発達障害に送るメッセージ

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2012.03.30

発達障害に送るメッセージ

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■ レポート:平岩幹男講演会:発達障害に送るメッセージ
■ グッズレポート:「アイマスク」「おめめどう」
■ イベント:佐々木正美先生講演会 Part.2 at 練馬
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■ レポート:平岩幹男講演会:発達障害に送るメッセージ
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3月6日に浦和で行われた小児科医・平岩幹男先生の講演会に出席しました。
主催は「埼玉親の会 麦」です。2時間に及ぶ講演から、五藤の判断で皆様に知っていただきたい3点に絞ってご報告します。

1.発達障害の優れたところを活かす職業

〇ADHDの長所
・疲れを知らない、動き回れるパワー
・凡人にはまねできない

ADHDの人は、じっくり取り組むことは苦手ですが、動き回ったり気分を変えたりすることが得意です。ですから、それが生かせる職業につけば「才能」となります。

例えば、営業の電話。普通の人は10件、20件と連続して断られると、その後続けて電話をかけることができなくなってしまいます。ADHDの人はさらに電話をかけ続けることができるので、成果を出していきます。

・向く職業:セールスマン、営業担当、マスコミ関係、窓口業務、案内係
・不向きな職業:技術・設計関係、著述業、教師、警察官、音楽家、プログラマーなど

国立成育医療研究センターの宮尾益知先生も、新聞記者やタレントさんはADHDの人がたくさんいるとおっしゃっていました。

〇高機能自閉症の長所
・疲れを知らない、集中するパワー
・正直、まじめ、率直、正義感

子どもの時には、集中力は社会的に必要とされないことで発揮されることが多いようですが、職業に活かせば「才能」となります。

・向く職業:技術者、音楽家、芸術家、棋士、コンピュータ関連(SE、インストラクターなど多数)、研究者、教師、警察官、自衛官、介護、動物関連
・不向きな職業:営業マン(特に訪問販売など)、店員、窓口業務が主な公務員、銀行員など

宮尾先生も、プログラマーや大学教授には高機能自閉症が多数いるとおっしゃっていました。

2.性の問題

発達障害の子にも当然、性に対する関心が芽生えます。ただ、その特徴ゆえにいろいろな問題があります。

〇ADHDの場合
・男子の場合、女性に興味はあるが、簡単に近づいてはふられる
・デートに誘うが、時間を忘れる
・デートの最中でも、気に入った人を見つけると追いかけたりする
・チャンスはたくさん作るがうまくいかない

ADHDに見られる性的逸脱行為としては、
・同時に多くのセックスパートナー
・避妊をしないことがしばしば
・特定の個人と長続きしない
・二次障害で行為障害などになると、しばしば暴力をふるうことが

〇高機能自閉症の場合

・一部の性的なこだわりを持つケースを除けば、情緒的思春期が長い
・場が読めないので、メールは大丈夫だが、実際に会って話すとふられる
・デートの計画を立てるのは好きだが、立てるだけで満足しがち
・時に思いこみからの性非行が見られる
・性へのこだわりが出ると対応が必要
→自分の性への疑問、他の性へのあこがれ
→性的逸脱行動もありうる
・女性の場合、多くは男性への恐怖感がある
→いじめや人生体験などから
→セックスに興味がない
→妊娠・出産に興味がない
→だまされる危険がいつもある

3.推奨する対応方法-ほめる

平岩先生が強調されるのは、self-esteem(自己肯定感、自尊感情)。
その低下により、本来持てる力が発揮できなくなり、自己否定から不登校や非行などの二次障害が発生します。それを防ぐにはほめることが大切です。
期待することは実現します。ピグマリオン効果を活かしましょう。

〇何をほめるか

できて当たり前、というスタンスでは前に進めません。できない時に叱ったり注意をしたりするなら、できた時には、ほめるべきです。また普通にしていられること、例えば、おとなしく話を聞いていられたら、これは、ほめる対象です。

できている他の子をほめることも大切です。ほめられたければ、まねをします。ほめられた他の子も気分がよくなります。
ほめられることは蓄積し、行動を変えていきます。
教師が期待することは実現するという調査もあります。ピグマリオン効果あるいはローゼンタール効果といいます。

