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ペアレント・トレーニング最終回:安心を学校へつなぐ

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■ 連載:安心を学校へつなぐ
■ 連載:場面緘黙児の不安を減らす
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──■ 連載:ペアレント・トレーニングの活かし方
(最終回)安心を学校へつなぐ
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子どもの行動に対しての関わり方を、主にペアレント・トレーニングを中心に進めてきました。曖昧な言葉や表現、態度では子どもに伝わらないといったことからまずは、子どもの行動のどういったことが好ましいのかを具体的に認識することから始めました。そして、好ましい行動を「ほめる」という表現で、子ども自身が受け入れられた喜び、嬉しさの経験を積むことで、好ましい行動が繰り返されるようになることを確認しました。これが基本です。
これはコーチングを子育てに活かす時にも同じです。コーチングでは、「承認」「傾聴」することから始めていきますが、「承認」「傾聴」どちらも相手に認めてもらえている、受け入れてもらえている、と感じさせることが重要になってくるのです。しつこいようですが、これが一番大切なことですので、「ほめる=承認すること」を図にまとめておきます。

※ほめどころの整理(図はこちら>>

この図で示すように、今までのスキルは全て、子どもがほめられる場面を作るためのものなのです。家庭において、親が子どもの最良の理解者であり、我が子の特性に合わせた関わりをすることで、親子お互いの心に安定のある生活につなげることができるのです。そして、次に考えなくてはならないことは、学校においても同様の環境を作ることです。

子どもたちの一日の生活の中では、学校にいる時間がはるかに長いのです。ですから、ペアレント・トレーニングやコーチングで行ってきたことが、学校で活かされるようになることが理想です。それにはまず「安心」が学校、教室にあることが大切になります。

子ども一人ひとりは皆違うのですが、どうしても学校では、みんなが同じようにできることを強いてしまいがちです。そのため、同じようにできなくて苦しんでしまう子どもが少なくありません。だからこそ、これまでの過程の中で、子どもの行動に着目してきたのです。子どもの行動を理解し、どのように対応を変えることで行動が変わり得るのか。これまでの関わりから見えてきた我が子の特性を、学校に具体的に伝えることで理解してもらい、学校においても、子どもを十分に理解してもらうことで、教室に「安心」が生まれていきます。

◯具体的に伝える
学校に伝える際には、具体的に伝えます。具体的とは、行動が見えるように伝えることです。例えば、「一度にたくさんのことはわかりません」では、出来ないということだけが伝わり、どのようにしたらよいのは伝わりません。「指示は、一文にひとつの指示で伝えるとできます。」といったように、どのようにしたらどうなるのかを伝えるようにします。

また、目的や目標も明確になるよう、具体的な表現にします。書字の苦手がある場合の一例を挙げます。宿題や授業課題が計算の手順を覚えるためのものであれば、問題文や計算問題は始めから書いておき、計算手順だけを繰り返し学習できるようにします。また、その際に九九が定着していない場合には、九九表を横に置くようにすることで手順を覚えられるようにします。

◯学校と連携
前述のようなやり取りを、皆さんは学校とどのようにしていますか? 電話、手紙、面談、方法はさまざまあります。「連携」とは、家庭と学校が目的、目標を明らかにし、それに向かってそれぞれの立場でサポートしていくことです。そのために互いがどのようなサポートをしているのか、どんなサポートが必要なのかを共通理解しておくことが大切です。学校側がその場限りの保護者対応にならないようにするためにも、こちらから連携をとっていきたいという姿勢を示して、コミュニケーションをとっていきましょう。

ペアレント・トレーニングもコーチングも、関わりを続けていくことが大事です。一人だけではなかなか続けられないものですね。近くでペアレント・トレーニングが開催されているようでしたら、知り合いの方とグループで参加されるとよいですね。筆者の所属する視覚発達支援センターは毎年ペアレント・トレーニングを開催してきました。今年は、親向けセミナーを開催することにいたしました。ご一緒に子育てをしていきませんか?

なお、セミナーは好評につき、3月開催までのクラスは定員となり締め切らせていただいております。4月以降のクラスにご興味のある方は、お早めに視覚発達支援センター 学習支援室グッドイナフへご連絡ください。

※視覚発達支援センター 学習支援室グッドイナフ
(ホームページはこちら>>

柳下記子
視覚発達支援センター 学習支援室室長

 

──■ 新連載:場面緘黙(ばめんかんもく)の子どもへの理解と対応
(第2回)場面緘黙児の不安を減らす
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前回の記事で「緘黙児にとって、学校で話すことは大舞台で独唱するのと同じくらいの恐怖」と書きました。でも、緘黙児は通常それほど緊張しているように見えないことも多いのです。これは、沈黙することで「人前で話す」恐怖を回避し、不安が少し下がった状態にいるためです。ステージの袖に隠れて、歌うことを免れた状態と例えればいいでしょうか。

同じ「話さない」状態でも、周囲が慣れてきて「どうせ話さないから」と見過ごす場合と、何とかしゃべらせようと促す・強要する場合とでは、子どもの不安度は全く異なります。後者は恐怖に直面するため、強い恐怖感に襲われて実際に喉が閉まったように感じ、動けなくなることもあるようです。

ただし、緘黙児は感情を出すことをひどく恐れるため、パニック状態になっていても傍からはわかりにくいかもしれません。例えば、「高所恐怖症」や「ヘビ恐怖症」などだったら、高い所やヘビの出そうな場所を回避すればすみます。でも、子どもは学校に通わない訳にはいきません。毎日、恐怖症が起こる場所・環境に身を置かなければならない子どもは「黙っていること」によって恐怖に対処することに慣れていきます。そうすると、緘黙が強化され固定化してしまうのです。

