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認知テストの結果をどう役立てていけばいいか?

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■ 連載:自閉症児の四次元ワールドへようこそ「変化は進化」
■ 連載:認知テストの結果をどう役立てていけばいいか?
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──■ 連載:自閉症児の四次元ワールドへようこそ
(第3回)「変化は進化」
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こんにちは。堀野めぐみです。さて、皆さんの中で昨年ポケモンGOに、はまった人もいるのではないでしょうか?
うちの子どもたちは、ポケモンが大好き! 700種類ぐらいあるらしい? ポケモンの名前をほとんど知っています。その中でも、伝説とか、幻とかあるらしいですね。(笑)
もう社会人なので、昔ほど熱をあげてはいませんが・・・

長男は、ケーブルテレビのanimaxで、毎朝ポケモンを見てから、作業所に出掛けます。ポケモンは、何か試練を乗り越えると、進化するのですね〜。出来ないことがあっても、逃げ出さず、全力でチャレンジすることで、私たちも進化できるのではないかな?
ビジュアルが変わるわけではないけれど(笑) 羽根が生えちゃったりして(笑)

最近、1年があっという間に過ぎて、この前まで明けましておめでとうって言っていたのに、もう2月。そして、すぐに卒業式に新学期。そしてすぐにまた暑い夏がきて、行事に追われて、またすぐにメリークリスマス!って感じなのです。若い頃はもっと1年が長かったような気がするのですが。(笑)

何故かな〜?と思っていた時、テレビの司会者が、「若い頃は新しい挑戦が多かったから毎日が充実していて、1年が長く感じるのに対して、だんだんと年をとるたび、マンネリ化した毎日を送っていると、時間が過ぎるのが早い」という事を言っていたのを思い出しました。

私は、昨年から自身の体力向上とダイエット?を兼ねて、スポーツセンターに通い始めました。新しいクラスに入って、新しい先生やお友達と出会い、楽しいけども、ちょっとキツイ体幹トレーニングをしたり、ダンスをしたりして体を動かしています。

もともと、コーラスをやっているので、体幹は鍛えていたのですが、仕事柄、放課後等デイサービスや移動支援をする中で、学齢期の子どもたちと一緒に遊ぶために、もっと体力をつけなければいけないと思ったからです。

今、うちの放課後等デイサービスでは「フロアーホッケー」という新しいスポーツをやっています。フロアーホッケーを知ったのは、ちょうど1年前の事業所内研修の時でした。
アイスホッケーとどう違うのかな〜?ラクロスとどう違うのかな〜?

そして初めて手にした身長より少し短い物干し竿のような棒とフエルト生地のドーナッツ型のパット?(笑)
本当に健常者と障がい者が一緒に出来るスポーツなのだろうか?
始めは半信半疑でしたが、やってみるとこれがめちゃくちゃ楽しいのです。このドーナッツ型のパットの穴に物干し竿のような棒を刺して床の上を滑らせるように一緒に走り、相手のデイフェンスを抜きながら仲間とゴールを目指します。ゴールにはアイスホッケーのような甲冑を着たゴールキーパーが立ちはだかります。一人ではできない、チームワークが必要なスポーツなのです。
※フロアホッケーに取り組む様子 (画像はこちら>>

何度か障がいのある子どもたちと一緒にフロアーホッケーをやっているうちに、始めはワンマンでお友達にパスが出来なかった子が仲間を信じてパスが出来るようになったり、負けることを受け入れることが出来なかった子が負けて悔しいけれど、パニックにならなくなったりしました。子どもたちが進んで道具を運んだり、自分が試合に出ていなくても、お友達の事を応援したりする姿を見ると、年のせいか涙もろくなってしまう私です。

変化を望まない人は、進化しないと思うのです。
いつもと同じ時間の電車 に乗って、毎日同じ人としか話さない。
いつも同じメンバーでいつもの居酒屋 に行って、「いつもの! 」なんて注文する日々から、抜け出して少し違うことをしてみたら、違った世界が見えて、進化できるかもしれませんね。

堀野めぐみ

 

