文殊様はどこにいる…??

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2022.04.15

文殊様はどこにいる…??

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■   シリーズ:アメリカ便り Withコロナと学校教育 
■□  連載 文殊様はどこにいる…??
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 ■ シリーズ:アメリカ便り Withコロナと学校教育 
                  第1回:2020年3月の完全閉校措置から現在までの軌跡
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相次ぐ変異株の出現で、2022年になっても未だに新型コロナウイルスの影響が各方面にあります。ワクチン接種が進んだこともあり、マサチューセッツ州では2022年3月中旬よりマスク着用義務が無くなりました。学校でもマスク着用は自由となり、隣の子との机の間にあった仕切りも無くなりました。

今回の連載では、私の住む米国マサチューセッツ州で、コロナ禍の学校教育がどの様に行われたかをお届けしたいと思います。第1回目は、2020年3月にパンデミックによる完全閉校措置から現在の状態に至るまでの軌跡をお伝えします。

過去の連載で、2020年3月に始まったパンデミック第1波による閉校期間の際の話と、それから2020年-2021年度の始まりについて触れました。※1

※1 メルマガ2020年11月13日号 

2020年3月中旬に公立学校、大学、保育園、その他多くの機関が政府の命令の下にシャットダウンして自宅待機となりました。
当初は誰もが2週間から数週間程度の措置だと思っていたものが、公立学校はそのまま6月下旬の夏休みに入るまで、一度も登校授業を再開する事なくそのまま2019年-2020年度を修了しました。

夏休みを挟み新年度になる2020年9月は、直前までマサチューセッツ内の各市町村で対応が検討されていましたが、対面形式に戻すと感染者が爆発的に増えるであろうということが分かっていたので、オンライン教育から始めた市町村が多くありました。
ただし、発達障害などで特別なニーズのある子供たち、英語が第一言語でない子供たちなどは、オンライン教育よりも対面での教育が好ましい場合があるので、各学校が対面による授業再開の準備を早急に進め、優先的に対面学習を始めました。
その後、ひとクラスの人数を減らすための分散登校が始まり、オンラインと対面の両方のハイブリット教育を開始しました。
マスク着用義務、机の間の仕切りや、消毒の徹底、病欠の定義、万が一コロナ感染者/濃厚接触者になってしまった時のルールなどを作成して対応しました。

2020年12月からファイザー製とモデルナ製のワクチンがマサチューセッツ州でも順次接種可能になり、教員たちも2021年3月から接種可能になりました。
(2022年4月現在では、おそらく特別な事情がない限りはほぼ全員の教員、スタッフがブースターも含めて接種完了している学校が殆どです)
2021年の春以降は、パンデミック以前の様に対面授業が可能になりましたが、希望があればまだオンラインでの授業も受けられる態勢でした。

2021年9月からの新年度は、オンライン授業は完全に終了して、マサチューセッツ州内の公立学校は完全な対面授業に戻りました。
マスク着用は義務で、週に2回、学校内でプール方式PCR検査(10人分の検体を1度にまとめて検査し、陽性があった場合にその10人に追加の検査をして個人特定をする)を行い、学校の看護師が陽性者と濃厚接触者の追跡します。

息子が通う学校では、隣のクラスで新学期早々にクラス内クラスターが起きてしまい、1週間の学級閉鎖がありました。
息子も一度だけ濃厚接触者に該当して「接触日を0日として5日目にPCR検査を受け、陰性だったら8日目から通学可能」というルールに従って自宅待機を経験しました。
私の息子が通う学校では、サンクスギビングやクリスマスなど、人が集まったり移動したりするホリデー直後には、個人PCR検査が行われました。
デルタ株やオミクロン株など、変異株の出現に伴い感染者数も増えたため、州知事の記者会見では学校閉鎖とオンライン授業への移行措置を希望する保護者の姿も見られましたが、州知事はきっぱりと「学校は子どもが学ぶ場所として安全な場所であり、州として閉校措置をとることはない。クラスや学校でやむなく短期の休校が必要な場合は、雪休み※2を利用して調節すること」と明言し、長引くコロナ禍の中で、持続可能で最適な教育のあり方として、隔離ルールと感染対応を徹底しつつ対面での学習環境のあり方の重要さを強調しているように聞こえました。