周囲に「話さない子」としてのキャラクターが定着すると、今度は「話したら変に思われる」と周囲の反応が気になるように・・・。そのため、話しだすのに何倍もの勇気と努力が必要になるのです。緘黙が固定化する前に、早期発見・支援をすることが重要です。

◯学校での不安を減らす
子どもの場面緘黙が疑われる時、まず最初にすべきなのは、不安をできるだけ軽減すること。「話せないこと」は、不安の症状のほんの一部でしかありません。観察してみると、学校内でも「人」「場所」「活動」「環境」などによって、子どもの状態が異なります。同じ緘黙児でもそれぞれ不安の対象・程度が違うので、ひとりひとりの状態をしっかり把握する必要があります。

※子どもの状態をチェックするツール
かんもくネットの資料(詳細はこちら>>

『安心度チェック表』 (詳細はこちら>>
『発話状態チェック表』(詳細はこちら>>

緘黙支援の出発点は、子どもが安心して学校生活を送れるようにすること。
ステージの上で独唱させる前に、まず観客席に座ってみんなと一緒に舞台を楽しめる状態にしましょう。「話すこと」へのプレッシャーをできるだけ取り除き、非言語的なコミュニケーションを認め、促してあげてください。担任の先生が温かく見守る姿勢を見せれば、クラスの雰囲気や子どもたちの態度も変わっていきます。

なお、下記の項目に問題があるようであれば、早期の対策が必要です。
・トイレに行けるか
・給食が食べられるか
・着替えができるか
・活動や教室移動がスムーズにできるか
・休み時間や自由な時間に孤立していないか

緘黙児は自分から動くことが難しいため、中には一日中トイレを我慢していたり、周囲の視線が気になって給食が食べれられない子もいます。頻繁に声をかける、合図やカード提示など子どもがやりやすい意思表示の方法を考える、仲の良い子と隣の席・同じグループにする、活動の手助けをするなど、それぞれの子どもにあった対策を立ててください。ただし、注目されることを恐れるため、目立たないように上手く支援しましょう。不登校やいじめにも注意が必要です。

◯保護者との連携・家庭での対応
緘黙児は家庭では普通に話す上、学校で話せないことを黙っていることが多いため、保護者が気づくのが遅れる傾向にあります。担任が気づいた時点で子どもを観察し、できるだけ早い段階で保護者に知らせることが望まれます。学校と保護者が連携することで、子どもの全体像が見えてきます。学校だけでなく、家庭や学校外での状態も把握できれば、その子に合った対策や支援方法を考えやすくなります。

教育者も保護者も、子どもが緘黙ではないかと疑われる時は、場面緘黙について知ってください。10年前はほとんど情報がありませんでしたが、今ではかんもくネットなどの支援グループや個人がインターネット上で多くの情報を発信しています。また、場面緘黙に関する書籍や映像も増えつつあります。

※参考資料:
『場面緘黙Q&A』 学苑社(詳細はこちら>>
『場面緘黙へのアプローチ−家庭と学校での取り組み(DVD付)』 田研出版(詳細はこちら>>

場面緘黙は学校や塾・習い事教室などで起こることが多く、中には家でしか話せない子もいます。家庭が安心してのびのび過ごせる場所であることは、とても重要です。子どもが学校で話さないことを叱ったり、話すことを強要することはご法度。好きなこと・得意なことを後押しし、子どもの個性や持ち味を伸ばすようにしましょう。

学校で不安な時間を過ごしている分、家では反抗的になったり、かんしゃくをおこしたりする子もいるかもしれません。兄弟姉妹に欲求不満をぶつける子もいるかもしれません。短くてもいいので、保護者は毎日子どもとの時間を取ってください。また、家族の会話や団欒の時間を増やし、話せる人を招いたり、家族で外出するなど、子どもが社会的な体験を積む機会を増やすよう心がけましょう。

学校や園で話さないことについて、子どもはあまり触れたがりません。でも、たとえ園児であっても、話さない自分はみんなと違っているという自覚があり、漠然とした不安を抱えています。保護者はタイミングを見計らって、世界中に同じような子どもがいること、スモールステップで克服できることを伝えてあげてください。その際、本や映像を使ってもいいでしょう。年齢が上の子には、この話題を避ける子もいます。気持ちが向いた時、子ども自身がアクセスできるよう情報源を身近においておくのも一考です。親が自分の状態と気持ちを理解し、味方であることが解れば、子どもは安心し、困難に立ち向かう心構えができます。

※参考資料:
映像『場面緘黙に苦しむ君へ』YouTube
(動画はこちら>>

資料『子どもと共に「話すことへの不安」に取りくむ』Knet資料10
かんもくネット
(詳細はこちら>>

書籍『なっちゃんの声−学校で話せない子どもたちの理解のために』学苑社
(詳細はこちら>>

書籍『どうして声が出ないの?−マンガでわかる場面緘黙−』学苑社
(詳細はこちら>>

場面緘黙の取り組みは、たいてい長期戦になります。子どもがスモールステップで不安を克服するにあたり、親の役割は子どもを見守り声援を送る応援団のようなもの。子ども自身の気持ちや心の状態によりそって、少しずつ進むことになります。時には、後戻りすることもあるかもしれません。それ故、支援する保護者の心の安定がとても大切です。

次回は、かんもくネット事務局のはやしさんにバトンタッチして、「日本の現状」についてお伝えします。

場面緘黙支援団体 かんもくネット事務局
みく(ロンドン在住)

 

──■ あとがき
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2015年下半期で、最も人気のあったダウンロードソフトを一般からの投票で決める第25回Vectorプロレジ大賞のパーソナル部門で、こども脳機能バランサープラスが4製品だけのノミネートソフトのひとつに選ばれました。
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