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──■ 連載:認知テストって何?
(第9回)認知テストの結果をどう役立てていけばいいか?
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こんにちは、学校心理士の青木瑛佳です。このシリーズではここまで、認知テストは何のためにするのか、認知テストで何が分かるか、認知テストの結果に発達障害の症状はどのように現れるかなど、認知テストに関して様々な側面から解説してきました。最後の2回は、認知テストの結果をどう役に立てるか、ということに関して書かせていただきたく思います。

認知テストをお子さんやご自身が受ける時は、何らかの目的があって受けると思います。その後、実際にテストを受け、紙面で結果をもらうわけですが、この結果、一体どう解釈し、どのように役に立てていけばいいのでしょうか?

(1)結果の報告書の読み方

まず、結果の報告書をもらった時に、どう読んでいけばいいかということですが、報告書は大抵の場合、数値での結果を表にしたものと、それを説明した文章が書かれていると思います。この二つを見比べながら読んでいくことをお勧めします。

認知テストの結果の中で最初に注目するべきなのは、全検査IQです。この値は、おおまかな知能を表しています。100が平均ということになっていますが、検査時の状況によっても結果は変化してしまうものなので、90〜110までの間に入っていれば、大体平均的であると考えればよいと思います。85以下の場合、学校の授業などについていくことが大変になることも多いのではないかと思います。

次に注目するべきなのが、分野ごとの指標得点(Standard Score)、課題別の得点(Scaled Score)の間に大きな差が見られないかということです。WISC-IV(日本でお子さんを対象として今最も使われている認知テストです)の場合、指標得点は100が平均、課題別得点は10が平均ですが、得点間に、指標得点の場合15点、課題得点の場合3点以上の開きがあった場合、差があると考えられます。

分野ごとの指標得点を見ることで、異なる分野の中でどれが強みで、どれがあまり得意でないところかを大まかにつかんでおきましょう。WISC-IVの場合は、言語理解、知覚推理(目で見る力)、作動記憶(短期記憶力)、処理速度の4分野です。お子さんやご自身の特徴をよりしっかりつかむために、課題別の得点で特に高いものや低いものがあった場合、それらに関して検査者に詳しい説明を求めることもお勧めします。

最後に、検査時の様子もしっかり読んでおくことをお勧めします。数値ではないので分かりにくいかもしれませんが、学校や職場での困難さがある場合は、結果の数値自身よりも、検査時の行動に反映されていることも意外と多かったりします。集中して取り組めていたか、難しい課題にぶつかった時にどう処理したかなどは、特に重要な情報なので、報告書に書かれていなかった時は、検査者に直接尋ねてみてもいいかもしれません。

さて、次は結果をどう役に立てていくか、ということに関してですが、ここでは、いくつかの例を実際に紹介しながら、説明していきたいと思います。

(例1)    役所で認知テストを勧められたAさん

6歳のAさんは、保育園で活動になかなか活動についていけない、ということをお母さんが市役所の心理相談員に相談したところ、一度面談した後、WISC-IVを受けることを勧められました。

WISC-IVを受けた結果から、全検査IQは98と平均的ではありましたが、「言語理解」分野に比べて、「知覚推理」分野の得点が低いことが分かりました。また、報告書に書かれている検査中の態度から、難しい問題になると、すぐやる気を失くしてしまう傾向があることもわかりました。

この検査結果はどういうことを指しているのでしょうか?まず、考えられることは、Aさんは言葉を聞いて理解することは得意であるが、目で見た情報を元に考えることは、あまり得意でないということです。ということは、保育園で今大変な思いをしているのは、主に折り紙やお絵かきなどの制作活動である可能性が高くなります。先生のお手本通りに作るのが難しいのかもしれません。

さて、このようなことが分かった時、一体どうすればよいでしょうか?まず、検査結果を保育園の先生に見せて、一緒に話し合うことをお勧めします。Aさんのような場合は、目で見ることより耳で聞くことが得意なことを伝え、制作活動の時に「指示を繰り返してもらう」「見せるだけでなく言葉で説明してもらう」などのことをお願いしてみるのもいいかもしれません。

