くも膜下出血のリハビリと高次脳機能バランサー

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2014.09.26

くも膜下出血のリハビリと高次脳機能バランサー

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■ 連載:話し言葉をもたない子供たちへの対応
■ 寄稿:くも膜下出血のリハビリと高次脳機能バランサー
■ イベント:メルマガ100回記念プレゼント結果発表
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■ 連載 自閉症は『自閉』する障害ではない
第2回 話し言葉をもたない子供たちへの対応
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今回は、自閉症の『自閉』世界へ飛び込み、共感し合える世界観念を作り出すにはどういうテクニックがあるのか、具体的にお話したいと思います。

※私が特に興味を持ち、担当した子供達は「Pre-Verbal」(話し言葉をもたない)、 子供達です。ここでご紹介する経験も、そのような子供達との体験が基になっています。

朝、セッションを開始する為に担当生徒の自宅に到着すると、二階から何やら楽しそうな奇声が聞こえる。「おはよ?」と私の担当するS君の居る部屋に顔を出すと、お気に入りのくるくる回る椅子に座って、とにかく、ぐるぐるぐるぐる、回り続けている。もちろん、私が部屋に入ってきた事に関心を示した様子も無い。

このような状景は、自閉症と関わった事がある方なら、容易に思い出せる、ごく当たり前の風景だと思います。 どうしてこの「ぐるぐる 」が、S君にとって大切なのでしょうか? DIR/Floortimeではこれを、1)Sensory Profile(知感覚系概略)の観点から理解し、2)「ぐるぐる」遊びに仲間入りする事で、相互コミュニケーションのきっかけを作ります。

1)知感覚系概略を用いた解釈
自閉症と生きる子供達の多くは内耳前庭に問題を抱えており、そのため、バランス・平衡感覚に異常を感じ易いようです。また、日によっては世界がぐるぐる回っているように感じられ、とてもじっとまっすぐに立って(または座って)は、いられない、そんな感覚に陥るようです。 この日のS君は、おそらく、この「自分の回りがぐるぐる回っている」感覚に「閉じ込められ」ており、それに合わせて自らがぐるぐる回り続けることで、「静止した世界観」を作り出しているのです。私たちから見れば「自閉」しているように感じるかも知れませんが、実は自分の感覚と向き合うのに必死の為、その他の事・人に注意を払う余裕がない状態にあるだけの話です。

立場を逆にして考えれば、コーヒーカップに乗ってぐるぐる回っている状態でいるようなものです。コーヒーカップで回転しつつ、ゆっくりお茶をすすりながらお話しでもしましょう、なんて誘われても、普通は乗り気しないですよね。S君の体も同じように感じているわけです。

2)「ぐるぐる」遊びから、相互コミュニケーションへ
ですから、私の「おはよ?」もきっと聞こえているし、誰かが部屋に入ってきたことも十分感知しているはずです。「ただ、今はちょっとすぐに反応できない」そういう状態に彼の感覚(究極的には脳)があるだけの話です。ここで、このS君の体の状態を理解し、尊重することがとても大事です。

とは言っても、そこで諦めては、コミュニケーションの入り口はいつまでたっても見つかりません。「ぐるぐる」を使って S君の世界に飛び込みます。
この時、いきなりS君の「ぐるぐる」を止めてしまっては相手を驚かせるだけですし、逆にS君の世界の方が「ぐるぐる」回り始めてしまいます。上述の、コーヒーカップ上の会話状態ですね。

そこで「おおー!S君、今日もいいグルグルやってるねぇ?、すごいスピン、早いね?」という風に、彼の行動を描写する事で、まずお互いの「共通認識」のようなものを作り出します(この「行動描写」は、やり続ける事で、自身の行動を第三者の視点から客観的に理解するための練習にもなります)。そして描写を続けながら回転椅子に少しずつ近寄り、グルグルに合わせて、自分の体を揺らしてみます。この時に作り出す「揺れ」に一定のリズム(=パターン)を持たすと、S君の注意を惹き付けられる確率が上がります。更に、グルグルのパターンに合わせて「びよ~ん、びよ~ん」等、何か一定の擬音をつけると、もっと興味を持ってくれる確率が高くなったりします。

