図・知識・信念・思考・疑念・推測・好み・ふりのことを意味し、定型発達児(発達しょう害をもたない多くの子ども)では3歳では獲得が難しく、4歳から獲得され始めるとされていて、Premack & Woodruff(1978)の「チンパンジーは心の理論を持つか?」を初めてとして1980年代を中心にたくさんの研究がなされました。

この心の理論研究の最も大きな関心は、自閉スペクトラム症児の特徴だったと言えます。
皆さんも一度は見たことがあるであろう、誤信念課題(false belief task )の代表実験である、位置移動課題:サリーとアンの課題(Baron-Cohen,1985)がその代表です。

簡単に説明します。
サリーとアンは今、同じ部屋にいます。部屋にはサリーのバスケットとアンの箱が置かれています。サリーがパンをバスケットに入れました。そしてサリーは部屋の外に出ていきます。

その間にアンは、パンを自分の箱に移動しました。サリーは部屋に戻ってきて、パンを取り出そうとしました。さて、ここでみなさんに質問です。

a「サリーがどこを探すと思いますか(信念質問)」
b「パンは今どこにありますか(現実質問)」
c「最初にパンはどこにありましたか?(記憶質問)」

aの信念質問に、3歳児の多くは箱と答え、4~5歳児はバスケットと答えます。3歳児にとっては、自分が見て知った現実(パンは今、アンの箱にあるという現実)と、サリーの信念(パンはバスケットに入れておいたというサリーにとっての現実)が異なることを理解するのが難しいために起こると言われています。一方でb、cは、3歳児は正しく答えられると言われています。

この実験を行ったBaron-Cohenは、定型発達児、自閉症児の2群比較を行った結果、自閉症児群がこの課題aを通過しない率が80%程度となり、定型発達児よりも有意に高かったことを示し「自閉症は心の理論を持っていない」(欠損理論)とし 自閉症に特異な症状だといわれてきました。この結果は、世界中に広がりました。

その後、さらにさまざまな心の理論に関する研究が進み、現在では以下のように説明されています。

・確かに自閉スペクトラム症の幼児期には誤信念課題を通過できないが、7~12歳ごろには獲得をしているようだ。

・自閉スペクトラム症の中にも誤信念課題を通過できるものもいることを重視すべきであり、欠損とは言えない。

・言語理解の問題ではないのか。通過率の低さは、課題の言語教示が理解できなかったことにあるのではないか。また文化による固有さがありそうだ。

・聴覚障害児や視覚障害児にも獲得できないものがおり、自閉症に特異とは言い難い。

・むしろ自閉スペクトラム症児の実行機能の発達における障害の問題と考えたほうが自然である。

よって、心の理論は、他者の心的状態を理解しにくい自閉スペクトラム症を説明する概念として広く知られてはいますが、欠損までは言えないというのが現在の理論と言えるでしょう。
 
●表象機能・象徴機能の発達
表象機能とは、目の前にそのものがない場合でも、心の中にそのものや事物を思い浮かべる、イメージできる能力を意味します。表象機能には具体的表象と一般的表象があります。具体的表象とは、例えば目の前にご飯がなくても、お茶碗に入った山盛りの白いご飯の画像を思い浮かべたり、あるいは「ごはん」の文字を思い浮かべることです。一般的表象とは、「動物」「植物」などの上位概念や、「うれしさ」「かなしさ」などの感情のような具体物として存在しない漠然としたものをイメージする力を指します。   

象徴機能とは、事物や事象を、記号などの別のものによって認識する働きを指し、目の前に存在する現実世界をそのまま認識するのではなく、別のものに置き換えて、心の中で操作する能力のことです。例えば、砂遊びをして、砂の入ったお茶碗をごはんが入ったお茶碗に見立てたりします。

この二つの機能を使うのが、つもり遊び、ふり遊び、ごっこ遊びと言われるもので、この発達においても自閉スペクトラム症児は特有の症状を示すようです。

「見立てる」能力はかなり早い段階で育ちます。

第1段階(0~1歳):ものはそのままの形で、子どもの身体運動遊びの対象となります。例えば、トマトを食べるふりをしても、本当に口をつける段階から、徐々に口をつけなくなりますし、本物のトマトからおもちゃのトマトを見立てるようになります。  

第2段階(2~3歳):ものは別の事物の象徴になります。積み木がトマトのつもり。枕が人形になります。

第3段階(4歳~):ものを媒介として対人活動へ展開します。風呂敷がドレスやマントになり、白雪姫のつもりになったりします。

第4段階(5歳~):ものは純粋に記号となるか、不必要になります。役割やプラン、ストーリーが重要になってきます。

第4段階に至ると、ごっこ遊びになります。ごっこ遊びは、この「見立てる」能力を基盤として、模倣の能力、過去経験を再現する力、日常のスクリプトの利用(出来事の筋書き、動作の順番を理解)、役割概念(お母さんにはお母さんの役割があることを理解)、そして先ほどの「心の理論」を使って遊ぶのです。この意味で、ごっこ遊びは相当に統合的で包括的な能力を持って成立していることがわかります。しかも、こどもそれぞれが「見立て」の能力を有し、相手も同じ世界(能力)を共有していること、同じ見立ての能力を有しその見立てを了解していること、お互いが見立てを了解していることが伝わっていることがなければ遊びになりませんし、その遊びをおこなっている自分を「外から」みる、モニタリングの能力も必要とします。

