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子供・親・教師、誰もが楽しい文具店

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■ 連載:Lakeshore Learninng〜子供・親・教師、誰もが楽しい文具店
■ 連載:『成人期』の吃音について、そして『支える』団体について
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──■ まえがき
ご結婚、ご出産とおめでたが続いて、2014年7月の連載以来、久しぶりの北米からの寄稿です。特別支援を含む教育に携わる立場に、親の目線を加えたレポートをお楽しみください。

──■ 連載:ボストンからの発達障害レポート 第9回
−Lakeshore Learninng〜子供・親・教師、誰もが楽しい文具店
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大変ご無沙汰しております。
私事ではありますが、昨年第一子を出産して海外での子育てに奮闘中です。
親となった今、また少しずつ新たな視点からもアメリカでの教育事情などをお届けできたらと思っています。

先日、子供の初節句の記念に足型をとろうと思い、簡単にインクを拭き落とせるスタンプパッドを買いにLakeshore Learningと言う文具店へ行ってきました。主に幼稚園児〜小学生向けの教材を扱っているお店です。

※文具店外観 (画像はこちら>>

計算ドリルやアルファベット練習帳などはもちろん、教師用の教室の壁面飾りやカレンダー、色画用紙やトキシックフリー(無害保証)で洗濯で落ちる絵の具、パズル、ボードゲーム、マラカスや鈴、ままごとセット、教育DVD、収納グッズなども売っています。中には日本の100円ショップでもっと上質なものが手に入ってしまうのではないだろうか、というものもありますが、これから自分の育った文化や言葉と異なる環境で子供は学んでいくことになるので、子供が幼稚園や学校でどういう物を通して学ぶのかを知ることができます。また、いち教育者としてこの様なお店に足を運ぶと、良いアイデアが浮かぶこともあります。

※文具店店内 (画像はこちら>>

店内を見ていると、無料冊子のコーナーがあり、そこに「ADHDの子のための教材」「自閉症スペクトラムの子のための教材」「ディスレクシアの子のための教材」という冊子がありました。

※3種類の無料冊子 (画像はこちら>>
その中には、初めに各障がいの概要と対応のコツが書かれていて、その後にお勧め教材が年齢別に紹介されています。例えばADHDの冊子には、3歳から5歳用に動作が描かれたマットが紹介されていて、目的には「体を動かしてエネルギー発散の機会を作る」と書いてあります。犬のお医者さんごっこセットでは「口頭で感情/体の状態の表現をする」「口頭でのコミュニケーション
能力の向上とソーシャルスキル獲得の練習」と紹介されています。

※ADHD冊子の掲載教材 (画像はこちら>>
左下:動作が描かれたマット 右上:犬のお医者さんごっこ

自閉症スペクトラムの冊子には、様々な感触・形・大きさのゴムボールが紹介されていて、「感覚過敏の子供に様々な感触に慣れさせる」「目と手の協調関係(アイ/ハンドコーディネーション)を育てる」などの目的が紹介されています。

※感覚に慣れさせるゴムボール (画像はこちら>>

お店のホームページ(LakeshoreLearning.com)を見ると無料でダウンロードできるワークシートなどもあります。

※文具店ホームページ (ホームページはこちら>>

教師にとっては言わずもがな役立つリソースですし、自宅で使えるおもちゃや教材を探している親にとっても、丁寧な案内なのではないかと思いました。
すでに持っている教材や玩具も「こんな使い方があるのか」と新たな発見にも繋がります。私が行った日にはちょうど母の日の前週末だったこともあり、3〜5歳くらいの子を対象とした工作ワークショップが開かれていて、花飾りを作っているようでした。

決して特別なお店ではなく、よくあるスーパーマーケットに隣接されているお店です。教育系の施設はやや敷居が高く、足を運びにくいと感じられる方もいらっしゃると思います。こんなちょっと立ち寄れる身近なお店なら、見るだけでも楽しいですし、障がいに対する理解がこういった場所での経験から草の根が広がるように自然に浸透したら良いだろうなと思った Lakeshore Learningでの体験でした。

(礒恵美)

 

──■ 連載:「吃音」のこと、もっと知ってください!
そして、もっと一緒に話してください!
(第5回)『成人期』の吃音について、そして『支える』団体について
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フジテレビ月9『ラヴソング』も第2章が終了し、臨床心理士の神代(福山雅治)と共に歩み始めた主人公のさくらの人生がまた岐路を迎えるのか!?