※2 雪休み マサチューセッツ州では冬季に吹雪の影響で休校する場合があるので、予備日として学年最終日を1週間分ほど延長できるように年間予定に予め組み込んである。

2021年11月初旬より、満5歳の子供(米国の公立学校のキンダーガーテンは満5歳)もファイザー製のワクチン接種が可能になり、病院や薬局のほか、各市町村は学校でもワクチンクリニックを設けて積極的な接種を進めています。

米国には5歳から11歳までの約2,800万人の子供がおり、2021年5月にファイザー製ワクチンの対象となった12歳から17歳までの1,700万人の子供をはるかに上回っています。
感染拡大を防ぎ、万が一罹患してしまったとしてもリスクを最小限に抑えつつ、子供たちの学校生活を守るために、この約2,800万人の子供たちへのワクチン接種は推奨されました。

2度目のワクチン接種後2週間が過ぎた子供たちは大人同様に「ワクチン接種完了」とみなされます。
日本と大きく異なるであろうことの一つが、濃厚接触の定義です。
例えば、多くの学校で取り入れたのが「ワクチン接種が完了していて、子供本人が無症状ならば、家族の中に感染者がいても登校できる」というルールです。
(もちろん各個人、各家族、各学校にそれぞれの事情があるので、学校の看護師に相談の上で条件が異なる場合もあります)

2022年1月中旬からは、大統領令により自宅でできる抗原検査キットを1人月8本まで健康保険でカバーしてくれる事になりました。
その他、公立学校では希望者に1週間に一度の抗原検査キットを無料提供してくれるので、我が家では大人2人と子供1人で月に28本の検査キットが無料で手に入れることができます。
これをもって、学校で行われていたプール方式PCR検査や学校の看護師による濃厚接触者の追跡調査は段階的に無くしていき、各家庭が自宅で検査をして陰性を確認して子供を学校に送り出すというシステムになりました。
これにより9月からの半年の間は、学校がPCR検査を行い、陽性になったり濃厚接触者になった際の連絡、記録なども学校で管理してくれましたが、2022年3月以降は、各家庭で管理することになりました。

3月中旬から、息子の学校区ではマスク着用は義務ではなく選択性になりました。
その際に、息子の担任の先生は「マスクをつけるかつけないかは家族の判断で、つけてもつけなくても正解でも不正解でもない。ジーンズを履く人もいるしジャージを履く人もいる。それと同じことだよ」という話をしたそうです。
その他にも、机の間にあった仕切りはなくなり、今まで教室で食べていたお弁当もカフェテリアで食べることになったそうです。
息子のクラスでは、担任の先生がFacebookのグループで日々の教室の様子を写真で有してくれるのですが、今はマスクをつけていない子が多くなって、常につけている子は2割程度の様で、つけたりつけない子も含めても半数以上の子がもうマスクは着けていないようです。
子供を持つ友人の話を聞くと、中学生以上で新型コロナウイルスのことも理論的にわかる年齢の子には「マスクをつけるかつけないかはあなたの判断を信用する。自分が安心だなと思う方を選べば良い」と話していることも多い様です。

長い冬が過ぎ、これからは春の遠足や、年度末に向けて修了式や卒業式など行事もあります。
おそらく今年は2020年から感染対策のために延期や中止になった多くのイベントが開催されるでしょう。
子供にとって、2年間というのはとても長い期間です。
日本でも米国でも、卒園式や入学式を始めとした学校行事を含め、子供たちにとっては失われてしまった経験が沢山あることでしょう。
しかし、大人が考えるよりも、子供が新しい環境を受け入れ、これまでになかったことを学びに吸収する柔軟さも持ち合わせているのではないでしょうか。
世界中で子供たちの学びの場所を守ってくれている教育現場の全ての方たちに、感謝の気持ちを忘れずにいたいと思います。

◆礒恵美(いそ めぐみ)
マサチューセッツ州ボストン在住。
保育園勤務。自身もコロナ禍で入学前後の子供を育てながら、教育に向き合う日々を送る。
本メルマガではシリーズ「アメリカ便り」として、米国の学習指導事情やコロナ禍での学校生活などを、主に教育の現場からの視点で寄稿している。
 


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 ■ 連載:暮らしの中の情報教育【いつでもどこでも情報活用】
              第5回:文殊様はどこにいる…??
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〔三人寄れば文殊の知恵〕と言います。
なんとなく意味は解ります。1人で考え込むより、3人でワイワイ検討しあった方が、いい知恵が出てくる… 実体験としても、多くの人が経験していることだと思います。