自閉スペクトラム症児は、この、ごっこ遊びが成立しにくいことがよくあります。たくさんの能力の、それぞれの能力のつまずきに加え、こうした能力を統合し、包括する力に弱さがあるとも言われています。

また、表象機能として、感情理解も必要となります。「かなしい」「うれしい」「たのしい」「よろこぶ」などの喜怒哀楽のような基本的な感情理解については、自閉スペクトラム症児には特徴があります。その言葉がさす感情そのものがわかりにくい、ということもあります。私の臨床的な経験ですが、お友達とけんかをした自閉スペクトラム症児(小学3年生)が、「〇○ちゃんは僕の人権を蹂躙した!」と言って怒っていたのですが、お母さんが「それで悲しかったの?」と聞いたところ「悲しいって、なに?」と答えたということがありました。この子は、どうも「悲しい」という言葉があるのはわかっているけれど、漠然とした状態が理解しにくかったようです。一方で、人権及び蹂躙の意味は分かっていて、人権蹂躙に抵触する行為を相手がしたと判断していました。

また、他者がそのような感情下にあるという事に気づきにくいという面もあるようです。
これも臨床的な経験からですが、ある自閉スペクトラム症の4年生とこんな会話をしたことがあります。

A:この間お母さんがね、テレビで『火垂るの墓』をみてたんだけどね、先生知っている? まあ悲しいおはなしだよね。でさ、妹が死ぬんだけど、うちのおかあさんがさ、それをみて泣いてるわけよ。何で泣くの?それがわかんないんだよね。だって、お話しだよ?自分が悲しいわけじゃないじゃない、それがわかんないんだよ。

彼は、5歳の時には心の理論課題が非通過でしたが、8歳ごろには同じ課題を通過し、心の理論獲得をしていました。「自分が知っていることを相手も知っているとは限らない」ことはわかっているようでした。そして、悲しいおはなしだよね、というところから、感情のことばとして悲しいということもわかっているようでした。しかし、お母さんが登場人物に感情移入して涙を流して、悲しい気持ちになっている理由がわからない。相手の感情の状態をモニタリングすることはできにくいようでした。これは、成人になってもなかなか難しく、相手の感情を読み間違ったりして、苦労していました。

やはりこの項目は、自閉スペクトラム症のつまずきの核心だと言えるでしょう。


◆吉田 ゆり(よしだ ゆり)
長崎大学教育学部・教育学研究科 教授。専門は発達臨床心理学。
公認心理師、臨床心理士、臨床発達心理士、そして保育士でもある。


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■ 連載:知っておいてほしい!「障害者就労支援」アレコレ
             第2回 就労移行を選ぶときに気を付けるポイント
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こんにちは!かもみぃるの下茉莉です。前回は【病気や障害を持つ人が企業で働く時の選択肢】について書きました。まだ読んでいない方は是非ご一読ください!

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HPの自己紹介はこちら>>



今回は、「就労移行を選ぶときに気をつけるポイント」について。
【自分の貴重な人生の数か月、数年間、を無駄にしないために!!】
あとで後悔しないような選択をしてほしいという願いも込めて、赤裸々に書きたいと思います。

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1.「就労移行」とは?~企業で長く働き続けられる人材を育成する訓練機関
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就労支援施設は色々な種類がありますが、今回は「就労移行」に絞って話をしていきます!

「企業で働きたい」と考えている障害者が
・【病気、障害を抱えながら、無理なく働き続ける】ための方法を学ぶ場所。
・【病気や障害と向き合って工夫を考える】場所です。

ちなみに、利用期限は原則2年と決まっています。
有意義な2年を過ごすためにも
・自分の状態に合った場所、段階から
・自分に合ったペース、時間をかけて
スタートしていくことが重要です。

▼対象者・利用料など詳細について知りたい方はコチラ▼

就労移行ってなに?~支援という名の搾取に要注意!
 
そして、就労移行に通えば就職できるというのは【大きな誤解】です。
そもそも、就職がゴールではありません!
生活費のためであれば「長く安定して収入を得る」ことがゴールになりますよね。
精神・発達障害の領域では、【就職できるけど早期離職が多い】というのが課題にもなっています。


病気や障害があっても、働くうえで最低限求められることは他の社員と変わりません。
「企業が欲しいと思う人材」は「長く働き続けられる人」「一緒に働きたいと思える人」です。
【資格はそんなに重要ではない】ということも知っておいて欲しいです。

▼長く働き続けられる人の特徴▼


では、これらを身に着けられる就労移行をどうやって見つければよいのでしょうか?

