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発達障害児の家庭療育に役立つ教材・アプリ

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■ まえがき
■ 新連載:発達障害児の家庭療育に役立つ教材・アプリ
■ 連載:成人ディスレクシアの独り言:小学3、4年生のころを振り返って
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──■ まえがき
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今回から「発達障害児の家庭療育に役立つ教材・アプリ」と題する連載がスタートします。きっかけは編者のネットサーフィンです。お子様のアプリ等への取り組みを観察し、自分なりの意見を発表されているブログに感銘を受け、突然、メルマガへの寄稿の打診をしたのですが、快くお引き受けいただきました。

第1回の内容は、ご配慮いただいたのか、編者の開発したアプリを取り上げていただきました。ただ、他のアプリに対しての評価と共通して、あくまでご自身が感じられ、考えられた内容になっていると思います。保護者の方がどのように感じ、評価されているのか、ぜひ参考にさせていただきたいと思います。

 

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──■ 新連載 発達障害児の家庭療育に役立つ教材・アプリ
第1回 「こども脳機能バランサー」の活用法
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●はじめに
はじめまして。
私は現在、自閉スペクトラム症と診断された小学校2年生の長女と、注意欠如多動性障害と診断された年長の次女の子育てをしています。娘たちが診断を受けた時は、自分が今後、どのように子育てをすれば良いのか見通しがたたず、不安な気持ちでいっぱいになりました。

けれども、あることに関心を持つことで、次第に前向きな気持ちを取り戻すことができました。それは、娘たちの個別の障害特性を学ぶこと、そして、その障害特性を支援するグッズや教材(アプリ)を探し、使ってみることです。

これまで、いろいろな教材やアプリを試してみましたが、娘たちの育ちに役立ったものもあれば、娘たちが関心を示さず無駄になったものも沢山あります。そこで、この連載では、娘たちが有効活用しているアプリや教材をご紹介したいと思います。

●こども脳機能バランサー for ipad (LEDEX)

約2年半前に長女のために購入しましたが、今では次女が使っています。娘たちのために、学習系のアプリはいろいろ使ってきましたが、このアプリが一番長期間継続的に使っていると思います。

1.アプリの概要
このアプリは「注意力」「空間認識力」「言語力」の3つの力を中心にトレーニングができ、用意された13のトレーニングタスクはどれも無理なくゲーム感覚で取り組むことができます。

結果に応じて発達年齢や発達指数を判定し、グラフや表で示してくれるので、保護者が子どもの得意と苦手を把握したり、結果の推移を確認することができます。

2.「子どもの苦手・特徴」を把握するためのツール
日常生活の中で、次女に「注意力が足りないのではないか?」「記憶力が弱いのではないか?」と気になることがあります。けれども、それが障害特性と言えるほどの程度かどうかは素人の私にはわかりませんので、それを検証するためにこのアプリを使います。

次女の場合、各タスクの結果(発達年齢及び発達指数)の出方は二通りあります。
(1)使い始め当初、結果は低く出るけれども繰り返しタスクを行うことで、実年齢相当以上の結果が出る。
(2)相当数繰り返しても、結果は低いまま(実年齢以下)。

(1)の結果となるタスクについては、アプリでのトレーニングの成果が出たと考えています。
一方、(2)の結果となるタスクについては、次女の障害特性と関わりがあると考えます。
例えば、上記(2)に該当する次女が苦手なタスクとして「ジャストフィット」「はじめのもじ」があります。

※「ジャストフィット」画面の中央の見本とまったく同じ形を、周囲の選択肢から探し出すタスク。
参考:レデックスページ(下にスクロールしてください)(詳細はこちら>>

次女は「視空間認知が弱い」という障害特性があるのかもしれません(視空間認知→「視覚的な情報をもとに、自分と相手やモノ、モノとモノなどの距離感や位置を把握し認知する力」)。視空間認知が弱い人は、左右がわかりにくい、方向音痴、自分の身体の大きさがわからない、文字を覚えるのが苦手等の傾向があります。

確かに次女も、道を覚えられない、よく身体をモノ(椅子、壁、ドア等普通の人はぶつからないモノ)にぶつける、「さ」と「ち」等の似た文字の区別がつきにくいことがあります。

※「はじめのもじ」 指定された文字で始まる言葉を、選択肢の絵の中から答えるタスクです。
参考:レデックスページ(下にスクロールしてください)(詳細はこちら>>

このタスクが苦手な原因については相当悩みました。
選択肢の絵にあてはまる言葉を次女はもともと知っているにも関わらず回答を出すのにどうして時間がかかるのか。もしかしたら、次女はディスレクシアの傾向があるのかもしれません。

ディスレクシアの特徴の1つに「モノの名称等がすぐに出てこない」がありますが、次女もこの特徴を持つために、選択肢の絵の名称がすぐに頭に浮かばないのかもしません(ディスレクシア(読み書き障害)→「知的能力は普通なのに、「字」という記号と言葉の「音」が結びつきにくいこと等が原因で、読み書きが困難になる機能障害」)。

以上の内容は、一保護者に過ぎない素人の私が考察したことですので、正しいかどうかはわかりません。

けれども、専門家ではない親でも「子どもの苦手・特徴」は子どもをよく観察していれば把握できることだと思いますし、子どもの成長を適切にサポートするために理解しておきたい大切なことです。

そのため、今回紹介し「こども脳機能バランサー」は、「子どもの苦手・特徴」を把握するためのツールとして、またその「苦手」をトレーニングするツールとして継続的に活用しています。

