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支援技術:ポイントはわかる・できる・楽しめる

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■ 連載:支援技術:ポイントはわかる・できる・楽しめる
■ 連載:発達支援の現場から:放課後等デイサービスの役割
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──■ 連載:障害の重い子どものコミュニケーションを支える支援技術
(最終回)ポイントはわかる・できる・楽しめる
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今回まで、障害の重い子どものコミュニケーションを支える支援技術についてご紹介してきました。これまで、紹介したもの以外にも様々な工夫があります。私が関わってきたマジカルトイボックスではそうした考え方を「アイデア&ヒント」という形で、トータル200個の事例で紹介してきました。

ただし、これらはあくまで「アイデア」であって、それを実際に活用する場合には、子どもたちのアセスメントが欠かせません。もちろん、そのままでうまくいく場合もあるでしょうが、うまくいかなくて当然ぐらいに思った方がいいです。それは、その時に決定するのが「子ども」だからです。私たちがよかれと思った事も、子どもにとっては「何これ」と感じるかもしれません。そういった感性を持つ事がとても重要です。

さて、前記の本のタイトルには「わかる」「できる」みんなで「楽しめる」という副題を付けています。どんなに障がいの重い子どもたちだったとしても、この3つはとても重要だと私たちマジカルトイボックスのメンバーは考えているからです。それぞれについて、少しだけ解説します。

障害の重い子どもに何か活動に参加してもらおうとすると、とかくすると「オマケ」で入れてもらうという事がないでしょうか?または、彼らは分からないから、何をしてもいいという事がおこらないでしょうか?しかし、ちょっとした工夫をするだけで、分かる場合があります。また、全部は分からないとしても、一部分でも分かるようにする事で、参加が可能となります。よくあるのは、言葉だけで説明する場面。学校では往々にして言葉だけで子どもに伝えようとするシーンを見かけます。その時に、ちょっとしたジェスチャーを付け加える、実物を見せる、絵や写真で提示する、手で触る、決まったにおいを使う、など様々な「別の形」にすれば分かりやすくなります。そういった工夫を考えてみてください。

2つめの「できる」は、もちろんスイッチなどを活用する事。鉛筆を持って書けなくても、スイッチをちょっと押して、スタンプが降りるようにしてあれば、紙に丸印を押せます。作業日誌などに記入するときも、先生が子どもの手を持ってコックリさんのように作業日誌を書くのでなく、自分で記入する事が出来るかもしれません。そういったアイデアを考えてみてください。

最後の「楽しめる」の重要性は、科学的にも証明されています。人間の海馬ではものを記憶するときに、楽しく感じながら、行うと物事をよく覚えているといわれています。そんな、記憶の場面でなかったとしても、本人が楽しくない、楽しめていないものは選択しません。自己選択、自己決定に「楽しさ」はとても重要な事です。じゃあ、つらい事はやらないのか、といわれるかもしれませんが、まずは楽しい活動から始めなければ頑張れません。障害のある子どもたちは、その状態ですでに頑張っているんです。あえて、それ以上のことを求めるのでなく、彼らがどうすれば楽しめるかをまず考えて、活動を作ってみてください。

さて、この連載もこれで終わりです。もしも続きが聞きたいときには、是非マジカルトイボックスにご参加ください。

マジカルトイボックス
(サイトはこちら>>

金森克浩(日本福祉大学)

 

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──■ 連載:発達支援の現場から
(最終回)放課後等デイサービスの役割
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今年4月、平成30年度の報酬改正に先立って、放課後等デイサービスの人員基準を中心にした法改正が行われました。支援の質を高めることが目的となっています。

人員基準や報酬単価等、見直しの議論はありますが、放課後等デイサービスの目的、役割は何だろう、最終的な事業の成果とは何だろう、そもそもの在り方について考えると、とても難しい事業だと改めて感じています。

連載最終となる今回、放課後等デイサービスの役割について考えます。

放課後等デイサービスガイドラインでは、以下のように事業の目的が記載されています。

○子どもの最善の利益の保証
放課後等デイサービスは、児童福祉法第6条の2の2第4項の規定に基づき、学校(幼稚園および大学を除く)に就学している障がい児に、授業の終了後または休業日に、生活能力の向上のために必要な訓練、社会との交流の促進その他の便宜を供与することとされている。
放課後等デイサービスは、支援を必用とする障がいのある子どもに対して、学校や家庭とは異なる時間、空間、人、体験等を通じて、個々の子どもの状況に応じた発達支援を行うことにより、子どもの最善の利益の保障と健全な育成を図るものである。

