Individualized Education Programs (個別支援計画)

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2013.07.19

Individualized Education Programs (個別支援計画)

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■ 連載:Individualized Education Programs (個別支援計画)
■ Webページ:魔法のプロジェクト アプリレビュー
■ 書籍:なるほど高次脳機能障害 ~誰にもおきる見えない障害
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■ 連載:ボストンからの発達障害レポート 第5回
Individualized Education Programs (個別支援計画)
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Individualized Education Programs (IEPs: 個別支援計画)とは、アメリカの国法の下、公立の学校に在籍する、特別支援教育を受けている全ての子に作成されなければならない支援計画表のことです。(実際には私立の特別支援学校に通う子もほとんどがIEPsを持っています)

日本でも2007年度にそれまでの特殊教育から特別支援教育に移行した際に、個別計画を作成することが義務付けられたので、IEPsという言葉を聞いたことがある方もたくさんいらっしゃると思います。このIEPsについて、何回かに分けてお話したいと思います。

IEPsが作成されるまでの過程は長く、また資料のボリュームも、子どもによっては30から40ページに及ぶほど詳しく書きこまれるものです。

IEPsを理解する上で重要なポイントが二つあります。
Free Appropriate Public Education (FAPE:適切で無料の公共教育)と、Least Restricted Environment (LRE:もっとも制約の少ない環境)で、この二つが、アメリカの特別支援教育の基本原理です。
簡単に言えば「障がいのない同年代の他の子たちに限りなく近い教育環境を提供しよう」というものです。

IEPsの中には、その子の現在の状況、一般的な教育を受けるにあたっての問題点、これまでの発達状況、アセスメント(評価)の結果などが細かく書かれます。そして、その子に必要な「測定できる/評価できる」年間目標を立てます。

例えば、日本でよく見かける「健やかで穏やかな学校生活を送る」「生活面での自立」「集団行動に慣れる」という表現は曖昧であって、評価できないと考えられます。IEPsの中で立てられる目標はもっと具体的で、進歩や結果が評価できる形でなければなりません。

例えば、「生活面の自立」は「ランチをスプーン・フォークを使ってこぼさずに食べられるようになる」ならよいとされる訳です。「集団行動に慣れる」では、慣れているという状況をどうやって判断するのか、その根拠が明確に分かるように書かれていなければなりません。

この辺の合理的な方針は、アメリカらしいかもしれませんね。
目に見えるもので判断する、具体的で根拠のある内容でなければいけない。
私は日本独特の、精神論や行間を読む風習がとても好きですが、アメリカのこの考え方には学べることがたくさんあると思います。

このようにして、一人ひとりの子どもが限りなく普通教育に近い環境で学校生活を送れるようにしながら、IEPsに書かれた目標を達成するために必要なAccommodation (援助)を考えていきます。そして人的支援、物的支援、環境調整など、これらの援助の方法もIEPsに書かれていきます。最後に、重要なIEPsミーティングが行われ、最終的な個別計画が完成します。

今回は、IEPsの概要と作成の大まかな流れをお話ししました。どんなものか少しはイメージしてもらえたでしょうか?

IEPsの内容の詳細やIEPsミーティングについて、今後、順を追ってお話ししたいと思います。

(礒恵美)

★礒さん編集facebookページ "All 4 Variety"はこちら>>

 

■ Webページ:魔法のプロジェクト アプリレビュー
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障害をもつ子どもたちの生活や学びを、携帯端末(iPad等)の活用で改善しようというのが「魔法」プロジェクトです。東京大学先端科学技術研究センターとソフトバンクグループが2009年6月に開始して以来、毎年実施され、現在は魔法のランプ・プロジェクトが進行中です。
★「魔法のプロジェクト」の詳細はこちら>>

プロジェクトに参加の学校や、児童生徒に携帯端末が貸し出され、教師自作の周辺機器や流通するアプリを使って、一人ひとりの子どもに合った、生活や学びの方法が企画され、検証されています。

それらの実践から、たくさんのアプリ(無料・有料を問わず)に対する評価や使い方のアイデアをまとめたページが公開されました。今もたくさんの教師や研究者が要望やレビューを寄せ、また、改善のためのフォーラムも設けられ、議論が行われています。さらなる発展が期待できそうです。
★「魔法のプロジェクト」アプリレビューはこちら>>

レビューは、ジャンル別にまとめられており、自分の必要なジャンルごとに多数のアプリについて知ることができます。
ジャンル例:コミュニケーション・エイド、地図・GPS、メモ帳・ワープロ、音声認識、録音、デジタル教科書/教材、時間管理(タイマー/スケジュール/リマインダー/アラーム/タイムエイド) 、アクセシビリティ

当編集部としては、これらのアプリの中からメルマガ読者にお知らせすべきと判断したものを、今後取り上げて紹介していく予定です。また、読者の皆様がよいと思われたものについて、感想や紹介文を編集部に送ってくだされば、本メルマガで紹介させていただきたく存じます。

まずは、皆様ご自身がこのページをご覧になって、いろいろなアプリをご試用いただきたいと思います。

(五藤博義)

 

■ 書籍:なるほど高次脳機能障害 ~誰にもおきる見えない障害
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久しぶりに高次脳機能障害に関する書籍のご紹介です。交通事故や脳卒中、スポーツ事故など、ある日突然起きてしまう障害です。また、外見からでは違いが分からず、損傷の部位によって以前とは異なる特定の困難が生じるため、本人も家族も苦しむことがあります。

図が多用されており、要点だけが簡潔にまとめられているために、大変読みやすくなっていて、入門書として最適の一冊だと思います。

また、診断、退院から社会生活までの流れの解説や、社会参加に向けて、新しい人生への一歩を踏み出すために、という章が設けられており、現状は困難でも、新しい生活が開けてくるという希望を与えてくれる内容になっています。

コラムとして、障害者手帳行政上の区分、症状が似ている発達障害・認知症、子どもの高次脳機能障害などの知っておきたいポイントがまとめられている点は、これまでの書籍と一線を画していると思います。

なるほど高次脳機能障害 ~誰にもおきる見えない障害
橋本圭司監修、朝日新聞厚生文化事業団編、クリエイツかもがわ
2013年7月発行、B5判、88ページ、1200円(税別)
★詳細はこちら>> ※試し読みあり

 

■ あとがき
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夏はセミナーの季節です。ビジョントレーニングの北出先生が情報をくださいましたので、ご紹介させていただきます。

8月1日 横浜市中区、主催:全日本特別支援教育研究連盟
平成25年度発達生涯教育セミナー
★詳細はこちら>>

8月5日 横浜市港南区、主催:神奈川LD協会
日常の保育・教育活動に活かせるビジョントレーニング
★詳細はこちら>>

8月6日 東京都江東区、主催:発達教会
実践セミナー 6-B 認知の働きに配慮した指導の実際
★詳細はこちら>>

次回メルマガは8月2日(金)です。

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