次回は、視空間認知及び聴覚認知(聞き取り能力)に関わるトレーニングとして使っている教材をご紹介したいと思います。

参考文献
竹田契一監修、品川裕香著「怠けてなんかない!0シーズン」

にのの
ブログ:にののシステム科学講座
(ブログはこちら>>

 

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──■ 連載:成人ディスレクシアの独り言
第3回 「小学生時代のこと〜 3、4年生のころを振り返って〜」
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家庭の事情で、転校をくりかえしていた時期でした。時代は高度成長期の大阪。転入生はいつもたくさんいて、「自分だけが特別」ではありませんでした。

「前の学校ではまだやってなかったから・・」そんな言い訳が短い期間でも通じたのは、自分の日常の姿に、だれも違和感をもたなかったからなんでしょう。機転がきいておしゃべりな姿は「今度の転入生、賢いんやなあ」と周囲に受け止められていたように思います。

でも、そんな日々は、一瞬で暗転します。読み・書きは、学校での活動すべてにかかわっていますので、「あっ、こいつ、こんな簡単なこともできないんだ・・」と、あらゆる機会でばれてしまいます。

中学年になると、なんとかひらがなは間違いつつも読んだり書いたりできるようになっていました。でも、ひらがなでさえ焦ると何と読むかわからなくなることがあります。一文字ずつ、必死で音を探して読んでいるわけですから、内容なんて全く頭に入ってきません。言葉が固まりで読めていないわけですから、切る場所やアクセントがおかしくなります。脂汗をかきながら必死で教科書の文字を追う姿を、くすくす笑われるなんてことも、日常でした。

そんな当時の自分にとって、最も恐怖だったのは、音読の時間でした。順番に読んでいくこの活動は、残念なことにどこの学校に行ってもありました。だんだんと順番が近づいてくるにつれ、手には汗がにじみ、顔はかっかと熱くなっていったことを、今も覚えています。友達の読んでいる声なんて、耳に入りません。必死で自分の順番の場所を数え、何とか間違えずに読めますようにと、目で追いながらだまって練習をしていました。わからない漢字の読み方を、こっそり隣に聞いて、教科書に書き込んでいく。そんなこともしていました。今思えば、書きにも困難が大きく、聞き取りの間違いも多い自分がそんな状態で書いたルビが、正確であるはずがありません。きっと、たくさん間違えていたと思います。それでも、当時の自分にできることは、それしかなかったんです。

そんなある日、いつものように自分の順番を数えて、自分の読む場所のルビを、隣の子に聞きながら必死で書き込んでいた時のことです。担任の女の先生が、私の教科書をむしりとり、鬼のような形相と、ヒステリックな大声で
「こんなことしているからいつまでたっても覚えられないんです!」
と言いながら、みんなの前で、必死で書いたルビを消し始めました。先生のあまりの迫力に、自分も教室の中の友達も、誰一人声も出なかった・・・。シーンとした中に、先生が荒く力をこめて消すたびに、教科書の紙がよれてクシャックシシャッと、小さな音を立てているのだけが響いていました。

教科書に踊っていた、不格好な自分の文字は、全て、先生によって消されてしまいました。そのまま、授業は続きます。もちろん、容赦なく、自分の番もまわってきます。強い力で消しゴムをかけられたので、もともとの印字も少し薄くなって、よけいに読みづらくなった教科書を、必死で読むしかありませんでした。

たどたどしくひらがなを拾い読み、漢字が出てくると止まってしまう自分。小声で教えてくれる友達。厚意なのかもしれません。でも「ありがとう」とはとても言えませんでした。ただ恥ずかしかったことだけが、今も鮮明に思い出されます。

ルビを消されていなければ、せめて自分で読めたのにとぼんやり思いましたが、先生の「こんなことしているからいつまでたっても覚えられないんです!」という、罵るような声が頭の中でこだまして、自分で見つけた唯一の方法すらも「許されない」ことなんだと、思い知らされました。

「読めない」なんて、ありえないこと。これだけ口がたつんだから、こんなこともできないなんて、怠けているにもほどがある。先生はきっと、そう思っていたんでしょうね。

今なら、あの時の先生に言いたいことがあります。
「ルビを消して、オレは覚えられたのか?」
答えは「否」です。ただ逃げ場も方法も取り上げられただけでした。

50歳を過ぎた今でも、教室の中で立ち尽くす自分と、あきれ顔の先生、憐れむような友達の視線という情景を、忘れることができません。それだけ辛かったというのはもちろんですが、数えきれないほど、繰り返されてきた場面だからでもあります。

学校は好きでした。友達もたくさんいた。それでも、読めない自分にとって学校は、「お前はダメなやつなんだ」と、毎日、打ちのめされる場所でもありました。

井上智、井上賞子
ブログ「成人ディスレクシア toraの独り言」
(ブログはこちら>>

 

──■ あとがき
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以前、連載していただいた金森先生等が中心になって行われている、マジカルトイボックス第44回イベントに出展します。セミナーや製作講座は有料ですが、展示会は無料でどなたでもご参加いただけます。7月15日(土)参宮橋の国立オリンピック記念青少年総合センターです。たくさんの機器や教材が体験できます。ご興味があれば、ぜひご参加ください。
マジカルトイボックス第44回イベント
(詳細はこちら>>

次回メルマガは7月7日(金)です。