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2.就労移行を選ぶ時のポイント ~こんなはずじゃなかった…は回避したい!
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就労移行は沢山あります。何か所か見学や体験をして、「自分に必要なことを訓練してくれる場所」を探すのが理想的です。
その際、何をポイントに選べばよいか、悩みますよね?

基本的に広告に書いてあることはあまり信用しない方がよいです。

・資格の取得
・就職率、定着率
・交通費の補助
・お弁当が無料

少しでも利用者を確保したいので、就労移行も色々なオプションをつけて誘ってきます。
でも、ウマイ話には裏があるものです。このウリだけで飛びつくのは危険です!

▼広告のウリにだまされるな!▼


就職率や定着率が高い、資格が取れるといった広告は一見魅力的ですが、【障害者専門の就労支援をしてくれるか】ということの判断基準にはなりません。
これを大々的なウリにしている時点で、専門性がないといってもいいくらいだと私は感じています。

●こんな就労移行は回避しよう!
【事例1】気づいたら利用期間が終了間近!? 就職したけどすぐに離職


【事例2】「個別支援が大事」といいながら、実際は放置

【事例3】通所が安定せず、十分に訓練できないまま利用期限が終わり、就職もできず

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3.本来、就労移行で訓練することって何なの?
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就労移行は、企業で障害者が働き続ける力をつけることを専門に訓練する場所。
一般的な就職活動支援+αで、【病気や障害との付き合い方】【工夫や対処法】を身に着ける場所です。

PC訓練や通所練習をすることは、「障害者専門の就労支援」とは言えません。
(通うキッカケや、自信をつけるための1つの手段にはなりますが…)
資格取得だけでは、街中のPC教室、資格の学校と同じです。

企業で長く働き続けるためには、信頼関係が欠かせません。
そのためにも、企業と障害者【お互いがやるべきことをやる】必要があります。
働く中でキャリアアップや給与・待遇改善を希望する人も多くいます。
この希望を叶えるためにも、企業に「人材・戦力」として見てもらえるような努力が必要です。
【障害者がやるべきこと・努力すること…これが就労移行で訓練すること】でもあります。

▼企業と対等な雇用関係になるために~就労移行で訓練すること~


(1)対話力(適切な相談力):TPOを考えて、配慮について相談できる。
(2)セルフマネジメント:特性を自覚し、工夫して業務をやりきれる。業務遂行能力。
(3)セルフケア・コントロール:気分・感情や体調に左右されて仕事を休まない。つまり自己管理。

▼詳細説明

(1)対話力(適切な相談力)


(2)セルフマネジメント


(3)セルフケア・コントロール


また、(1)~(3)は【働きながら常に取り組み続けること】でもあります。
「働くうえでの大前提、働く土台は」とは別物です。

▼資格より重要な働く土台について▼

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4.まとめ
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【長く働き続けるための力】は、ぱっと見で分かりにくく、地道で面倒くさいことの積み重ねです。
やっていて嫌になることもあります。
でも、嫌だな…と思いながらまた立ち直って取り組むことの繰り返しが、「仕事で嫌なことがあっても、また頑張ろうと踏ん張る力」になります。

▼就労移行を選ぶ時のポイント▼

・見た目のキレイさや、お弁当、交通費、資格取得という言葉だけに惑わされない!
・「障害者専門の就労支援」をしてくれるかどうか
・多少「耳の痛い話(指摘されたくないこと)」も、 必要であれば言ってくれる
・支援者や場所の雰囲気との相性
・ナカポツ※や福祉課と話し合いながら(連絡を取り合いながら)進めてくれるかどうか

※ナカポツとは:障害者就業・生活支援センター


▼「障害者専門の就労支援」とは▼
通常の就労支援+αの「α」の部分!!

・通常の就労支援:
ビジネスマナー、履歴書作成、面接練習、必要に応じて資格の取得など
・+αの支援

(1)自己理解(障害理解・障害受容など)
自分の考え方のクセ、仕事の仕方のクセ、人間関係の築き方を知る。
どんな時に、どんな反応、気持ち、体の不調が出るのか?
予兆などはあるのか?

(2)工夫と対処法の学習
日頃の生活から、調子を整えるためにどうすればよいか理解し、実行できるようになる。
症状が出たり、予兆があったときに、対処法を知っていて、実行に移せるようになる。

(3)相談力をつける
いったん持ち帰る、待つ力をつける。
一人で抱え込んだり、誰彼構わず相談せず、適切な相手に相談できる。
TPOをわきまえて、適切なタイミングで相談ができるようになる。

自分に合った就労移行を見つけ、自分らしく働くための一歩を踏み出してもらえたらと思います。

■下茉莉(しも まり)
発達特性との付き合い方を考える会「かもみぃる」代表。精神保健福祉士と社会福祉士の資格を持つ、発達障害と発達性トラウマ障害の当事者。障害受容、診断が出た後の相談先や利用できる支援、選択肢が分からずに悩んだ経験を活かし、制度の狭間(グレーゾーン)に落ちてしまう人達の就労支援に力を入れてきた。七転び八起きの精神と突破力で突き進む!
HP
Note


■□ あとがき ■□--------------------------
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