5種類の展開・解説

各教材を体験するにあたって、その方法を解説します。

5.頭に入る大きさの情報 Mind-size-byte

理解できる内容の多寡は人によって違います。また、理解しやすい提示の仕方も人によって異なります。

指導者は、自分自身が学習した方法で指導しがちですが、相手の反応を見ながら、提示する内容の選択や提示方法を工夫して指導する必要があります。

5.1おてだまの動作

4.1月の移動と満ち欠けの理解

おてだまの指導では、全体の流れをいくつかに分け、ゆっくりとそれを繰り返い教えるという方法をとる場合が多いと思います。この方法で理解できる人もいるかもしれませんが、多くの場合、学習者にとって提示される情報量が多すぎ、それらすべてを把握できないことが困難につながります。両手を同時に使うお手玉の流れの中から、左手だけの動き、右手だけの動き、という形で情報を制限して提示することで、注目すべき点に、よりはっきり注意を振り向けられるようにすることができます。さらに、右手だけ、左手だけ、という形で練習を分けて行うこともでき、不器用な学習者にもとりくみやすくすることができます。

教材を見る >

5.2複雑な英語表現を考える

3.2地図上の相対方位

次の教材例、複雑な英語表現を考えるでは、英訳すべき内容を、構造的に分け、それぞれを英語にして、最後に合体させる、という方法を示しています。この方法では、部品を組み立てながら行うので会話に応用するのは難しいと思われるかもしれませんが、倒置や文を複雑に分けて話をするという方法を使うことで、その人の使用に沿った形で会話することが可能である点を指摘しておきたいと思います。

教材を見る >

ポイントは、学習者一人ひとりで、一度に理解できるボリュームが異なるということと、学習者が理解しやすい方法が一人ひとり異なるということを常に意識することです。 指導する側は、学習者の反応で、それらを確かめながら学習を進めることが大切です。 理想をいえば、学習者自信が学習する量や学習方法を選択できるようにすることで、デジタル教材はそれが可能な解決策の一つになります。

学習方法を変更することが有効な例を挙げてみます。人には聴覚を使った理解が得意な人と、視覚を使った理解が得意な人がいます。聴覚による理解は、時系列で情報が提示されるのでワーキングメモリが必要とされ、ワーキングメモリがそれほどでない人には理解が難しいです。視覚を使った理解では全体が提示され、大枠で納得してから、細部について理解を進めていくことができます。よくあるケースは、聴覚優位なことが多い母親が、視覚優位な子どもに、説明ををするケースです。 母親は自分の理解しやすい、伝える内容を時系列に細分化して、相手に分かるようにゆっくり説明します。 説明が長時間になればなるほど、ワーキングメモリの十分でない子どもには理解が難しくなります。 この場合の頭に入る大きさ、は、単に細分化することではなく、全体像を一目で見られる図などにして提示することです。

繰り返しになりますが、指導者は、学習者の反応を見ながら、提示する内容の量を加減したり、提示の仕方を変えたりするなどの工夫をすることが、学習者の頭にその情報がスムーズに入るのに必要だということを、常に留意していただければと思います。

5種類の展開・解説へ
トップページに戻る