なぜ、3人なの? 理由は、2つほど思いつきます。
2人で話し合ってうまくいくこともありますが、多くの場合は(力関係が作用し)片方の意見に流れやすい。4人だと、意見がまとまりにくかったり1人がただの聞き役・あるいは加担者になったりしがち。3人という力関係は、なかなか絶妙で、経験的にも説得力がある数です。
もう一つ。日本文化は、三 が好きらしい。三々九度、三度目の正直、二度あることは三度ある、みつどもえ、陸海空 … そして、標語とか目標関連も、3つずつでできていることが多いですわ~~ (真偽のほどはわかりません…)

〔文殊〕とは何かしら? 知恵の神様 みたいなイメージを持つ言葉です。
七福神の一人かしら…?? 私は戦後生まれ、都会の核家族育ち。古い文化は憧れるけれど、身についてはいません。
気になることは、調べましょ~~~  調べてみました。

身元確かな情報源をあたる・専門性のある情報源を探す・いくつか探して情報を比較する… やりましたわ~~
国立博物館、寺院、仏像専門店、仏壇仏具専門店…などなどを見て回りました。

文殊様は〔文殊菩薩〕 え~… 菩薩って、観音菩薩とか弥勒菩薩の菩薩? 

正式名称は〔文殊師利法王子菩薩摩訶薩(もんじゅしり ほうおうじ ぼさつ まかさつ)〕と書いてあるお寺さんもあるけど、
浄土宗大辞典で調べたら、〔法王子とは菩薩のこと〕と書いてある。特に、文殊菩薩を指すことが多いらしいけど、それじゃ、菩薩菩薩になっちゃうわよね。
ちなみに法王というのは〔仏〕のことで、その一歩手前だから〔法王子〕となるらしい。
… う~~ん と暫く考えてしまった… 正式 って何? 

文殊法王子 = 文殊菩薩 ということで、自己解決。法王子菩薩 という言い方は、敬称の重複表記。一見丁寧そうだけど、「〇〇先生様」的な言い方でおかしい(これ私の個人的見解です)。
そうそう、その後ろについている〔摩訶薩〕というのは、独立では使わない言葉で〔ほとけをめざす人。菩薩の尊称〕。〔菩薩摩訶薩〕と必ず菩薩の後に続いて使われるらしい。あはは… 菩薩菩薩菩薩だわね~~

同じ意味の言葉を何重にも重ねるのは、どこかの文化?
畏敬とへりくだりを背景にした単なる誤認識?
〇〇〇〇経 のような古い経典のタイトルには、こういう言い方は見当たらない…
判断を下すには情報不足 ⇒ ペンディング~~… ※3

※3 ペンディング 結論を出さず、保留にすること

文殊のことを、正式には〔文殊師利〕というのは、本当らしい。出典として使われている経典には〔文殊師利〕という文字がたくさん出てくる。サンスクリット語の図1※を漢字にあてたもの(音写)だそうだ。納得…

※図1

そして、文殊師利には、モデルがおられるらしい。ホ~~
モデルの話は、先の大辞典によれば〔文殊を大乗興起時代の実在人物とする説もあるが詳細は不明〕となっているが… 今となっては詳細などは、わかりようもないでしょ~~

イエスさまにも、モデルがいた。触るだけで病気が治ったとか生き返ったとかの話が本当かどうか(詳細)は、今となってはわかりませんけど…
文殊さまに、モデルがいてもおかしくはないわね~~ ということで、いくつか調べてみると、
この噂の出典は〔文殊師利般涅槃経〕という経典のようです。

文殊さまはいい家柄(バラモン)の出身。お釈迦さまが活躍したころの人。お釈迦様の弟子たちとも親しかった。その頃、お釈迦さまの在家の弟子でとても弁の立つ人(維摩詰:ゆいまきつ 10大弟子よりはるかに仏教を体得したお金持ち)が病気になった。お釈迦さまの代理で彼を見舞った時、大乗の妙理について対等に問答したという記録が〔維摩経〕に記されていて、その時の様子を表現した掛け軸が、重要文化財として京都国立博物館にあります。ここから、知恵のある人物という流れができた。などなど… が、その話。
あら~~ この維摩という人、イエスにとってのラザロみたいな存在ね~~
数年前、ヒストリーチャンネル(ケーブルテレビ)で見た〔イエスの生涯〕という番組がフラッシュバックする… 

