新しい自閉症療育の方法 DIR/フロアタイム

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2011.12.09

新しい自閉症療育の方法 DIR/フロアタイム

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■ 新しい自閉症療育の方法 DIR/フロアタイム・1
■ イベント情報
■ あとがき
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■ グッズレビュー 録音できるフォトアルバム
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■ 新しい自閉症療育の方法 DIR/フロアタイム・1
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今週も野比海岸の、筑波大学附属久里浜特別支援学校にやってきました。年1回の公開セミナーで、特別支援学校の教師、保護者に交じって、アメリカでも比較的新しい自閉症療育の手法、DIR/Floortimeモデルを勉強させていただく貴重な機会です。講師は、DIRの主要著書を翻訳出版されている広瀬宏之・横須賀市療育相談センター所長です。

まず自閉症スペクトラムについてのおさらい。2013年に公開予定のアメリカ精神医学会の精神疾患・症状の診断マニュアルであるDSM第5版では、自閉症スペクトラム(ASD)として、自閉症やアスペルガー症候群、原因不明な広汎性発達障害が1本化されること。さらに特筆すべきこととして、その診断基準に、これまでのWingの3つ組に加えて、「感覚過敏」が付け加えられることになるだろうことが紹介されました。

米国でASDの「治療」として実施されているものに、以下のものがあります。
その7番目として挙げられているのが、発達論的療育のひとつ、DIRです。

1. 心理療法・精神療法
2. 薬物療法
3. 環境調整:TEACCHなどの構造化
4. 行動療法、認知行動療法、応用行動分析(ABA)
5. 感覚統合訓練
6. 言語訓練
7. 発達論的療育:RDI、DIR
8. 補完代替医療

前提となる認識として、定型発達と発達障害の「世界」がかなり異なっており、ごく小さな一部だけが重なっている、というものがあります。その少ない重なりの部分を、丁寧に扱って膨らませていく、というのがDIRの基本的な原則です。

発達論的療育の特徴は、次の通りです。

1. コミュニケーション能力の習得はできるかぎり"対人相互的状況"で行う。
(五藤注釈):教材と相対した発語の訓練は役立たない。Authenticな状況での振る舞いが「相互の意思疎通」であるコミュニケーションを育てる。

2. 知能や認知は情動と一緒に発達する。"子どもの情動の安定化"をあらゆる学習の前提として重視する。
(五藤注釈):こだわり症状が強く出ている時やパニックの時はまずそれに対応。

3. 子どものコミュニケーション行為は、基本的に一度は"ありのままを受け入れ"、子どもの意思伝達を促す。"子ども主導"を心がけ、大人からの指示をできるだけ減らす。子どものモチベーションを促す学習により、自発性や能動性を維持しつつ、コミュニケーションを拡げる。
(五藤注釈):この後のDVD放映で、親と共に子どもの療育に立ちあうグリーンスパン博士は、"Join in his world"(彼の世界に入っていって)と度々、発言されています。まずは、発達障害の子どもの世界に入って、その子がその時、何に関心を持っているのか、を知ることが、コミュニケーションの糸口を見つける最善の方法です。

4. うわべの技法ではなく、基盤にある"認知障害や情報処理障害"そのものを標的とする。
(五藤注釈):形式的な行動様式を身につけさせる形でのABAは、グリーンスパン博士は批判的です。

グリーンスパン博士(Stanley Ira Greenspan)は、DIRの創始者です。博士は、昨年4月になくなりました。アメリカの主要新聞にも追悼記事が出たそうです。ジョージ・ワシントン大学の精神医学、行動科学、小児科学部門の臨床教授でした。

「Zero to Three 3歳までの精神保健と発達障害の診断基準」の創案者でもあります。日本では、子どもにもDSMが使われていますが、子どもには独自の診断が必要であるとして博士が提唱され、幼児の医療に携わる人には必読と、広瀬先生はおっしゃっていました。調べてみましたが日本でも翻訳が出版されましたが、現在は絶版になっているようです。

『精神保健と発達障害の診断基準―0歳から3歳まで』

 

DIR とは、Developmental, Indivisual-Difference, Relationship-Basedの略語で「発達段階と個人差を考慮に入れた相互関係に基づくアプローチ」と、広瀬先生は訳しておられます。

Floortime とは、文字通り、床にすわって、15~20分間程度、子どもと同じ目線で関わることです。

フロアタイムは、DIRの中心手法であり、ちょうど、構造化とTEACCHの関係と同じと、広瀬先生はおっしゃいます。

なお、DIRは、子どもの自閉症スペクトラムの療育だけでなく、大人に対しても、また、ADHDやLDに対しても適用されています。広瀬先生はこれまで、自閉症とADHDに関する、グリーンスパン博士の著書を翻訳出版されています。前者は高額ですが、後者は2100円と手頃です。

『自閉症のDIR治療プログラム』

『ADHDの子どもを育む-DIRモデルにもとづいた関わり』

少々、長くなってしまいましたので、DIRとフロアタイムの具体的な解説は、次回とさせていただきます。
(五藤博義)

 

■ イベント情報
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●こころの発達と障害の教育研究コンソーシアム
第2回公開シンポジウム

心の発達の基礎に関する研究報告です。少々専門的ですが、最先端情報に触れられます。無料ですし、少しでも関心のあるテーマがあれば、参加されることをお勧めします。

日 時:2011年12月18日(日)13:00~17:00
場 所:東京大学医学部教育研究棟14F鉄門記念講堂(本郷キャンパス)
参加費:参加費無料・事前登録不要
詳細はこちら>>

●講演会「発達障害 認知機能の発達とその支援」
弊社五藤は、これまでの調査研究を元に、来年1月から3月にかけ、全国各地で講演する予定です。
川崎ではソーシャルスキルトレーニングなどの講演で支持者の多い柳下記子(やぎしたのりこ)さんとのコラボです。

【講師】五藤博義(レデックス認知研究所所長)
柳下記子(発達障害支援アカンパニスト 理事長)

日 時:2012年01月22日(10:00~12:00)
場 所:ミューザ川崎シンフォニーホール
参加費:500円(税込)
定 員:30人(先着順)

詳細はこちら>>

 

■ あとがき
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先日たまたま入った中国雑貨屋で、「これもってけー!」と中国茶器セットを破格の値段で持たされました。

中国茶器って、日本人から見るとおままごとサイズですよね。しかし、実際に使えるおままごとセットは、子どもにはわくわくするグッズのようで(笑)、あまり飲まなかった暖かいお茶をこの茶器だと進んで飲んでいます。

体が冷えると、不安な気持ちが起こりやすいとも言われますし。暖かい飲み物を飲んでくれるようになっただけでも、茶器を買ったかいがあったというものです。ええ、決して言い訳ではありません 笑

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