お家での活動も工夫することが出来ます。Aさんの例では、パズルなどで遊んでいる時、どこの部分に注目すればよいかなどを教えてあげるといいかもしれません。そうすることで、目で見たものを分析する力を少しでも伸ばすことが出来ると思います。また、難しい問題でやる気を失くしやすいので、「挑戦すること」をより頻繁に褒めてあげることも大切かと思います。

また、小学校への入学前に、就学前相談の機会などを利用して、学校の先生と話し合っておくことも大切です。特別支援学級での指導の必要はないお子さんでも、あらかじめ話をしておくことで、担任の先生に、より学習がはかどる工夫をしてもらえる可能性が高くなります。Aさんの場合では、漢字の書き取り、図工の際などに、優先的に例を見せてもらえるかもしれません。

次は小学生の例です。

(例2)    小学校で認知テストを勧められたB君

小学校5年生のB君は、授業に集中せず、先生や友達にひどくちょっかいを出してしまうため、特別支援学級での通級指導を勧められました。特別支援学級の先生がWISC-IVを実施してみた結果、全検査IQが87であり、「言語理解」が「知覚推理」に比べて低く、また、「作動記憶」の得点も低め(約70−75程度)であることが分かりました。「作業速度」の得点は平均ぐらいでしたが、ミスの数が多いことが分かりました。

さて、これらの情報から何が言えるでしょうか?まず、B君が授業に集中できないのは、実は先生の指示や説明が分かっていない可能性があります。「言語理解」と「作動記憶」が特に低いことから、説明が長いと頭に入りにくいため、授業にそもそもついていけていない可能性があります。また、ミスの数が多いことから、衝動的なところも強いのかな、と考えられます。

そうなると、B君にとって、授業中はつまらない時間であり、周りの気になる友人や先生にちょっかいを出すことで、少しでも楽しい時間にしようとしているというように状況が理解できます。

これらのことから、これからのB君に対する支援方法を計画していくことが出来ます。まず、授業中には、視覚情報を積極的に利用していくことが大切かと思います。小学校5年生にもなると、教科書の文字の割合も増えてくるため、言葉が苦手である場合、内容をイメージしにくくなるかと思います。そのため、絵や図を積極的に取り入れた授業が出来ればと思います。例えば、社会の場合、歴史マンガなどを用いてみるのも一つの案です。

また、ミスの多さに関する対策として、少人数での通級指導、家庭での学習などを通して、「確認する」習慣をつけていくことも重要かと思います。ただ「確認する」だけでは、面白くないかと思いますので、ゲーム形式にするなどの工夫も同時に必要かと思います。
B君の場合も、検査の結果、全体的に知的発達がゆっくりであることが分かり、既に授業についていけなくなってきていることから、中学校に行く前に、転学相談など、行政のサービスを受けておいてもいいかもしれません。通常学級と特別支援学級のどちらが良いかは、地域ごとの事情があるので、しっかりと相談をしておくと、その後のB君の学業・生活がよりスムーズになるかと思います。

以上、認知テストの結果の利用方法例をご紹介させていただきました。これらの他にも、認知テストは教育・医療・就業支援の場で様々な利用方法があるかと思います。例えば、精神科での治療方針を選択する際ですが、認知テストで言語理解が極端に低いと分かった場合、ことばでのやり取りが多い「認知行動療法」よりも、より行動を中心とした「行動療法」を選択する、といった結果の利用などがあります。

次回は、就業支援などで認知テストの結果をどういかすか、ということについて書かせていただこうと思います。お読みいただき、有難うございました。

青木 瑛佳 (学校心理学 Ph.D.)

 

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──■ あとがき
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今、広島県の呉に来ています。来週2月13日からは沖縄県の那覇です。どちらも放課後等デイサービスの施設向けセミナーです。おかげさまで当社の新製品「ほうかごアシスタント」はご好評をいただいています。

次回刊行日は、2月24日(金)の予定です。認知テストシリーズは、いよいよ最終回を迎えます。