自閉症の僕が跳びはねる理由

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2013.09.06

自閉症の僕が跳びはねる理由

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■ 連載:米国の個別支援計画その3
■ グッズレビュー:こどもハミガキ上手
■ 書籍:自閉症の僕が跳びはねる理由
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■ 連載:ボストンからの発達障害レポート 第7回
米国の個別支援計画その3
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前回に引き続き、今回は個別支援計画:IEPs のミーティングについて説明したいと思います。IEPsミーティングは、最終的にIEPsを仕上げる上でとても重要なものです。そこで議論されたことがその子のプログラムの内容に大いに反映されるからです。

IEPsミーティングには、保護者、生徒の通常学級の担任教師、特別支援担当の教師、専属でついている支援者、作業療法士、理学療法士、言語聴覚士、14歳以上であれば生徒本人、その他にその子のサポートに関わっている人でメンバー構成されます。さらに、日本人の家族がアメリカに来て、英語に不安を感じるようであれば、通訳も入ります。

ミーティングの前には、それまでに集められたその子の成長の記録や、アセスメントの結果、各種サービスの介入(セラピー等)があればその記録、以前にすでにIEPsを作成してあれば過去のIEPs等、場合によっては40枚にも50枚にも及ぶ書類を参考資料として渡されます。

そして前回説明したような、IEPsの中に記入していく事項を議論し、それぞれの意見を述べて、その子に適切なプログラムになる様にミーティングは進行していきます。

実際にIEPsミーティングを体験したことのある保護者二人に、話を伺うことができたのですが、二人とも初めは資料の細かさと多さに驚いたそうです。ただし、アメリカでは全て書類にされて明確になっている分、もしも過程や結果が異なれば、その理由はとことん納得いくまで追求できるので、不安や懸念をいつまでもうやむやにしなくて済むのは、保護者として子供に「何が
一番適切か」を判断する材料になるので、長くても読む価値のあるものだそうです。

それから、子供と共に、何が必要で何を目標にすべきかをその子の教育・支援に関わる全ての人と共有できる機会がある事は、初めこそ怖気づきそうになっても、最終的には心理的に「自分一人だけでこの子の障がいと向き合わなければいけないわけではない」と、心強くも感じるそうです。

こうして保護者の実際の声を聞くと、子供の成長に関わる仕事に就く者の責任の重さを改めて感じます。「命と法と教育に関わる仕事は聖職である」という意味がわかる気がします。

一言にAD/HD、LD、自閉症スペクトラム、と診断名を言ったとしても、障がいの重さや内容は本当に人それぞれです。充実した内容のあるIEPsを作成するためには、障がいの特徴に精通するだけでなく、日々の子どもの成長記録や観察記録をつける力が何よりも必要とされると実感しました。

三度に渡ってお送りしたIEPsシリーズいかがでしたでしょうか。少しでも皆様の情報収集に役立てたら幸いです。
(礒恵美)

★礒さん編集facebookページ "All 4 Variety"はこちら>>

 

■ グッズレポート:こどもハミガキ上手
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すべての歯や歯グキを、ちゃんとブラッシングするのは難しいもの。口の中は見えないし、角度を変えながら歯ブラシをまんべんなく当てるのは、かなりの高難度の技術と言えます。

そんな時に役立つのが、今回ご紹介するグッズ。口に入れてぐちゅぐちゅするだけで、歯垢(しこう)が赤く着色されます。赤いところを狙って、歯ブラシを当てていくのを、ゲームのように面白がってくれるようになれば、大成功かも?

今回、紹介していただいた小林さんのお子さんは、過去のグッズレビューのコーナーで紹介したアプリ「5分歯みがき」も使っていらっしゃるそうです。併せてお勧めします。
★アプリ「5分歯みがき」のグッズレビューはこちら>>

★「こどもハミガキ上手」のヴァラエティカフェ・グッズレビューはこちら>> 
レヴュアー: 小林 雅子

 

■ 書籍:自閉症の僕が跳びはねる理由
-会話のできない中学生がつづる内なる心
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「常同行動」という言葉をご存知ですか? 精神障害診断の国際標準、DSM-5で診断基準として規定されている、自閉症スペクトラム障害(ASD)のある人の特徴的な行動です。手をひらひらさせる、テレビCMのフレーズを繰り返し話す等、人によって異なりますが、「常同」の語義通り、何度でも繰り返される行動です。

これらの行動は、本人が意図して行っているわけではありません。逆に、周りからしないように言われて、本人もしないようにしたいと何度も思ったことがあるにもかかわらず、身体が動いてしまうという性質のものです。

他にも、人の目を見て話すことができない、さよならのあいさつで手を自分に向けてバイバイする等、多くの人には奇異に見える、自閉症スペクトラムの人の特徴的な行動はいろいろあります。

そんな行動の理由を一つひとつ、当事者が解き明かしてくれた本が本書です。

この本は、声を使って話すことのできない重度の自閉症、東田直樹さんが中学生の時に書いた本です。イギリスでも今年7月に翻訳が出版され、アマゾンUKの予約だけで、なんと6000部というベストセラーになっているそうです。
★ビッグイシュー・オンラインはこちら>>

教師や保育士、体験活動の指導者など、子どもと接する機会のある方には、ぜひ読んでいただきたい一冊です。

なお、最近の東田直樹さんは「跳びはねる思考」というコラムを連載中です。
★クリエイターと読者をつなぐサイトcakesはこちら>>

また、東田直樹さんの講演を10月26日、さいたま市で実施するという情報を NPOおやじりんく様からいただいています。詳細は次号でご案内させていただきます。

自閉症の僕が跳びはねる理由 -会話のできない中学生がつづる内なる心
東田直樹著、エスコアール、2007年2月発行、
A5判、176ページ、1600円(税別)
★詳細はこちら>>

 

■ あとがき
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眼科医として、脳機能までを含む視覚認知機能の支援に取り組む、かわばた眼科(院長:川端秀仁先生)はご存じの方が多いと思います。本メルマガでも、No.64と65で「見え方のつまずきとチェック法」をご紹介しました。

★メルマガNo.64の記事はこちら>>
★メルマガNo.65の記事はこちら>>

かわばた眼科のノウハウを公開する「視覚発達支援講習会」は年に2回、開催されており、次回は9月22日、新宿の工学院大学で開催されます。残念ながら定員200名は満員御礼とのことですが、今回、かわばた眼科とレデックスが連携して開発する新ソフト「視覚認知バランサー(仮称)」の構想を編者から発表させていただく予定です。

★かわばた眼科 視覚発達支援センターのホームページはこちら>>
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次回メルマガは、9月20日(金)です。

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