体験活動や読書活動を助成「子どもゆめ基金」

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2014.11.14

体験活動や読書活動を助成「子どもゆめ基金」

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■ 連載:自閉症児支援のテクニック・後半
■ 役立つ情報:体験活動や読書活動を助成「子どもゆめ基金」
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■ 連載 自閉症は『自閉』する障害ではない
第5回 自閉症児支援のテクニック・後半
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さて、前回に引き続き、その他のテクニック後半をご紹介します。

RDI (Relationship Development Intervention):
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文字通り、「(人間)関係」と「発達」による「介入」となります。
ここでは実際にこのプログラムを採用されていたお母様から聞いたお話と、私の経験をベースに具体例で説明します。
(ウェブサイトの概要翻訳は省略致します)

(1)一緒に何かをする(タスク):共同作業の中で明確に役割分担を決め、その役割をこなして行く中で、人間関係を築き上げて行く
具体例:
A)作業(チョコチップクッキーを作る)
B)役割(材料計量・ボウルに材料を入れる係)

成果:
I)「様々な人間関係の中にもそれぞれ役割がある」ということを理解することで、曖昧複雑で明確なルールのない現実の人関係(社会性)を理解する為の基礎(フレームワーク)を提供することができる。

II)共同作業を通じ、問題解決能力を身につける(例:100グラムの小麦粉を計量するのに135グラム入れてしまった → 解決策:100グラムのメモリになるまで少しずつ入れ過ぎた小麦粉を取り除く)

III)子供の成長段階によって、例えば上記例の場合「算数」を取り入れ、子供の興味に基づいた環境でその他の学科も教えることができる。(例:100グラムの小麦粉を計量するのに間違って135グラム計量してしまいました。何グラム取り除けばいいでしょうか 等)
※また、「物を落とす」ことが好きな子供の場合、計量(重さ)とボウルに投入(落とす)=重力の関係 について科学の授業につなげて行くことが可能です。同様に、様々な物を水の中に落とすゲームを展開すれば、「浮力」に付いての授業が展開できます。 こうする事で「物を落とし続けて困る」=どのようにして止めるべきか。ではなく「物を落とすことに対する興味」を尊重・共有し、その行為に含まれる「科学」について子供達の興味の方向を少し「整える」ことで、様々な分野に興味を広げるきっかけを作る事ができます。

(2)役割を交代する(ロールプレイ):
役割AとBがあり、Bをこなした子供は、その体験の中から、Aの役割がどういったものかを見て覚えています。そこでBの役割を上手にこなせるようになってきたらその役割をひっくり返し、逆にAを担当してもらいます。

具体例:隠れんぼ
A)子供は「隠れていて探してもらう役」→B)子供が「探す役」に交代。
※子供が隠れに行っても探しに行かず、逆に自分が隠れると自然にこの流れになります。この場合のポイントは、見つかりやすい所に隠れることです。

成果:
I)どんな人間関係の中にも「相手の立場」があるということを理解することができる

II)「探す役」をこなすことで、次回「隠れる役」をする時に、どういう場所が見つかりにくいのか等、違う視点から考えることができるようになる

III)慣れてくると、自ら進んで役の交代をできるようになる
(「自分の番/相手の番」があるということを理解し、例えば、大好きなブランコやトランポリンにも「自分の番/友達の番」があるのだと理解し、順番を譲ることができるようになる)

Son-Rise Program (Son=息子 Rise=起き上がる・立ち上がる プログラム)
★詳細はこちら>>
※前回の原稿でSunriseと表記したのは Son-Riseの間違いでした。
お詫びし訂正致します。

サンライズプログラム:アメリカの、あるご家庭のご両親(1974年~)が、息子さん(自閉症の診断を受ける)のために始めたプログラムで、基本的には家庭ベースとなっているプログラムのようです。
多くの点でDIR/フロアータイムとの共通点も見られるプログラムです。

実際に採用されていたご家庭のお話では特に「ありのままの子供をそのまま受け入れる」ことと、「ストレスを可能な限り軽減する」ことがかなり重要なポイントのようです。

<特徴>自閉症を下記3点から理解する
(1)(人・社会と)つながること(Connecting to)
(2)(自分と人を)関連づけること (Relating to)
(3)(人と)コミュニケーションをとること(Communicating to)

