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子どものやる気を引き出す指示の出し方

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■ 連載:子どものやる気を引き出す指示の出し方
■ 特集:子どもの困りに関するイベントの紹介・その3
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■ 連載:ペアレント・トレーニングの活かし方
(第4回)子どものやる気を引き出す指示の出し方
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「宿題はやったの?」「もうテレビの時間はおしまい」という言葉から「何度言ったらわかるの!」「テレビは消しなさい!」まで、誰でも一度は聞いたことがあるのではないでしょうか。どれも、何かしてほしい行動を指示する時に使っている言葉ですね。

指示だけでしてほしい行動をしてくれたらどんなにいいか、と思ったことはありませんか。ペアレント・トレーニングの次のステップは「効果的な指示の出し方」、子どものやる気を引き出す指示の出し方です。指示の出し方を今までとは少し変えてみて、お子さんがどんな様子になるのか確認しながらポイントをつかんでいきましょう。

【指示を出す時の基本】
(1) 注目をさせる
子どもがこちらの話を聞いていることを確認します。見えないところや遠くからの指示では、どんな指示を出しているのかわかりません。子どもが何か別のことを行っている時には肩をたたいて気が付かせたり、注意をこちらに向けさせたりしてから指示を出します。

(2) 具体的で、短い言葉を使う
一度に沢山の情報では、何をしたらいいのか伝わりません。長々と小言を言った後に指示を出したり「テレビを消してちゃんと勉強しなさい」など、一度に幾つもの指示を出したりすると、子どもは、何からすればいいのかわからなくなります。「宿題をやりなさい」「お風呂に入りなさい」「おもちゃを片付けなさい」など、短い言葉で具体的に指示を出します。

また、「いつまで観ているの!」と言った時に、テレビを消しなさいという意図に気がつかず子どもは「最終回まで」などと返事をすることがあります。これをふざけていると思われて、叱られてしまうことがあります。

(3) あいまいな言い方ではなく、きっぱりと言い切る
子どもに対し、「片づけてくれる?」といったお願いする言い方や、ご機嫌をうかがうような態度は、指示ではありません。こういった言葉かけの場合には、お願いされた、もしくは都合を聞かれていると理解し「あとで」とか「いやだ」と返事をしてしまい、叱られてしまうことになります。本人は、聞かれたことに正直に答えているだけなのですが・・・。

指示は、はっきりと「○○しなさい」と出します。しかし、命令ではなく、今これをして欲しいと思っていることを伝えるための指示を出している、ということを忘れないようにしましょう。

(4) 予告する
指示を出してもすぐにできるとは限りませんね。特に、先に見通しをつけられない子どもには、予告がとても有効です。指示をする前に「あと5分したら○○ね」と時間を決めたり、「あと3回で終わり」というように回数を言うと、子どもにどこで終わりかが明確に伝わります。

(5) ブロークン レコード(繰り返し伝える)
予告をしても、指示を出しても、行動に移ろうとしない場合には、繰り返し同じ言葉で指示を出します。繰り返し指示しても従わない時には、一旦、その場から離れ、気持ちを再度落ち着かせてから指示を出してみます。
気持ちを落ち着かせるためのコツとしてCCQを忘れないようにしましょう。
C:Calm あなた自身が穏やかに
C: Close 子どもにもう少し近づいて
Q:Quiet 声のトーンを控えて

(6)ほめどころを見逃さない
指示したことを子どもが行った時には、すぐにほめましょう。これまでにも子どもの行動を認めたり、発言をほめたりしてきておられると思います。指示通りの行動も好ましい行動ですから、シッカリほめましょう。ここでも、最後まで行動が済んでいなくても、行動しようとしたことを認め、ほめるようにします。

(7)選択させる
指示をしても反発ばかりでなかなか聞き入れない子どももいます。そんな時には選択肢を出して、子どもに選ばせます。「宿題は、一人でやる?それともお母さんとやる?」子どもが選べない時には、お母さんが選ぶ?自分で選ぶ?と聞いてみましょう。

【相談事例】
ある幼児のお母様から「朝の登園時には先生に『おはよう』の挨拶をさせています。ちゃんと挨拶ができた時は、当たり前と思わず『よくできたね』とほめています。でも、その様子を見た先生から挨拶の仕方がおかしい、子どもの顔がひきつっています。と言われました。ほめ方がわるいのでしょうか」と相談を受けました。園の先生から、子どもがお母様の目を気にしていると言われたようです。

