黒板の字を書き写すのが苦手な子どもたち

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2013.01.25

黒板の字を書き写すのが苦手な子どもたち

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■ 連載:黒板の字を書き写すのが苦手な子どもたち
■ グッズレビュー: Finger Piano + (フィンガーピアノプラス)
■ 有用サイト:DIVERCITY Online (ディバーシティ・オンライン)
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■ 連載:ビジョントレーニング 第4回
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「黒板の字を書き写すのが苦手な子どもたち」不登校気味であった中学生のA君。A君は黒板の字を書き写すことが難しく苦手意識がつもり、学校を休みがちになっていました。お母さんがビジョントレーニングのことを知り私の講演を聞きに来られたのです。

早速、講演を聞いてからトレーニングに取り組み始めました。A君の問題は眼球運動の苦手さから来ていました。改めて検査に来られてから、眼を動かす練習とパソコンのビジョントレーニングのトレーニング、パズルのトレーニングなどに取り組まれて、眼球の動きも3か月くらいで良くなりました。最近では学校も休まずに通えるようになったとのことです。

黒板を写すことが難しくて悩んでいるお子さんは多いようです。最近来られた小学校1年生のお子さんもその難しさがあり、来年度から特別支援学級を勧められていたそうです。そのお子さんも眼球の動きに問題があり、心配されたお母さんがトレーニングをご家庭で始められたところ、一か月くらいでかなり改善し、支援学級には行かれなくなったということでした。

小学校に上がってきたときに眼球運動の発達の遅れから、学習面でつまずき自信を失くしてしまうお子さんは大変多いのではないでしょうか。

小学校2年生のO君も私のところに来られたときは文字の読み書きが難しく、授業についていくことが難しい状態でした。教科書や辞書が真っ黒に見えるといっていたO君の検査をしてみたところ、眼球運動などの入力機能、形を認識する処理機能に問題があり、トレーニングを毎日ご家庭で行っていただきました。お手玉などを眼で追うトレーニング、数字の羅列表などを速く読む眼の動きのトレーニング、パズルなどで認知機能を高めるトレーニングをやっていただきました。

お母様が熱心にトレーニングを続けられたこともあり、半年くらいで本がふつうに読めるようになり、授業にも困らなくなってきました。O君はトレーニングを1年半継続し、視覚の機能の問題はほぼ改善しました。現在はO君は高校生になり、歴史の本を読むことが好きで、水泳部のリーダー的存在として楽しく学校にも通えているとのことです。

下の写真はO君のWISC3※のグラフ、黒線がトレーニングを始める前、赤線がトレーニングを始めて2年後のグラフです。



※編者注 児童生徒向けの知能検査。言語性と運動性の大きく分けて2つの領域で認知機能のレベルを示す。
☆秋田市の解説ページはこちら>>

言語性にはもともとそれほど問題がありませんでした。符号が下がっていましたが、眼球運動に問題があると速く眼を移動させながら行う作業が難しくなります。積木・組合わせなども下がっていますが、認知の問題があるとパズルを組み合わせるような作業が難しくなります。O君の行ったトレーニングはそれらの能力を改善し、学校の授業についていくために必要な視覚の能力を身に着けさせたと考えられます。眼からの情報が入りやすくなり、もともと言葉を理解する力があったことで本なども理解して読みやすくなったのではないでしょうか。

視覚の問題のあるお子さんは耳から学ぶことは比較的得意で、聞いたことは理解できるが、読むこと、書くことが難しいということがあります。このような問題がある人は一度詳しい視覚の機能の検査を受けてみて、トレーニングを始めてみられるのはいかがでしょうか。

眼科ではあまりこのような詳しい視覚機能の検査をされているところは少ないので、私のホームページなどから最寄の場所を探してみてください。

トレーニングはご家庭でもできます。お手玉やパソコン、アイパッドなどのトレーニング、パズルなどのトレーニングですので、楽しく続けることができます。トレーニングの期間としては大体1年くらいです。ある程度力がつけば、そこでトレーニングは終了し、日常の中で身につけた能力を使っていきます。

(北出勝也)
☆北出先生のサイト:視機能トレーニングセンター「ジョイビジョン」はこちら>>

 

■ グッズレポート:Finger Piano + (フィンガーピアノプラス)
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前回に続き、ピアノ演奏関連のiPhone/iPadアプリの紹介です。

画面の下半分にキーボード、上半分にスクロールガイドが表示されます。
弾きたい曲を選ぶと、弾くべきキーの上のスクロールガイドが着色され、そのキーを、着色されたバーの長さだけの時間、指で押さえる(弾く)と演奏が行われます。

正しいキーを押すまでは、他のキーを押しても音が出ないので、テンポはともかく一連の曲を最後まで演奏することができます。

曲を弾いた!という体験ができることで、演奏の楽しさを知ることのできるアプリだと思います。

☆ヴァラエティカフェ・グッズレビュー はこちら>>
レヴュアー:yoshiko

 

■ 有用サイト:DIVERCITY Online (ディバーシティ・オンライン)
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たすくスケジュールというアプリを開発・販売しているインフォ・ラウンジというWebデザイン会社が昨年11月に立ち上げたサイトです。副題の『自閉症・発達障がいの「いま」を伝えるオンラインマガジン』という言葉が、このサイトの目的を示していると思います。

これまでの発達障害関連のサイトと異なり、写真が多用されているのが特徴です。セミナー・講演会、展示会、学校見学の3つのメインコーナーがあります。その中でも、もっとも写真利用の利点が分かる「学校見学」-「筑波大学付属久里浜特別支援学校」のページを見ていただければと思います。
☆「学校見学」-「筑波大学付属久里浜特別支援学校」のページはこちら>>

なんとこのページだけで36枚の写真が掲載されています。立地、施設や設備、教室の掲示、子どもたちが取り組む教材・教具など、写真と解説で紹介されています。以前、このメルマガで編者が紹介した同校の紹介と合わせて、このページを読んでいただければ、写真の価値がよくお分かりいただけると思います。

☆メルマガバックナンバー(2011年11月11日号)はこちら>> 

セミナー・講演会のコーナーでは、野澤和弘・毎日新聞論説委員、カニングハム久子・言語セラピスト、安原昭博・医師、藤野博・東京学芸大学教授など、発達障害関連で実績のあるたくさんの方々の講演内容が掲載されています。立ち上がってまだ2か月のサイトですが、今後に大いに期待したいと思います。

☆DIVERCITY Onlineはこちら>>

 

■ あとがき
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次回メルマガは、2月8日(金)です。インフルエンザの前週の患者数がその前の週の3倍になったとか。皆様もくれぐれも体調にお気をつけください。

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