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「吃音」のこと、もっと知ってください!

TOPIC──────────────────────────────
■ まえがき
■ 新連載:「吃音」のこと、もっと知ってください! そして、
もっと一緒に話してください!
■ 連載: 全力投球の完全燃焼が可能な場
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──■ まえがき
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場面緘黙に続いて、今号から吃音の紹介です。連載内容をお読みいただければお分かりになるように、場面緘黙と吃音は似ているところがあります。
また、実際の症状に気がとられがちになりますが、その症状が出ている状況に注意して、その状況や場面で適切な対応をとることで、症状軽減の可能性がある点も似ているのかなと思います。

今回から連載いただく佐藤雅次先生とは、ズバッと解決ライブ2010 in 群馬ではじめてお目にかかり、それ以来親しくしていただいています。勤務先の通級指導教室での活動に加え、吃音キャンプなど、支援に必要な子どもたちのために精力的に活動をされています。

◯ズバッと解決ライブ2010 in 群馬 (詳細はこちら>>
◯吃音キャンプ in GUNMA facebookページ (詳細はこちら>>

参考までに、佐藤先生のご略歴と著作を紹介しておきます。

群馬県特別支援学校の高等部、中学部の重複障害学級、小学校の通級指導教室などで、特別支援教育を担当。
国立特殊教育(現:特別支援教育)総合研究所の長期研修員。
臨床発達心理士、特別支援教育士。

◯主な著作や論文
・明治図書 THE教師力シリーズ 「THE 特別支援教育〜特別支援学校・特別支援学級等編〜」2016年7月
・全国公立学校難聴・言語障害教育研究協議会『きこえとことばの研修テキスト』第10章 話しことばのリズムに障がいがある子どもの指導
・特別支援教育の実践情報 2008年7月号「子ども生き生き・学習活動【国語】クイズでコミュニケーション力を〜「スリーヒントクイズ」で会話のルールを学ぼう
・「ことばの教室」担当者の言動と保護者の受けとめ : 担当者と保護者のおもいの比較(2003年)小林倫代・久保山茂樹と共著

(五藤)

 

──■ 新連載:「吃音」のこと、もっと知ってください! そして、
もっと一緒に話してください!
(第1回)「吃音」ってどんなものですか?<その1>
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皆さんは「吃音のある人」と聞くと、どんな印象を持たれますか?

・話がうまくできない人?
・どもってしまう人?
・自信がなさそうな人?
・話すのが大変そうな人? などなど・・・

これらのように、どうも「吃音のある人」に対してはマイナスのイメージを持たれることが多いようです。この背景には、これまで日本のドラマや映画の中で、主人公がそうであったり、過去に、吃音があった人が自殺したニュースがあったりした等で、更にそのようなイメージが助長されてきたのかもしれません。

しかし、これらは二次的なものであり、本来は話し言葉のリズムがスムーズでないということから始まります。また、これだけ読んでみると、「じゃあ、リズムを整えればうまく言えるんじゃない。」とお思いになるかもしれません。しかし、そう簡単ではないからこそ、太古の昔から現代に至るまで、これまで吃音のある人たちが悩み続けているのです。

そこで今回、このメルマガを通して、このようなイメージのある「吃音」について、「吃音って実はそうなんだ」ということをQ&A方式でお伝えしたいと思います。さらに「吃音の子どもや大人の方に対して、どのように接していけばいいのか」を知っていただくために、「吃音の最近の動向」など、正しい知識をお伝えし、吃音のある子ども達を支えたり、大人の人たちとも支え合える存在になっていただきたいと願っています。

では、早速「吃音」のことについてお伝えしましょう。
・・・とその前に、

<吃音についての情報には誤りが多い!>
「吃音」や「どもり」とインターネットで検索してみると、「吃音は治せる」や「どもりの治し方」、「どもり矯正治療」など、吃音のある人にとってはとても魅力的な言葉に溢れています。しかし、ご承知のようにインターネットは、正しい情報ばかりとは限りません。むしろ、吃音に関しては正しいとはいえない情報の方が多いかもしれません。吃音をよく知ることで、「吃音って治せるんじゃないの?」であったり、「インターネットで治せるっていうのがあったよ!」「こんなのもいいんじゃない?」などと紹介することはいかに安易で短絡的であることが分かります!

Q1.吃音とは何ですか?