自閉症は、上記が苦手/難しい発達障害であり、その他「行動」は「症状」であっても決して自閉症の「原因」ではない

<基本方針>
(1)子供達の繰り返し・儀式的行動に仲間入りすることこそ、彼らの行動を理解する最大の鍵であり、また彼らが学び・成長・発達するため、仲間遊びができるようになるためのポイントでもある
(2)子供達の自発的な興味・やる気こそが、教育の基礎であり、またそこから子供達は色々なスキルを身につけたり、学んだりすることができる
(3)相互参加型の「遊び」の中で効果的に社会性やコミュニケーション能力を教える
(4)(教える側の)気力、活力が子供達をひき付け、また彼らの「学びたい」という意欲を継続させるためのポイントである
(5)子供に対して批判的にならず、楽観的な態度を取り続けることで、子供達はサンライズプログラムの過程を楽しみつつ学び続けることができる
(6)両親をプログラムの中核に位置づけて、子供達の教育・トレーニングにおける集中力と、インスピレーションを不変的にサポートし続ける
(7)安全で集中できる勉強・遊び環境を作り、提供することが、子供達の成長を最大限に促す
※英語対応になりますが、下記より無料で資料の取り寄せが可能
★詳細はこちら>>

Integrated Play Groups: (同級生や兄弟を上手く取り込んだ遊びとその中での社会性学習)
★詳細はこちら>>

同級生や兄弟等、他の子供たちとの遊びの場を活用し、同じ子供同士の人間関係だからこそなし得る「学び」の体験を可能にする「子供同士の遊び場」を提供します。

私はホームスクーリングの子供達を担当していましたが、兄弟や、たまたま公園で居合わせた子供達のする遊びを上手く取り込み、そのコミュニケーションを補助してあげることができた時の、子供達の「やる気」「プライド」「学ぶ早さ」「(普段ならやらないことをあえてやってみる)大胆さ」は、「大人と子供」の人間関係ではどうしても生み出せないすごさを持っています。障害の有無に関わらず、子供の発達に関わる全ての人が持っているととても有効なテクニックに思えます。

<特徴>
(1)遊び (2)コミュニケーション (3)社会性 (4)想像力 を培うためにデザインされたモデル。自然発生する遊びの中で、子供同士の遊びを補助する

<モデル概要>
3~5人の「遊びグループ」を設定し(初めはできれば1対1から)「遊びのエキスパート(一般児童)」と「遊び初心者(自閉症の児童)」が安全に遊べる環境を整える。例え直接参加しなくても、見ているだけで学ぶ例は多数。
※この時、エキスパートの数が優勢になるようにします。また各「初心者」の性格、特性に合ったエキスパートを選ぶことが大切です。エキスパートには心構えとして「自分とは違う相手を受け入れる」包容力の大切さもきちんと伝えておく必要があります (兄弟の場合は、お互いの関係をすでに自然に受け入れているので、割と簡単です)

<具体例>
S君(初心者)と弟のN君(エキスパート):S君のホームセッション中にN君が帰宅。最近始めたサッカーチームでの活躍について話し始める。(彼らの父親もサッカーが大好きで、S君は常々、お父さんと一緒にサッカーを練習するN君をちょっと羨ましそうに見ている)そこで「ねぇ、N君、ちょっとその活躍ぶり、やってみせてよ。」と聞いてみる。N君「いいよ!ちょっと待ってて!」と得意げにゴールの代わりにクッションを二つ並べて「この間がゴールね!」と説明してくれる。この時点でS君はN君のやる事にとても興味を示している。

N君のプレーをしばらく観戦し「私にもさせてよ」と次は私が混ざる。(この時、遊び方は見ているS君にルールが明確に分かるよう、ボールを蹴ってゴールする、等の単純作業にとどめる)そうして何となく「順番」が成立したあとで、「じゃ、次はS君の順番、やってみる?」とさりげなく聞く。突然経験のないことをふられると上手く出来ないと分かっているので拒絶しやすいS君だが、弟と私のプレーをしっかりと見た後なので、新しいことに対する「抵抗感」は低い。それでボールをN君からS君にパスしてみてもらう。S君、控えめながら、ボールを蹴る。

上記のように、「あ、今ならいけるかも。」という機会を見逃さず、例え5分であっても、仲間遊びに参加しやすいような環境を整えて、その遊びを見守る -- こうすることで、次回N君が友達を家に呼んでサッカーを始めた時、次は3人、4人での遊びに参加する下準備ができたことにもなります。遊びの「エキスパート」役の子供達は、慣れてくると自ら「初心者」役の子供に声をかけ、遊びに招き入れてくれるようにもなります。