※難しいのは、子供達の反応は百人百様ということです。必ずしも成功するとは限りませんが、諦めずにとにかくいろんなアイディアを試し続けます。
この時、向き合っている子供の「気分」に、自分の雰囲気を合わせてやることがとても大事になります。

ここで、S君の顔がちらっと私の方を向いたり、目の端に「キラッ」と輝きが走ればチャンスです。S君の世界への入り口が開かれた証拠、これを逃さずに彼の世界に飛び込みます。この時点でS君がまだ回転していれば、その回転の速度に合わせて自分の手を椅子に添えるように回してみます。ここでS君が私の手を押し払うそぶりを見せなければ、「回転椅子遊び」に誘われたと理解して問題ありません。動きを急に止めてしまわないように気をつけながら、今度は私が椅子を回す手伝いをします。S君の楽しんでいる事を止めさせて私の方に向き合わせたわけではありませんので、この時点でS君は私に対して、かなりオープン(抵抗・反抗したい気持ちは低い)状態なはずです。

少しずつ椅子を回転させる速度を遊びの中でコントロールしながら、ゆっくりと椅子を止めていく方向に持って行きます。この時点でS君に満面の笑みが浮かべば二人の世界はバッチリつながった証拠、このまま進みます。もしS君がしかめ面になっていれば、明らかに不快感を示しています。このS君の「気持ち」を無視せず、「おしまい?(右手をグーにして差し出す)それとも、あと10回クルクル?(左手をグーにして差し出す)」と聞いてみます。

話せないからと言って、自分の意思を全く無視される事ほど、一個人としての尊重を損なわれたように感じる事はありません。ですから、可能な限り、各個人の能力に合わせた範囲で、選択肢を持たせるように心がけます。ここでS君が左手に触れれば、「じゃぁ、あと10回、クルクルしようね」と、おまけの回転をつけます(例えそれが偶然の選択であっても、彼の意思であったと見なします。数回繰り返せば、こちらの意図を学んで、自分の意思表現を選択するようになってくれます)。

ゆっくり10からカウントダウンし、0と共に「はい、休憩!」と回転に終止符を打ちます。(一つの行動から別の行動への「切り替え」を苦手とする事が多いのも自閉症の特徴ですが、カウントダウンで旨く行く事がしばしばあります)

文章にすると長いですが、おそらく全行程5分~10分程度の遊びです。発言は私が一方的にしており、「会話」と呼べるものはありません。でも、しっかりとコミュニケーションのサークル(私の投げかけをS君がキャッチし、反応する)が成り立っています。

『私がS君の回転行動を描写する(=サークルの開始)、S君が私の方に顔を向ける(=サークルを閉じる)→ (相互意思疎通の)サークルが一つ完成した。』

DIR/Floortime では、コミュニケーションの最小単位を上述の「サークル」で捉え、このサークルを出来るだけ多く持ち、つなげる事で、相互の意思疎通・交流(一方通行ではない)を図ります。そして、これを人間関係の基礎に、自閉症と向き合い、コミュニケーションを保持しつつ、子供の発達レベルに合わせて応用し、社会性や言語の発達、ひいては学習の分野へとつなげて行きます。

いかがでしょうか? 私たちが『自閉』している、と感じやすい行動の中にこそ、自閉症の子供達と対等に向き合う為のヒントがもっとも多く隠されているのです。

次回は、自閉症と 「フラストレーション」、「メルトダウン(突発性癇癪とでも言えましょうか)」そして、それに伴う「リスクマネージメント(危険回避)」についてお話したいと思います。

(フェダック・佑子)

 

■ 寄稿:くも膜下出血のリハビリと高次脳機能バランサー
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夫が42歳のときに、脳動脈瘤破裂によるくも膜下出血で倒れました。
幸い、麻痺などの身体的な後遺症は残らなかったものの、高次脳機能障害が残り、記憶障害・注意障害・遂行機能障害が主な症状でした。