ICF(国際生活機能分類)では、[心身機能−3]音声と発話の機能[b330]音声言語(発話)の流暢性とリズムの障害の項目があり、「発話の流暢性、リズム、速度と旋律に関する機能」の機能障害の例として、「吃音」が書かれています。つまり「吃音」は、話しことばのリズムの障がいと位置づけられることになります。

しかし、単にことばの話しにくさを持つというだけではなく、幼児期や学童期は嘲笑やいじめの対象となったり、音読の授業で上手く喋れず、心に深い傷を負ってしまったりすることがあります。そして、話すことやコミュニケーションの場面を避けるようになったり、自己肯定感が下がることで、生活全体に支障を来すこともあります。その結果、数は多くないですが、進学や就職ができなかったり、更には吃音に絶望し自殺する者もいます。自殺しないまでも上手く話せないことに起因するうつ病、対人恐怖症、社会恐怖、引きこもりなどの二次障害が出ることもあります。そのため、吃音様言語障害症候群(内須川洸「医学事典」講談社)と呼ばれることもあるのです。

【吃音は氷山にたとえられる】
吃音の状態は「話しことば」だけを指していうことがありますが、吃音のある子供達や大人の方と接してくると、その背景にあるものが徐々にみえてきます。自らも吃音があり、吃音研究と臨床に多大な功績を残したジョセフ・G・シーアンは吃音を氷山にたとえました。つまり、水面上に出ている部分は、吃音の問題の一部分にしか過ぎず、沈んで見えない部分にこそ本当の大きな問題があるとしています。(Sheehan,j.1997)

Q2.吃音の種類や分類はどのようなものがありますか?

【氷山の表に出ている部分】
吃音の「話しことば」の面には、大きく分けると以下の三つの型があり、これらが吃音の核となる状態であると考えられています。(VanRiper,1971、Conture,1990)

・連発(連声型、連続型)
語音を繰り返す(「ぼ、ぼ、ぼく」)
・伸発
引き伸ばす(「ぼーーーく」)
・難発(ブロック、無声型、無声型)
つまって出てこない(「……ぼく」)

また、それぞれの型が組み合わさるような状態を示す場合もあります。さらに『随伴運動』といって、発語するために努力する際に、下のような身体の動きを伴う(随伴する)ことがあります。どもってことばが出ない時に、なんとか出そうと試み、そのとき成功した動作がその後、日常化して、定着してしまった動きと考えられています。

(1)(構音・呼吸器系の随伴緊張・運動)
喘ぐ、舌を出す、舌打ち、口をねじる、開口、口唇・顎の開閉
(2)(顔面に表れるもの)
目ばたき、目を閉じる、目を見開く、顎をしゃくり上げる、鼻孔をふくらませる、渋面
(3)(首・頭の運動)
首を前後方向・側面などへ動かす
(4)(体幹の運動)
前屈、のけぞり、腰を浮かす、四肢を硬直させる
(5)(四肢の運動)
手足を振る、手で顔や身体をたたく、足で床をける、こぶしを握る、硬直させる

Q3.吃音の「話しことば」以外の部分にはどんなものがありますか?

これまでお話ししてきたように、吃音は表面上の「話しことば」の状態(いわゆる「どもる」こと)だけではありません。言語面の改善だけに焦点をあてるのではなく、聞き手を含めたコミュニケーション全体を考慮する必要があります。このことは、前述のシーアンの<吃音の氷山>に例えると、次のような部分になります。

【氷山の隠れている部分】
「話しことば」以外の状態にはどんなものがあるか? 一人ひとり異なるので、その方と話したり、その方自身と接したりすることで、関わる人自身が「こうしているのでは」と推し量ったり、「どういう感じなの?」と聞いてあげることも大切です。主たるものとしては、次のものが考えられます。

<感情面>
・予期不安:どもったことで、またどもるのではないかと恐怖を感じる。
・吃音不安:どもったことで、相手にどう思われるか恐怖を感じる。
<行動面>
・吃音回避:どもる言葉を避けようとする。
・転換反応:どもる言葉を他の言葉に換える。
・吸息反射:緊張し吸息したままの状態になる。
・呼吸の乱れ
・早口
・全身(口唇、舌、声帯、直腸筋、腹筋、横隔膜筋、胸筋、肛門など)や一部の筋肉の過緊張)
・吃音に意識が集中し、話がまとまらない
・吃音を気にし、話すことや人付き合いを避けるようになる
<思考面>
・自己否定:どもる自分を否定する。
・自己嫌悪:どもる自分が嫌だ。
・劣等感・劣等コンプレックス     など

上の中でも特によくみられる特徴として『吃音の予期不安』があります。具体的には、次に吃音が起きそうな特定の単語や音を予期したり、話すことそのものへの不安を感じたりして、「どもるんじゃないか」と思ってしまうことです。これが、吃音のある人にとって、最大の恐怖なのです。