○共生社会の実現に向けた後方支援
放課後等デイサービスの提供に当たっては、子どもの地域社会への参加・包容(インクルージョン)を進めるため、他の子どもも含めた集団の中での育ちをできるだけ保障する視点が求められるものであり、放課後等デイサービス事業所においては、放課後児童クラブや児童館等の一般的な子育て支援施策を、専門的な知識・経験に基づきバックアップする「後方支援」としての位置づけも踏まえつつ、必要に応じて放課後児童クラブ等との連携を図りながら、適切な事業運営を行うことが求められる。さらに、一般的な子育て支援施策を利用している障がいのある子どもに対して、保育所等訪問支援を積極的に実施する等、地域の障がい児支援の専門機関としてふさわしい事業展開が期待されている。

○保護者支援
放課後等デイサービスは、保護者が障がいのある子どもを育てることを社会的に支援する側面もあるが、より具体的には、
(1) 子育ての悩み等に対する相談を行うこと
(2) 家庭内での養育等についてペアレント・トレーニング等活用しながら子どもの育ちを支える力をつけられるよう支援すること
(3) 保護者の時間を保障するために、ケアを一時的に代行する支援を行うこと

により、保護者の支援を図るものであり、これらの支援によって保護者が子どもに向き合うゆとりと自信を回復することも、子どもの発達に好ましい影響を及ぼすものと期待される。
※ガイドラインからの引用終わり

前述の3つのポイントが基本的役割となります。そして、活動内容は、(1)自立支援と日常生活の充実のための活動、(2)創作活動 (3)地域交流の機会の提供 (4)余暇の提供 を、子どもに合わせて複数組み合わせながら行うこと、と定められています。

ガイドラインに即した活動を行うことは、今後の放課後等デイサービス事業においては必須となりますが、そもそも、発達支援の必要な子どもに対して行う事業です。支援そのものに対する専門性がある前提で、ガイドラインは設定されているととらえる必要があります。そこで、放課後等デイサービスの専門性について考えてみたいと思います。

放課後等デイサービス(発達支援)の専門性

○発達ニーズの把握
・今、どの発達段階なのか、頑張っていること、もう少しでできそうなところはどこか
→子どもの発達に対する知識
→見立て、したての技術(引き出しを増やす)
→知識と経験の蓄積

○障がい特性の把握
・多様なアセスメントの組み合わせで、必要な情報を得られているか
・本人の障がい変容を求めていないか→特性を理解しているか
→障がい特性の知識
→機能的分析の知識
→見立て、したての技術(引き出しを増やす)
→知識と経験の蓄積

○将来の姿、未来の姿の見立て
・成長、発達していくイメージ、将来社会に出て活躍するイメージを持って働きかける
→関係機関との未来像の共有作業・有用な連携関係
→豊かな想像力

○生活年齢、その年齢で経験すべき多様な経験に繋がっているか
・支援計画、日々の活動が権利擁護の観点から本人の尊厳を損なっていないか
→常にチェック機能が働く職場作り
→虐待防止、権利擁護のための意識改革

○本人のニーズ、親のデマンドの整理
・子どもの成長を一緒に喜べる関係作り
→納得できる支援計画の作成(根拠の説明)
→できないことではなく、できたことへの注目
→リフレ—ミングの技術
→信頼関係の構築
→面談技術の習得

少なくとも、以上のような内容が職員に求められる専門性ではないかと整理してみました。子どもが好きだから、そうした想いだけでは、放課後等デイサービス事業はできません。生活支援センターわたぼうしの職員も、まだまだ知識、技術的に不足している部分が多く、一つ一つ力をつけていくための研修、実践を繰り返しています。

今回、メルマガに投稿させていただいている経緯は、「子ども脳機能バランサー」を支援ツールとして利用させていただいたご縁からです。認知特性を数字化して見ることができ、ご家族への評価説明に説得力が出る事、新人職員でもアセスメントが取れる事、何より子どもたちが楽しく取り組めることで、大きなメリットがあります。様々なアセスメントを組み合わせ、子どもの様子をより知っていくこと、そこが支援のスタートだと思います。

子どもは自ら経験したことを学び、力にしていく有能さを持っています。アセスメントで得た様々な情報から、多面的な活動を設定し、子どもたちが元々持っている有能さを発揮するためのフレーム作りが、放課後等デイサービスに求められます。より専門性を高め、放課後等デイサービスが必要な事業、大切な事業として育っていけるよう、学び、成長を大切にしていきます。

最後までお読みいただきありがとうございました。

特定非営利活動法人 生活支援センターわたぼうし
代表理事 大田 優子

 

──■ あとがき
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今回で2つの連載がともに終了です。研究者と実践家で立場が異なりましたが、未知の局面に果敢に挑戦されているパイオニアという点で共通しているように思いました。起業に取り組むものとして、とても勇気づけられました。

レデックス株式会社からのお知らせです。
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また、放課後等デイサービスや児童発達支援向けに、全国10か所で発達支援セミナーを実施します。講師は本メルマガ編集長の五藤です。こちらも無料ですのでご参加ください。
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次回メルマガは5月26日(金)です。どんな内容の連載が始まるのか、お楽しみに。