さて前回、『成人期』の吃音について、『ラヴソング』の第1話から吃音者の心情がわかるシーンをお伝えしてきました。今回はその続きと、後半は、吃音児者を支える会等についてお伝えしていきたいと思います。

(7)神代と夏希が吃音について話し合うシーン
ここで神代が、吃音の女性について相談をします。ここについては吃音の解説のためのシナリオといえます。吃音の説明や、吃音者が抱える悩み、言いたいことが言えない、会話に参加できないなどと丁寧に説明しています。また、吃音は大人になってからでは治すことは難しいし、訓練やリハビリでで軽減することはあってもそれ以上はないということも伝えています。そういうことであれば吃音を受け入れてみるのはどうだろうかと問いかけます。

(8)さくらの本心 吃音を治したいと神代のところに訪ねるシーン
一方さくらは、親友の結婚式のスピーチを無理と断ったものの、やはり話したいと思っていて、吃音を「治したい」と神代に話します。これが、吃音者のいつも突き当たる壁なのでしょう。

(9)さくらが新人歓迎会の会場を予約しようとするシーン
ご覧になった方は「なんで電話で!」と驚くかもしれませんが、『思春期』でもご紹介したように、電話が苦手だという吃音者はとても多いです。さくらはやはり上手く電話ができず、相手に電話を切られてしまいます。当事者からすれば挑戦してやってみようと思う時もありますが、それでもやはり失敗し、自己肯定感を落としてしまうことがあります。結局さくらは、直接お店に行き予約をすることにしました。そのために話すことを全てメモにしておくということも、吃音当事者はよくされるようです。

(10)新歓の予約がとれたことを他の職員に報告するシーン
せっかく努力をしてやっと予約が取れたのに、あっけなく別に良い店があるとのことで、そちらに変更され、しかも「じゃあ、予約した店、私がキャンセルするね」と電話をかけられてしまう。なんとも辛いシーンです。

(11)無断欠勤したさくらを怒る真美・・・そして
いろいろと努力をしたのにもかかわらず上手くいかず、上司からも注意され、会社を無断欠勤したさくら。ここでさくらはさくらで感情を爆発させます。そのまま自宅を飛び出したさくらは踏切へ向かう。「死んでやる!」と踏切に飛び込もうとするさくら。その場にたまたま神代が駆けつけ、最悪の事態は避けられました・・・。

この第1話〜第2話は、おそらく吃音当事者や吃音者を支える関係者からすれば、本当に見ていられないこともあったように思います。現在、『ラヴソング』は第7話まで終了しました。7話では吃音者の様子が分かるシーンは少なくなっていますが、さくらのこれからが心配になってきています。

成人期の吃音者の苦悩と関わり方について、ぜひ『ラヴソング』から考えてみて下さい。

<『ラヴソング』の文庫本が発売されます!>
・ラヴソング(上) (扶桑社文庫) 5月29日発売!
著者:倉光 泰子、蒔田 陽平
出版社: 扶桑社
定価:734円(佐藤談:予約しました!)

<今回参考にさせて頂いたブログ>
・成人吃音者(きつおん・どもり)のブログ(詳細はこちら>>
第2話以降についても解説していただいています。今後も楽しみにしています。

○吃音児者を『支える』会や団体について

『ラヴソング』のエンドクレジットにもありますが、このドラマの取材協力を、日本言語聴覚士協会と、吃音ドクターで有名な菊池良和先生がされています。また、吃音監修を全国言友会連絡協議会がしており制作されています。
そしてメルマガ第4回で、主人公が上手く演じている理由を、意味深に問いかけましたが、これは、言友会の同じ年齢の川端鈴笑さんとの出会いがあるからのようです。彼女の全面指導があってあの演技になっています。
・スポニチ芸能ニュース
「月9「ラヴソング」吃音を題材にしたワケ 藤原さくらが熱演」(詳細はこちら>>