次回第2回は、「吃音」ってどんなものですか?<その2> として、「吃音の波」「吃音の原因」「出現率」「発吃」「男の人の方がなりやすい?」「現れやすい場面と現れにくい場面」「吃音は治るのですか?」をお伝えしたいと思います。

群馬県渋川市立古巻小学校通級指導教室
教諭 佐藤雅次(まさつぐ)
<臨床発達心理士・特別支援教育士>

 

──■ 連載:イイトコサガシから始まるコミュニケーション
第4回 「全力投球の完全燃焼が可能な場」
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生き辛さを抱えている人たちでもったいないな、と思うことの一つに「いつもどこか、自分をセーブしている」という特徴があります。
言い換えるならば、漫画のタイトルではありませんが、「俺はまだ本気を出していないだけ」というようなオーラが醸し出されていることが多いと、私には思えます。もっとも、これは過去の私自身がそんな感じだったので、勝手に当てはめてしまっているだけかもしれません。
でも、正直歯がゆいです。

なぜ、自分らしさをもっと一生懸命さらけ出して模索しないんだろう?
せっかくの試した時点で大成功!なのに、皆は何を躊躇しているのだろう?
みんな、60%くらいを限界に設定しちゃっているから、もったいないよ!

私が最初に思ったのは
「全力でやってみて、上手くいかなかったら? 他の人より劣っていたら?失敗してしまったらどうしよう? と他者評価を気にしすぎているのだな」
ということでした。
恐らく、大きな割合を占める理由だと思います。

しかし、それだけが原因ではないな、と最近の私は感じています。
「本気になったことが少ないし、そもそも本気という感覚を味わったことがほとんどないのでは?」 本気とは、本当の気持ちのことです。では気持ちとは? 「気」を感情と私は解釈しています。
(そして感情は生命力の重要な要素の一つと、私は解釈しています)

・気(感情)を持って行きたい方向、方法、イメージが、ある程度定まっている状態を気持ち。
上記を気持ちの定義とするならば、生き辛さを抱えている人たちとは、
「感情を気持ちに変換し、気持ちを育てていく過程になんらかの難しさがあった人たち」
ではないか、と。
本気の前段階で、気持ちが上手く醸成できていないということです。

ちなみに本気とは
・気(感情)を持って行きたい方向、方法、イメージが、かなり定まっており、尚且つ覚悟が決まっている状態。 と私は考えています。
当たり前ですけど、一足飛びにいきなり本気にはなれないわけです。

では、どうするか?
イイトコサガシ・ワークショップでは、
・大好き
・楽しい
・ありがとう
という三つの感情を、意識的に味わってもらっています。
それこそ、全力投球の完全燃焼で、意識的に上記三つの感情を育てていく、増やしていく、創っていくことを目標にしています。とにかく、感情の分母が安定した形で豊かに成長していかないと、いざという時に本気になれない、ということです。
※ 更には、悲しみや怒り、憤り、淋しさなどの感情を相殺できません。

そして本気というのは、決意すれば機能するものではなく、本気で試行錯誤した経験値の分、磨かれていくというのが私の見解です。
全力投球の完全燃焼とは、自分の持っているものを全て出し尽くすこと。
自分のやれることは全部やってみること。
プライドを気にするより、失敗を恐れるより、他者と比較するより、本気の自分を味わい尽くすことの方が大切なのです。

全力投球の完全燃焼という経験値が積み重なると、不思議なことに自己否定感が少なくなります。 なぜでしょう?
後悔が少なくなるからです。自分で自分を責めなくなるからです。
だって、これ以上どうしろ?って話じゃないですか。
全力投球の完全燃焼の経験値が増えれば、増えるほど自己肯定しやすくなるのです。

しかし、残念なことに社会の中では、なかなか全力投球の完全燃焼しにくいのが現状です。色々なしがらみ、利害関係、他者評価が複雑に絡む中では難しいだろう、と私も思います。イイトコサガシは上記の要素を極力排除して、相互成長に特化した環境を目指しています。

イイトコサガシは、試した時点で大成功!ですよ。
イイトコサガシは、批判・助言は一切なしで、良かったところを探して応援しますよ。
イイトコサガシは、自分らしさを色々な形で試行錯誤できますよ。
だからこそ、イイトコサガシで全力投球の完全燃焼経験値を積み重ねてみませんか?

冠地情(かんちじょう:本名)イイトコサガシ代表

 

──■ あとがき
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すっかり春めいてきました。わが街、恩田川の桜まつりが楽しみです。
次回のメルマガは、4月8日(金)です。