リハビリ病院では、毎日作業療法・臨床心理士さんによるリハビリなどを行っていましたが、その作業療法のなかで、パソコンによる高次脳機能バランサーが取り入れられていました。その他にも多種類のリハビリを組みあわせてくれていたので、正直、高次脳機能バランサー単独でどのくらい効果があったのかはわかりませんが、リハビリのおかげで症状もよくなっていきました。

退院後の通院によるリハビリでも、高次脳機能バランサーによるリハビリは継続されており、その後、仕事復帰できるほどまで回復することができました。仕事復帰してしばらくして、通院でのリハビリも徐々に回数を減らしていく中で、家庭でのリハビリとして、高次脳機能バランサーを作業療法士さんより勧められました。

高次脳機能障害は発症当初に比べ、随分回復したとはいえ、100%元通りになるわけではなく、リハビリの継続は大事だと思っていましたので、家庭で取り組もうと購入を決めました。

日常生活や仕事をしていくこと自体も大事なリハビリですが、脳トレ的なものはまた違うらしく、しばらく期間が空いてしまうと、少し結果が悪くなったりすることもあるようで、本人も自ら定期的に取り組んでいます。

病院でのリハビリではパソコンで行っていたので、パソコン版のマウスでのトレーニングのほうが慣れていてやりやすいようですが、一人でパソコンを立ち上げたりするのがまだ苦手な夫は、寝る前の少しの時間などにはiPad版を活用しています。

だいたい毎回、まずはバランスチェックを行い、その後は「おすすめプログラムだったり、自分が苦手なタスクなどを取り組んでいます。

特に夫は、空間認知や注意力などに関しては、普段の生活だけでは鍛えられない面も多くトレーニングでの改善が大きく影響したように思います。

(K:高知県在住)

 

■ イベント:メルマガ100回記念プレゼント結果発表
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前号で実施したプレゼントの抽選結果を発表させていただきます。
希望コースごとに抽選で当選者を決定しました。

○賞品と当選者(住所) ※敬称は略させていただきます。ニックネームの指定のない方は、イニシャルを記載させていただきました。

書籍:自閉症の僕が跳びはねる理由   ネコネココネコロン(神奈川県)
書籍:発達障害の子を育てる58のヒント らん(宮城県)
ソフト:聴覚認知バランサー      ありた(島根県)
かまる(茨城県)
ソフト:視覚認知バランサー      あ-ちゃん(福井県)
おかざきまみ(東京都)
ソフト:高次脳機能バランサー     N・T(群馬県)
S・K(群馬県)
ソフト:認知機能バランサー      M・T(東京都)
クロネコ(茨城県)
ソフト:デジなぞ第1集        rinyota(愛知県)
ソフト:デジなぞ第2集        miu(東京都)
mogura940(滋賀県)
ソフト:はじめてなぞぺー       お豆(京都府)
M・S(愛知県)
QUOカード:koguma(東京都)、まな(大阪府)、I・O(北海道)
H・K(東京都)、Y・F(大阪府)、ちーず(静岡県)
kun(岡山県)、Y・S(北海道)、まるちっち(東京都)
ムーミンまま(神奈川県)、T・M(長崎県)、よぴこ(東京都)
ちびまる子(福岡県)、イーシャー(大阪府)、WESTTOWN(徳島県)

聴覚認知と視覚認知バランサーを除く賞品は、10月上旬に発送させていただきます。聴覚と視覚バランサーは商品が完成次第、お送りします。
ご応募ありがとうございました。
これからも【レデックス通信】をよろしくお願いいたします。

 

■ あとがき
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10月17日(金)、18日(土)の2日間開催される千葉県福祉機器展に参加します。今年は聴覚認知バランサーについて、主に認知症との関連で講演を行います。17日午後1時30分~2時30分です。展示ブースでは、聴覚認知バランサーに加えて、全レデックス製品をタッチパネルで体験していただけます。
ぜひお立ち寄りください。

次回メルマガは、10月10日の発刊予定です。

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