さて、吃音児や吃音者を支える機関や団体は、全国にあるのですが、実はそれほど多くありません。このことも、吃音児やその保護者、吃音者が相談できる場所がなく一人悩み苦しむことにもつながっているのかもしれません。
それでも、各地域でキャンプや研修会、講演会等が行われ、理解を進めようとされている方がたくさんおります。以下に、発達段階に応じた相談できる機関、団体、そして最後に吃音の研究者や研究組織を挙げておきます。ドラマをきっかけに増えていくことを望みます。

<『乳児期』〜『学童期』を支える>
・各市町村保健センター
・各県市こども発達支援センター
・毎日〜毎週、各地域の幼児・小学校言語障害通級指導教室(ことばの教室)
が支えます。そしてこの「ことばの教室」の全国組織が下になります。
・全国公立学校難聴・言語障害教育研究協議会(全難言協)(詳細はこちら>>
特別支援教育に関する研究及び研修、相談機関として、私も一年研修した、
・国立特別支援教育総合研究所(詳細はこちら>>

<『思春期』を支える>
・各県市こども発達支援センター
・中学生対象の「ことばの教室」はかなり限定されます。高等学校は、現在
のところ通級指導教室はありません(平成30年度より開設予定)。
・小中高校生の吃音のつどい(小学生〜中学生、保護者、大学生がスタッフ)(詳細はこちら>>
・日本吃音臨床研究会 吃音親子サマーキャンプ(小学生〜高校生)(詳細はこちら>>

<『成人期』を支える>
・各県発達障害者支援センター(幼児期〜成人期)
・言語聴覚士のいる病院(幼児期〜成人期)
・国立障害者リハビリテーションセンター研究所(幼児期〜成人期)(詳細はこちら>>
・NPO法人全国言友会連絡協議会(全言連)(主に成人期)(詳細はこちら>>
・吃音キャンプ IN GUNMA フェイスブック(幼児期〜成人期)(詳細はこちら>>

<吃音研究者・研究団体のホームページ>
・伊藤伸二先生(日本吃音臨床研究会)は当事者でもあります。(詳細はこちら>>
・小林宏明先生(金沢大学 吃音ポータルサイト)も当事者です。(詳細はこちら>>
・日本吃音・流暢性障害学会 (詳細はこちら>>

そして最後に、私たちが主催している『吃音キャンプ IN GUNMA』について宣伝をさせてください!

このキャンプは、私がことばの教室を担当していた時に始めた会で、平成21年度にことばの教室の先生方を中心に、「吃音に悩む親子と吃音に関わる人たちが一堂に会し、気兼ねなく吃音について語れる場を群馬でも作りたい。」という提唱のもと、第1回を開催することになりました。

第1回からこのキャンプのねらいとしては、「吃音のある子どもやその親、吃音のある大人、そして吃音のある子どもたちを支える担当者や専門家などが一堂に集い、吃音について知り、同じ吃音のある人たちと語り、吃音があることに向き合いながら”暮らす”こととはどういうことかを感じられる2日間にしたい。」としています。

一日目は午後より、子ども達は外での活動、中学生〜大人は伊藤伸二先生の講演を聴きます。夜は小学生・中学生・高校生・大学生、保護者のそれぞれのグループで活動を行います。夜は懇親会があります。二日目は午前中、子ども達は創作活動、中高生・大学生、保護者は専門家との話し合いや相談になります。

今年度は、11月5日(土)〜6日(日)、国立赤城青少年交流の家で行われます。当事者としての参加、スタッフとしての参加大歓迎です!
お問い合わせは、
事務局(群馬県渋川市立古巻小学校
TEL:0279-22-2542(呼出)
Mail:tsukyu0123@yahoo.co.jp(直通))です。
晩秋の赤城山でお待ちしています!どうぞよろしくお願いします!

そしていよいよ最終回の第6回は、『吃音のこれから』と題して、吃音についての最近の動向についてお伝えして終わりたいと思います。

群馬県渋川市立古巻小学校通級指導教室
教諭 佐藤雅次(まさつぐ)
<臨床発達心理士・特別支援教育士>

 

──■ あとがき
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次のメルマガは、6月10日(金)です。
次号から、発達障害のある子どもの、保護者の方からの連載が始まります。