子供は子供同士の遊びやけんかを通して大きく成長する。これは、誰もが経験を通して知っていることだと思います。自閉症とともに生きる子供達は、この「遊び」への仲間入りの仕方が分からずに戸惑っているケースがほとんどです。そのため、「遊び」から取り残されてしまい、折角の貴重な体験学習の機会を逃し続けてしまうのです。 引っ込み思案だったり、不安になりやすかったりする子供達も、こういった視点で遊びを補助してくれる大人がいることで安心して仲間遊びに飛び込める機会を増やすことができると思います。

長くなりましたが、次回は「まとめ」として、私が見たカナダの自閉症を取り巻く環境と社会サポートの特徴をご紹介して、シリーズ最終回とさせていただきます。

(フェダック・佑子)

 

■ 役立つ情報:体験活動や読書活動の助成「子どもゆめ基金」
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学校では様々なことを学びますが、それを実際に身につけるのは学校以外の場での活動です。子どもたちの興味関心を育て、様々な能力を伸ばす活動を企画書にまとめて提案すると、毎年、総額20億円近くの活動費が助成されるって知っていましたか? そんな優れものの助成金の存在をたくさんの人に活用してもらおうと、今回はガイドさせていただきます。

助成金の名前は「子どもゆめ基金」。2000年に、超党派の国会議員からなる「子どもの未来を考える議員連盟」の提案で創設されました。毎年2回、募集が行われています。参考までに、2014年度の応募件数は4,318件で採択されたのが3,907件。なんと驚くことに採択率は90%以上!です。
○子どもゆめ基金 詳細はこちら>>

1.応募部門
体験活動(自然体験、科学体験、交流体験、社会奉仕、職場体験、その他)と、読書活動の大きく分けて2つの領域があります。その他に、教材開発・普及活動というデジタルコンテンツ作成の部門があります。

体験活動と読書活動では、子どもの活動を企画して、実際に行う費用の助成の他に、子どもたちの活動を支援する指導者養成の企画も対象となります。

2.対象となる団体
社団や財団、特定非営利活動法人などの他に、法人格がなくても活動を実施する体制が整っていると認められる団体も応募できます。

3.助成される経費
旅費や指導者の謝金、実際に必要となる経費が認められます。今回からは、経済的に困難な子どもの参加のための費用も対象になりました。

4.助成金の額
活動の範囲で異なり、標準額は全国規模300万円、都道府県規模100万円、市町村規模50万円です。上限は、それぞれ標準額の2倍です。

5.申請書
活動計画が審査の中心となります。その他に、収支計画、団体概要が必要になります。

ポイントは、いかに子どもたちの興味関心を高め、能力や経験を豊かにする活動をさせる企画になっているかどうかです。題名から企画内容が想像できそうな2013年度の助成活動をいくつか挙げてみましょう。

・体験しよう!雪あそび
・夢は音速超え!?モデルロケット発射実験教室
・車いすテニス・ジュニアキャンプ
・高齢者と子どもたちで作る地域の安全・安心マップ作成事業
・海にやってきた ちゃおレンジャー
・おしごとなりきり道場
・子どもの心を育てる「読み聞かせ講座」

これらの企画の内容は下記ページでPDFで見られます。
○「子どもゆめ基金ガイド2014」 PDFはこちら>>

今年から新たに助成の対象として、児童養護施設や母子生活支援施設などが行う体験活動や読書活動、それらの団体と協力して「経済的に困難な環境にある子ども」の健やかな育成を目的とする体験活動や読書活動が加えられたことも特筆すべき点です。

来年度(来年4月から1年間に行う体験・読書活動)の直近の締切日は、12月3日(水)です。
あなたのアイデアで、素晴らしい活動を子どもたちにプレゼントしてはいかがでしょうか?

(五藤博義)

 

■ あとがき
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大晦日まで残り50日を切りました。レデックスでも「聴覚認知バランサー」「いっしょにさんすう小1版」に続いて、「視覚認知バランサー」を年内に発売すべく鋭意、活動中です。皆様におかれましてもお忙しいでしょうけれど、充実した日々をお過ごしください。

次回メルマガは、11月28日の予定です。

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