興味・疑問はどんどん広がっていきます。スッキリしないこともでてきます。
ここで、またまた、フラッシュバック…

子どもの頃、学校の授業でも、スッキリしないことがありました。当時の私は、そこで止まりました。一つわからないと、先に進めない子… 学びの〔ツマズキ〕の原因の1つです。
無理やり先に進もうとすると、思考が止まり、丸暗記(鵜呑み)の学びが始まります。

疑問を持つことはとても大切。
でも、学ばせたいこと(学ぶと決められていること)は、盛りだくさん。ついつい、丸暗記の学習が全国的に広がっているのも現実です。

私は、丸暗記ができない子でした(記憶力が弱いともいう ^^;;)
興味を持って学習に取り組めば取り組むほど〔どうして?〕が出てきます。
幸い父が物理の教員で、物理に関しては何時間でもとことん説明してくれました。疑問への説明にまた質問を重ね、父の辛抱強い回答に最後は論破され、最初の質問の意味が薄れるのを感じながら意地になって泣いたけど、スッキリしました。
残念ながら山ほど〔どうして〕が生まれた歴史については、誰も解説してくれず、定期試験のために教科書を丸暗記するしかなく、それが苦手な私は結局、歴史嫌い になりました。

いま、同じような学生さんがいると、こう言います。
(大学生になっても、いろいろなことに疑問を持てる人は、とても恵まれていますね。
 それとも、これまで疑問を持つような体験をしてこなかったかです… )

疑問を持つのは素敵なことよ~~ たくさん疑問を持ちましょう~~~
疑問はとことん調べましょ。 調べると次から次へと、疑問が出てくる。でも知らなかったこと(情報不足)は、調べればスッキリしてくる。

そのうち、情報はそろっても判断がつかないことが出てくるわよ。
人生には、答えがすぐ見つからないことの方がず~~~っと多いのよ。
そういう時は、無理に先に進まない(分かったような気にならない)。
他の人に盲従したりもしない。

わからないまま、ペンディングするの。
それじゃ先に進めないときは、とりあえず、その時の選択肢からベストと思えるもの選ぶけど、そうやって選んだことは忘れない。心の中に留め置くの。
あえて結論出す必要ないことは、スルーしない(流さない)。これもペンディング。

ある時、ハタ! と見えてくる。答えは、自分の中にあるの。まだ合体していないだけ。その後に得た情報・関係のないようなことが、これまで蓄えた情報や記憶と合体して、知恵が生まれるの。

文殊さまを探してネット情報を調べていって数日。フラッシュバックが始まりました。

〔三人寄れば文殊の知恵〕の2つのメカニズムについて
対等に情報を出しあえるなら、何人でもいいのよ。自分ひとりより、情報源が増えることが大事。これは、賢くネット検索すれば、情報社会では一人でも可能。
3人いると、違う価値観が寄り集まる。視点が増える。これは知恵を出すときにはとても大切。
これも、あえて違う価値観を探せるなら(これ意外と難しい)、1人でも可能。逆に、3人いても、(力関係で1人に引きずられることも含め)3人が同じような価値観なら、文殊の知恵は生まれない。

〔文殊師利法王子菩薩摩訶薩〕と同じ言葉を重ねる意味
これは日本語の問題と理解できます。文殊師利は、名前。その徳の偉大さを言語では※図2のように表現されているのですが、画像の(A)の音写がない。これを法王子と音写したのだけれど、厳密には、もうチョット前の段階の(いずれ法王子になる)菩薩という意味。そこで、法王子菩薩と表現したのね~~

※図2

ちなみに〔摩訶薩〕って、生きている偉大な人 という意味らしい。生きているうちから仏なの? … これ、またまたペンディング…

お釈迦さまは〔釈迦如来〕で〔釈迦菩薩〕とは言わない。如来と菩薩と、どう違うのかしら… と調べたら、仏さまにも階層があるらしい。
〔仏〕は上位から、〔如来〕〔菩薩〕〔明王〕〔天部〕そこで判明。法王子 というのは、仏になる手前ではなく、如来になる手前 のことだと解釈できそう。ネットにきちんと書かれたページがないことから、他人の情報を鵜呑み引用 しているページが多いことも見えてくる(言い回しとして、まったく間違いではない…)。