親から「挨拶をしなさい」と言われ、子どもはその指示通り挨拶をしました。お母様は、その行動に対して「よくできたね」とほめています。好ましい行動に対してほめているので、一見、好ましい行動が増える関わりとも思えるのですが、この場合、子どもが挨拶をすることに喜びを感じてはおらず、母親の言う通りにすることでいい子になっている状況です。これまでお話ししてきた「ほめる」は、『子どもがほめてもらえることに喜びを感じ、好ましい行動が自分のメリットになっている』ことが前提です。

つまり「ほめられることが嬉しい」という気持ちが生まれていないことと、ここでは挨拶をするという行為の前に「挨拶をするって気持ちがいい」「挨拶って楽しい」という経験がないので、挨拶そのものに価値も意味もないのです。ですから子どもは、こうすれば叱られない、お母さんが喜ぶから言われた指示に従って挨拶し、これでいいか確認をしていたのでしょう。子どもに身につけさせたい生活習慣はたくさんありますが、一つ一つキチンと礼儀正しくというよりは、『その行動をすることの楽しさや意味を経験させ、子どもがやりたくなる気持ちを持たせる』ことが大切なのです。

「挨拶をすると仲良くなれた気がする」「おはようって言うと、元気が出るね」そんな言葉を子どもと交わしながら一緒に挨拶してみたり、ママより早くおはようをいえるかな?と遊びにして、よ〜いどんで登園してみたりと、子どもが自分から挨拶したくなるには、どんな方法や声掛けがいいのか、子どもに合うものを見つけることが「ほめどころ」を増やし、好ましい行動を増やすことにつながっていくのです。

幼児の場合、こうした「ほめどころ」は、『どうしたら子どもが楽しくなる』を考えたり、遊びやゲームの要素を入れたりすることで、一人ひとりの子どもに合わせた関わりを見つけることができます。

柳下記子
視覚発達支援センター 学習支援室室長

 

■ 特集:子どもの困りに関するイベントの紹介・その3
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◯日本発達障害学会 第51回研究大会
今年は第50回研究大会が東京学芸大学で7月に開かれました。50周年創立記念シンポジウム『発達障害児者支援に関する研究と施策のこれから』として、日本特殊教育学会、日本LD学会、小児精神神経学会、日本重症心身障害学会からの登壇者が、関連する学会が今後連携して研究活動を進める可能性などについて議論しました。他にシンポジウムやポスター発表など、研究者相互の研鑽のための企画が多数ありましたが、特筆すべき、無料一般公開の「子育て支援セミナー」の演題と講演者を紹介しておきます。

『Dr. 原の医療講座—知的障害のある子ども』
講師 原 仁((福)青い鳥 小児療育相談センター)
『自閉症スペクトラムのある子どもの子育て講座』
講師 平澤紀子(岐阜大学)
『ダウン症のある子どもの子育て支援講座』
講師 菅野 敦(東京学芸大学)

来年は京都教育大学主催で、2016年8月27日(土)28日(日)に京都市で行われる予定です。関西の方は備忘録にメモしておかれてはいかがでしょうか?

※日本発達障害学会 (ホームページはこちら>>

◯その他の学会イベント
日本特殊教育学会は今年第53回大会を迎えるなど、日本でもっとも古い障害支援の学会です。筆者はこれまで参加する機会がありませんでしたので、今年9月に宮城県仙台市で開催された大会のページを記載してご紹介に代えさせていただきます。

※日本特殊教育学会 第53回大会 (詳細はこちら>>
※日本特殊教育学会 (ホームページはこちら>>

その他にも、医療研究者向け、教育関係者向けに多数の学会がありますが、一般の方が気軽に参加できるイベントはあまり多くないようです。今後、そのようなイベントを見つけた際にはメルマガでご紹介するようにします。

次回は、国の施設として定期的にイベントを行っている、国立特別支援教育総合研究所と国立障害者リハビリテーションセンターを紹介させていただきます。

※国立特別支援教育総合研究所 (ホームページはこちら>>
※国立障害者リハビリテーションセンター (ホームページはこちら>>

(五藤博義)

 

■ あとがき
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前々号のメルマガで紹介した2つのイベントに発表を申し込んだところ、幸い両方で発表の機会を与えていただきました。

東京・世田谷で開催される「子どものからだと心・全国研究会議」では、12月12日(土)午後に行われるポスター発表、京都で行われるATACカンファレンスでは、12月18日(金)の一般公募のセッションで口頭発表をさせていただきます。前者は、いじめなどクラスの人間関係を発見するためのツールとして、後者は、認知機能のアセスメントをリアルタイムで行うツールとしての「デジタルパズル」の可能性についてです。

もし参加される読者の方がいらっしゃれば、会場でぜひお声がけください。

次回メルマガは、12月11日(金)を予定しています。