逆に叱られることは蓄積しません。単に、叱られることに慣れるだけ、ということを銘記しましょう。

〇ほめるには技術と経験、蓄積が必要

ほめ上手は気軽にほめます。ほめ下手は、ほめることをためらいます。3つのいいところを見つけるトレーニングをしましょう。

同じことを、漫画家の里中満知子さんがおっしゃっていたことを思いだしました。持ち込みのマンガがあると必ずほめる、そうです。そのことで、持ち込んだ漫画家の卵たちは伸びていきます。考えようによっては、すごいことだと思います。よいところを見抜く力をもつことこそ、教育や子どもの発達にかかわるすべての人に必要な技術だと痛感します。

また、ほめた人のself-esteemも上昇します。

山本五十六の有名な文章も、ほめることの大切さを示しています。

やって見せて、言って聞かせて、やらせて見て、ほめてやらねば、人は動かず

〇ハイタッチと握手

ハイタッチは、あいさつにも、ほめることにも使えます。嫌いな子は少ないです。お互いの目よりも高い位置で、元気にパチンとタッチします。
握手は、君を子ども扱いしない、というメッセージになります。相談など何か終わる時など「また来てね」という時に使います。

平岩先生は、最近、新しいWebページを立ち上げられました。最近の論文なども掲載されていますので、ご参考にされてはいかがでしょうか?

自閉症療育と幼児早期教育の広場
<サイト内記事>
ADHDにおける食事要因 12年3月9日
Management of Children With Autism Spectrum Disorders 12年3月22日

(五藤博義)

 

■ グッズレポート 「アイマスク」「おめめどう」
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前回の「耳せん」とセットで使うとよいアイマスクの紹介です。
グッズレビュー「アイマスク」の記事はこちら>>

自分のお子さんのために考え出した様々なツールを、他の人にも提供しようと、ハルヤンネこと奥平綾子さんがつくられた会社「おめめどう」。多数のツール群の中心になる、巻物カレンダーと、コミュニケーション支援のメモ帳を紹介します。
グッズレビュー「おめめどう」の記事はこちら>>

※おめめどう本社(兵庫県篠山市)を3月23日に訪問しました。次号で、奥平綾子さんから2時間にわたり伺った解説を、改めてレポートする予定です。

 

■ イベント:佐々木正美先生講演会 Part 2 at 練馬
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TEACCHなど自閉症の療育方法を日本に紹介した佐々木正美先生が、昨年10月に続いて東京・練馬区で講演されます。それに先立つ午前中に、昨年の講演をビデオで見ることができます(無料)。ゴールデンウィークの最初の土曜を発達障害の勉強に充てられてはいかがでしょうか?

佐々木正美先生講演会 Part 2 at 練馬:
「自閉症の人が地域で生活するために-発達障がいの子ども達のいいところ」
主催:NPO法人手をつなごNPO法人IamOKの会
日時:2012年4月28日(土)
第1部 ビデオ上映 9:45~12:00
第2部 講演と質疑応答 14:00~16:00(受付13:30から)
場所:練馬区立勤労福祉会館 練馬区東大泉5-40-36
費用:500円(第1部は無料、事前申込も不要)
詳細と申込はこちら>>

 

■ イベント:「認知機能と学び」学習会 at 駒場東大前
※終了しております
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五藤の通算10回目の勉強会を東京で行います。会場は、発達障害児の支援をさまざまな工夫で進化させ続けるビジューのオフィスで行います。ゆったりとした空間で、参加者の方からの質問にも十分お答えしたいと思います。

学習会:「発達に心配のある子どもたちと認知機能向上について」
主催:Be wiz You(ビジュー)
日時:2012年4月14日(土)
場所:ビジュー駒場3丁目office 目黒区駒場3-11-19
費用:1000円
詳細と申込はこちら>>

 

■ あとがき
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4月2日は国連が決めた「自閉症世界自閉症啓発デー」。世界中で様々な建物がライトアップされます。日本では、東京タワーや神戸ポートタワー、さっぽろテレビ塔など17か所。春宵に映えるブルーライトを観賞されてはいかがでしょうか?
世界自閉症啓発デー公式サイトはこちら>>

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