ちなみに、地球上で如来になった人は、釈迦(ゴータマ・シッダールタ)1人だけ。その他の如来さま達はもともと天空にいた如来(人間の創造物とも言われる)だそうです。これまた、イエス・キリストみたいな話ね… 生きているうちに悟りを開いたわけでしょ… 
あら、もしかして生きているうちに菩薩になったから、文殊さまの名前の後に〔摩訶薩〕がついているのかもしれないわね… いつ菩薩になられたかは、調べたけど見つからなかった。  

いま、フラッシュバックの嵐の中。快適だわ~~~
そして、大きな疑問が生まれました。

神と仏 を分けるのは、歴史の中で出てきた、すみわけのための策。呼び名を変えているけれど、似たようなハイパワーの概念を表しているように思えます。
だったら、これまでの神話の神も、如来、菩薩、明王… に分類できるのじゃないかしら?
ちなみに、仏の分類を調べると、ヒンズー教の神々とも関連している。
あら? これって、旧約聖書(ユダヤ教)と新約聖書の関係と似てない?
イスラム教とユダヤ教が分かれているのは、人間のテリトーリ意識の問題で、ルーツは同じじゃないの?

とみてくると、地球上にうまれ現在に至る宗教の多くの源流には、とても似通った概念が流れているわね。
私たち人間に対し〔天にいる者〕がいて、そのまわりには天使のような存在がたくさんいて、人とかかわりあっている。ユダヤ教に端を発するキリスト教やイスラム教は、一神教と言われているけれど、その頃人間とかかわった〔天にいる者〕が1人だったのかしら。旧約聖書をみると、〔天にいる者〕に会ったのはモーゼなどの個人。
いえいえ、それより以前の神話には、多くの〔天にいる者〕が出てくるから、〔人間を神〕にしたいという力学が一神教を産みだしたのかもしれない…

私は、無神論者。誰かが助けてくれる的な神頼みは好まない。でも、人の知恵は信用している。古代の人間たちが、妄想だけで宗教を作り上げたとは思っていない。何かがあったのだろう…
4大宗教に限らず、世界中の遺跡や原住民の間に残る神の話が、なぜここまで似通っているのだろう… 何かがあったに違いない…! 

でも、この疑問は、簡単には結論が見つかりません。調べれば、古代宇宙人説を代表に、魅力的な仮説がたくさん出てきます。ギョベクリテペの遺跡※4も見つかりました。ノアの箱舟も、あながち、絵空事ではなさそうだし…

※4 ギョベクリ・テペ wiki 

この壮大な疑問に対する回答は、どこから生まれるのでしょう…
3人寄っても、文殊さまは出てきません。
文殊さまがおられるのは、唯一 ペンディングの中…
答えを焦らず、文殊さまと会えるのを楽しみに、ペンディング…

子どもとの付き合い方も同じですね。
子どもが駄々をこねたり問題行動を起こすと、叱っている親御さんをよく見かけます。
人目があるから? 自分がイラつくから? でもね…

すぐに反応しないで(ゆるりと受け止めたり交わしたりして)、ペンディング。
そして、観察しながら考える。どうしてだろう…
殆どの場合、理由がある。ほとんどの場合、子どもの側からの、メッセージが隠されている。

強度のアスペルガー症候群で言葉を一切発しないお子さんがいます。
あるとき、作ってあったデトックスウォーターや缶ビールを、全部捨てたそうです。
親御さんは強く注意しました。しかし収まりません。新しく作ってもまたすぐ捨てます。
怒ったところで変わらない… 何だろう… ペンディングして観察・考えてみました。
そして気づきました。冷蔵庫の中の牛乳がない。
そこで、牛乳を買ってきました。無くなっても困らないように予備の分も置いておきました。
以来、牛乳を切らさない限り、飲み物を捨てることはなくなったそうです。
 
◆小田 和美
情報ネットワーク教育活用研究協議会(JNK4)理事、聖心女子大学講師、大妻女子大学講師
教育情報化コーディネータ検定、情報支援員認定、情報モラル指導モデルカリキュラムや情報活用能力評価カリキュラムの作成、情報教育ポータルサイト構築など、情報教育の研究・推進活動を行っている。
 


■□ あとがき ■□--------------------------

次号は連休中になってしまいますが、4月29日(金)に刊行する予定です。

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